町田啓太連載Vol.29「昔はコンプレックスの塊でした」【大人の男のツイードジャケット前編】

町田啓太がツイードジャケットに挑戦

町田啓太さんに「Effective＝効果的」なファッションを着こなしていただく本連載。素敵すぎるカットを余すことなくお見せするために、1ルックを前後編にわけてファッションやライフスタイルについて等身大に語ってもらいます。

町田啓太連載Vol.28「ターニングポイントになった作品は…」【大人のカーディガン後編】

今回のテーマ：大人の男のツイードジャケット

――今回着用していただいた、ツイードのスタイリングはいかがでしたか？

普段はなかなか着る機会のないツイード素材。僕の勝手なイメージかもしれないですが、ツイードジャケットはもっと大人世代の方が着てこそ、かっこいいアイテムというイメージがあって、今の自分にはまだ着こなせないんじゃないかと思っていました。でも、今回着てみたら意外と着やすいことに気づきました。ノーカラージャケットだと難しい感じがするけれど、シャツジャケットだから気取らずに着られるのかもしれないですね。

――ファッションの参考にしている人はいますか？

誰というのはないですが、海外のモデルの方を参考にすることが多いかもしれないです。実は以前、モデルの方に聞いたことがあるのですが、ランウェイを歩くときや撮影では「無」になるんだそうです。だから、モデルの方が着ていると、ちゃんと服だけに目がいくんだ、と納得したと同時にすごいなあと尊敬しきりでした。

――自分の好きなところと嫌いなところは？

“いい感じにテキトー”です（笑）。いい意味でも悪い意味でも、そういう部分はあるのかなと思います。そもそもがコンプレックスの塊だったので、昔は嫌いなところがたくさんありましたよ。

――町田さんにもコンプレックスがあるんですね。

そりゃありますよ！幼い頃は耳が大きいことがコンプレックスで、小学生時代は耳を隠すために髪を伸ばしていましたし、濃い眉毛もコンプレックスですごく細くしたこともありました。でも、中学校の入学を機に髪をバッサリ切ったらモテるようになったし（笑）、眉毛を生やしたらすごく褒められたんです。コンプレックスに思っていることは、意外と周りは気にしていないんですよね。

俳優を始めてからも、まだまだコンプレックスはあって…。テレビで自分の出演作を観ているとき、テレビを通して聞く自分の声に違和感を感じて芝居以上に声が気になってしまい、「なんだよ、この声は…」と落ち込んだこともあります。単純に演技が下手くそだったからというのもあるのですが（苦笑）。そんな中、声の仕事をいただくようになって、声を褒めていただくこともありました。そうやってだんだんと、自分がコンプレックスに思っている部分は、どれも「人と違う」ことであり、「それこそがいいんだ」と考えられるようになりました。

とはいえ、そう受け止められるようになったのは、20代後半に突入してから。今はそれが自分だからしょうがないと思えるし、以前に比べてコンプレックスを感じなくなり、“いい感じのテキトー”が身につきました。

――今後、どんな役を演じてみたいですか？

二面性があったり、多面的なキャラクターはもちろん演じがいがありますが、今までやったことない役はどれもやってみたいです。あえて大枠のジャンルで言うならば、基本的に「温かくて健康的な作品」がいいなと思います。あとは前衛的な作品にも挑戦したい。この作品を通して、自分も視聴者の方も気持ちが軽くなったり、グッと突き刺さるものがある中でいい意味で考えようと思わせられたり…そういう感覚が生まれるものには率先して挑みたいという欲がありますね。

ジャケット¥418,000・カットソー¥60,500・パンツ¥143,000・シューズ¥116,600・サコッシュ¥75,900・ネックレス¥127,600（ヴァレンティノ・インフォメーションデスク〈VALENTINO〉）　その他／スタイリスト私物

お問い合わせ先　
ヴァレンティノ・インフォメーションデスク　03-6384-3512

撮影／彦坂栄治（まきうらオフィス／スチール）　白木 努（PEACE MONKEY／ムービー） 　スタイリスト／Hirohito Honda（Hirohito Honda スタイリング　オフィス）　ヘア＆メイク／Kohey（HAKU）　構成／佐々木怜菜、岡野亜紀子