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LIFESTYLE 子育ての悩み

2022.12.10

【パパが育休とったらこうなった】育休を海外で!語学学校に通いながら子育てに奮闘したパパのリアル体験談

 

育休を取得するパパが年々、増えているようですが、それでも「仕事に支障が出るのでは?」「上司や同僚に迷惑をかけそう」など、育休取得に踏み込めない方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、2児の父で現在も育休中というイクメンパパに、実際に育児休暇を取ってみてどうだったのか聞いてみました!

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keiko kido
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育休を海外で過ごし、育児スキルだけでなく英語力もアップ!

長女(5歳)と長男(1歳)のパパである小原功嗣(こはら こうじ)さんは、長女出産時に取得した育休を使い、3週間の海外ステイを経験。家族でハワイのワイキキにコンドミニアムを借りて、語学学校に通いながら夫婦で育児を楽しんだそうです。当時はおふたりとも同じ製薬会社に勤めており、上司がアメリカ国籍の外国人だったそうで、「せっかく育休を取るなら、何か仕事にも役立つことをしたい」と、海外ステイを決断。そんな小原さんに、育休を取ろうとしたきっかけや、海外でどんな生活をしていたのか、初めての子育てはどうだったかなど、根掘り葉掘り聞いてみました!

【第一子(長女)の育休取得について】

<パパ>
1回目:長女の出産直後に5日間 2回目:長女が1歳になるころに1か月半(3週間の海外ステイ含む)
<ママ>
1回目:産前休暇として6週間 2回目:出産後、約1年半

※現在小原さん(パパ)は、第二子(長男)の育休中ですが、今回は第一子(長女)の育休中のお話です!

 

育休取得のきっかけは「社内SNS」

勤め先で同期入社の女性と結婚した小原功嗣さん。もともと育児に興味があり、育休を取得されたのかと思いきや、結婚当時はまさか育児休暇を取ることになるとは思ってもいなかったそう。そんな小原さんの意識を変えたのが、当時勤めていた製薬会社の社内SNSによる情報だったそうです。

「当時勤務していた会社には、育児への関心が高い男性社員を中心に、440人以上が参加する社内SNSグループがあり、多くのパパたちが子育ての悩みを相談したり、情報を共有したりしていました。このSNSで男性社員の育休に関する投稿を見て刺激を受けたことが、育休取得を考えるひとつのきっかけになりました」(小原さん 以下同)

勤務先であった製薬会社には育休を取っている先輩パパが多く、今ではパパの育休取得率が95%なのだそう。育休を取りやすい社風だったことも大きなポイントのようです。

「社内の飲み会でこんな印象的な出来事がありました。10年前の当時には珍しく2か月間の育休を取得した先輩パパ社員が、『育休を取るなら、ある程度長く取らないと。数日程度では全然育児の戦力にならないし、家事育児を少し手伝う程度で、本当の大変さはわからない』 と語っていたんです。すると、その場にいた子育て中のママ社員たちが一斉に『その通り』と絶賛! その様子を見て、『これがリアルな声か』と驚きました。それもあり、妻の妊娠が分かってからは、ある程度まとまった育休を取るため積極的に準備をはじめました」

育休に入る1年前から社内&家庭で準備!

育休を取るために、どのような準備をしましたか?

「初めての経験なので、私もいろいろ心配で、育休に入る1年前から少しずつ準備をはじめました」

STEP1:社内制度の確認
「会社ではどのような制度が利用できるのか、また過去に利用した人はいるのか等の過去実績を調査しました」

STEP2:チームメンバー/プロジェクトメンバーへの根回しと業務引き継ぎ
「次に、所属部長や上長の育休に対する意向を確認。幸い、育休取得に前向きな意見をいただいたので『これなら話しやすいな』と感じたことを覚えています。その後、同じチームメンバー/プロジェクトメンバー個々に時間をいただき、家庭環境の情報を共有し、育休取得したい意向を伝えていきました。その上で、チームで引継ぎ内容とスケジュールを確認し、業務に支障がでないよう努めました」

STEP3:社外ステークホルダーに伝達
「きちんと引継ぎを行い、会社としてのサポート体制を示すことで、皆さん応援してくれました。同時に、『素晴らしい決意ですし、それを応援してくれるなんてとてもいい会社ですね』と会社の評価も高まりました。こうした、社外から自社の評価が高まる声を多数聞くことで、帰属意識が高まったなと実感しています」

STEP4:育休に入る直前までチームへの気遣い、感謝を忘れない!
「チームメンバーの協力があってこそ、育休を取得できるので、きちんと言葉で感謝の気持ちを伝えるようにしました。それでも『本当はどう思っているかな』と不安になることもありましたが(笑)、みなさん温かく応援してくれました」

長めの産休取得タイミングは1歳になるころに

海外に行かれたのはお子さんが1歳になるころだそうですね?

「妻は産前・産後に3か月ほど実家に滞在する『里帰り出産』でした。そのため、夫婦で話し合って、僕が長めの育児休業を取得するのは、実家のサポートが期待できる出産直後ではなく、少し時間がたってからにしようと決めました」

ハワイでは語学学校に通い英語のスキルを磨く

ハワイではどのように過ごされましたか?

「現地でコンドミニアムを借りて、日常的に英語を使う生活をすることにしました。子育て中心の現地生活を体験しながら、夫婦で交互に語学学校に通ってパーソナルトレーニングを受け、語学力のアップにも取り組む日々でした。子供の面倒を見るため、平日の午前と午後に分けて交互にレッスンへ。午前10:00から12:00に妻がレッスンを、午後14:00から16:00に私がレッスンを受け、夕方から3人でビーチで遊んだり、買い物に出かけることが多かったですね」

子連れの海外ステイで大切なのは事前調査と準備

子連れの海外ステイで大変だったことはありますか?

「現地の日本食は高いですし、せっかく購入しても子供が食べるか分からなかったため、大量の食材(乾麺うどんや調味料、レンジで温められるご飯や食事など)を持ち込みました。また、子供がケガをしたり病気になる不安があったので、あらかじめ日本語が通じる病院を探しておきました。出国前にはかかりつけの小児科で発熱対策など気になることを相談し、小児用の薬や絆創膏も調達。でも、実際には離乳食が売っているスーパーマーケットや子供用の薬を置いているドラッグストアも充実していたので、そこまで神経質にならなくてもよかったなと思います」

現地の方と触れ合う機会はありましたか?

「たくさんありましたね。みなさんとてもフレンドリーで、1歳の娘を連れて歩いているだけで、すれ違う人たちが『Hi, Princess! Aloha~♪』と挨拶してくれるんです。特に毎日通ったワイキキビーチでは、いろんな国の人たちが遊んでくれましたね。そのときは私も英語でコミュニケーション取っていたので、現地で英会話するメンタルブロックは完全になくなりましたね」

「現地に住む友人家族と一緒にアラモアナショッピングセンターで食材を買い、公園やビーチでBBQを楽しむことも。短期的にホテル滞在するだけでは味わえない、ハワイの生活・人々に触れることができ、楽しい思い出をつくることもできました」

子供との生活は、楽しい反面、安全に保育することの大変さを実感

実際に育休を取ってみて、良かったことは?

「やはり一番は、我が子のかけがえのない、かわいい時期を一緒に過ごせることですね。妻との関係も良くなり、家族一丸となって幸せを噛みしめることができています。家族との密な時間だけでなく、自己研鑽にも注力できる貴重な機会となりました。実際、ビジネス英語の研鑽など、職場復帰後に役立つ学びにも時間を投資できたのは良かったなと思います。日本にいるときは、娘を連れて実家でゆっくり過ごすこともできたので、親孝行にもなりました」

逆に大変だったことは?

「育児をがんばりたいという気持ちはあっても、分からないことが多すぎて大変なことがたくさんありました。たとえば赤ちゃんは言葉でコミュニケーションが取れないので、泣いていても理由は分かりません。おむつ替えやミルクなど考えつくす限りのことをしても娘が泣き止まないことがあったのですが、妻に助けを求めても、『(自分で)考えてみて!』と返されてしまって・・・。これは難題でしたね。でも、このときに、分からない中で、調べ、悩み、トライ&エラーを繰り返しながら親になっていくのだなと気づきました。こういうことを日常的にやっているママたちは、本当にすごいですよね」

育休を経て妻に「やっと任せられるね」と認められた

育休を経て変わったことはありますか?

【子育てにおける1日の「型」を取得した】
「ハワイでじっくり娘に関わったことで、1日の『型』のようなものが身につき、だいぶ物事に対処しやすくなりましたね。以前は育児に関わるのは主に週末でしたが、育休中は娘の面倒を見る時間がずっと長くなります。妻が語学学校に行っている間は、僕が娘とふたりきり。海外生活なので、周囲に頼れる人もいません。ご飯を食べさせたり、寝かしつけをしたり、育児全般について僕が主体的に取り組む必要がありました。その結果、子育てに必要な段取りを理解して素早くこなせるようになったり、予想外の事態にも落ち着いて対応できるようになりました。

同時に、家事スキルもアップしたと思います。ホテルではなくコンドミニアムで過ごしたので、日本で生活している時と同じように掃除、洗濯、食事の支度などは自分たちでしていました。そのため、日本に帰ってからも、ハワイで身につけた家事・育児の『型』を生かすことができています」

【子育てスキルを妻に認められた】
「当時の勤務先ではリモートワークなどを活用して在宅勤務ができる体制を整えられていたので、長期の育休を取る前からなるべく育児に参加しようとしていました。それでも、出産直後に5日間の休暇を取ったときに、妻から『まだ子育ての戦力にはなっていない』とはっきり言われてしまったんです。それが、1か月半の育休を経た結果、ハワイから日本への帰り道で初めて妻に『やっと安心して任せられるね』と言われました。これは、今まで仕事で言われたどんな褒め言葉よりもうれしかったです」

「育休期間中、育児だけでなく夫婦の会話の時間を充実させることができたのも良かった点です。私の妻は同じ会社の同期ということもあり、子供が寝ている時間を使って互いの強み・弱みなど自己分析に加え、キャリアビジョンや子育て論についてコンドミニアムの壁に付箋を貼って、素直な自分の気持ちをブレインストーミングし、自分たちのしたいこと・できることなどを『棚卸し』していきました。もはや『研修』ですね(笑)。付箋をまとめると、自分にとって大切な信念を集めた『人生のクレドカード※』みたいなものができました。この作業を通して、夫婦間での理解が深まっただけでなく、復職後の仕事や生活をどう進めていくか、考えをまとめることができたように思います」
※クレドカード:組織や人のあるべき姿や行動指針を簡潔な言葉で記したカードのこと

【仕事の生産性が上がり、ほぼ残業ゼロになった】
「保育園のお迎えの都合などで、『仕事を終わらせなければいけない時間が決まっている』というのがポイントかと思います。今まで非効率だった時間の使い方を変えて、ぎゅっと圧縮して仕事をする意識が働くため、業務量は変わらないのに、不思議と以前より短い時間で業務をこなせるようになりました。

そして、育休経験によって『全体を見る』スキルが高まり、仕事の問題解決も早くなったように思います。これは子育ての経験が仕事に生きている部分ですね」

育休を通して子育てに関するナレッジを発信したいと思うように!

小原さんの育休取得時には、社内SNSの情報が大いに役立ったため、「今後は自分も経験談を発信して、パパたちが育児に参加していく後押しをしたい」と考えるようになったそう。

「一般に的に『子供が産まれると大変だよ』という声が多いですが、子育てには素晴らしいことも多いので、それを共有していきたいですね。私自身、育休経験談などを社内SNSで披露することで、『どうやって海外で育休を過ごしたの?』といった質問を受ける機会が増えました。パパの育休はまだ事例も少なく、本人から直接話を聞くのは難しい人もいると思います。その点、SNSのような気軽な場所で発信を続けることで、パパたちが育児情報に触れる機会を増やしていくことが大切だと感じています。いいことも悪いことも、『このケースはこうやってきたんですよ』というのを全部伝えるのが大事。私が先輩や上司パパに後押ししてもらったように、今度は私たちの経験を通じて次の世代の後押しができるようになれたらいいですね」

今回は長女誕生のときに取得した育休についてうかがいました。次回は現在進行中の、長男と過ごす育休ライフ(約1年間)について詳しく教えていただきます!

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ファザーリングジャパン会員

小原功嗣(こはら こうじ)

妻、長女(5歳)、長男(1歳)の4人家族。※ 現在、約1年間の育児休業中。製薬会社に勤務した後、コンサルティング会社に転職。プライベートでは、子育て世代の父親を支援するNPO法人「ファザーリングジャパン」会員として、家族の絆を深め、夫婦共に仕事も人生も両方楽しむために、男性育休取得の推進プロジェクトを牽引。自身のインスタグラムでも、子育てに励む日々を発信中!

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