Domani

働く40代は、明日も楽しい!

 

LIFESTYLE 夫婦・家族

2023.07.16

「不妊ではない」という思いこみ【38歳から始める不妊治療レポート前編】

2022年4月に不妊治療が保険適用になったことをきっかけに、38歳で第二子のための不妊治療を始めました。治療を始めるまでのステップ、10ヶ月間の治療で実際にかかった費用、仕事の両立、感じたことなどを紹介します。

Text:
岡のぞみ
Tags:

38歳で第二子のための不妊治療を開始

第一子を出産したのは2017年。自然妊娠でした。もともと、子どもは2〜3人欲しいと考えていましたが、1歳までは初めての子育てで精一杯。仕事復帰してからは、忙しいながらも、仕事と育児とのバランスが取れた充実した日々を送っていました。

夫とも、「2人目は欲しい」という共通認識はあったものの、特に“いつ”というのは決めておらず。

長男が4歳になった頃、「あれ、そろそろ本気で考えなきゃだめかも」と思いながらも、日々の忙しさに追われ、また一年が経過。それでも、第一子が自然妊娠だったことから30代後半にもかかわらず、「排卵日に性行為をすれば妊娠する」「本気で取り組めばすぐにできるはず」という根拠のない自信がありました。第一子から5年も経っているのに、「不妊」と捉えておらず、今考えるとお気楽だったなと思います。

そんな私たち夫婦が不妊治療を始めたきっかけは、2022年4月に開始された不妊治療の保険適用化です。年齢的にも、多くの友人が不妊治療を受けており、子どもを授かる様子を見てきました。これまでは「不妊治療は高額」というイメージが強く選択肢になかったのですが、保険適用化で費用のハードルがかなり下がるらしいという話を聞き、身近になった印象を受けました。

そのタイミングで、恵比寿の不妊治療専門クリニック「トーチクリニック」の市山院長の講演があり、不妊治療の内容やステップ、クリニックが目指すことなどのお話を聞くことができました。

参考:「不妊治療、保険適用で何が変わった?【専門医インタビュー】」
https://domani.shogakukan.co.jp/743270

「不妊治療は最後の手段として考えられがちだけれども、いつまでに何人子どもが欲しいのか?なぜ子どもが欲しいのか?を早期に考え、それを実現するために不妊治療を選択肢の一つとして持って欲しい」という言葉に、心が軽くなるとともに、不妊治療に対しての障壁も低くなりました。

早速、先生のお話と、保険適用で費用負担がかなり軽減されたことを夫に話したところ、まずは話を聞いてみようと、カウンセリングを受けることとなりました。この時はまだ、私自身も不妊治療をすると決めてはおらず、まずは自分の身体について知りたいという気持ちが大きかったです。

不妊治療の第一歩は夫婦揃って

手を繋いで歩く男女の後ろ姿

カウンセリングでは、そもそもの妊娠の仕組み、年齢とともに妊娠率は低下するということ、不妊治療はカップルにとっての幸せな家族計画を実現するための手段であること、治療内容などについて詳しく教えていただきました。その後、培養師さんから人工授精についての説明を受けました。男性の培養師さんということもあり、禁欲日数や、飲酒と喫煙の影響など、積極的に質問をする夫の姿に、なんだか安心したのを鮮明に覚えています。

治療が始まると、どうしても通院や心身的な負担は女性に偏ってしまうので、最初のカウンセリングに夫婦で参加できたのはとても良かったと感じています。夫も、「具体的な話を聞けてイメージがついた。先生にパートナーの協力が必要だと改めて言ってもらい、気が引き締まった」と話していました。

検査の結果、自然妊娠はできる状態であると分かりましたが、年齢やそれに伴う妊娠率も考慮し、何より、なるべく早く第二子を授かりたいという気持ちがあったため、妻38歳、夫40歳で初めての不妊治療を始める決意をしました。

当時の日記にはこう記してありました。

「(先生との)この出会いは、私にとって、そしてきっと私たち家族にとってとっても大きなものになるのではと思っている。」

「治療」という言葉とは裏腹に、不妊治療を始めることに対し、希望と期待でワクワクしていました。暗闇の中で、ぱあっと第二子への階段があらわれ、それを一段登ったような感覚です。親しい友人には「不妊治療始めたんだ!!」と、聞かれてもいないのに報告するほどでした。

仕事との両立は、同僚の理解が必須
カレンダー

先生とも相談し、私たち夫婦の場合は、タイミング法は行わず、人工授精から始め、その後体外受精にステップアップしました。

治療を始める際の不安は大きく2つ。
1:費用
2:仕事との両立

実際にかかった費用に関しては、この後の記事で紹介します。

不妊治療をきっかけに仕事を辞めたり働き方を変えた友人が複数人いたため、フルタイムで仕事をしながら、治療もできるのか、漠然とした不安がありました。

参考までに、以下が、私が通院した日です。夫がクリニックに行ったのはカウンセリングの一度のみです。※通院回数は個人により異なります

<通院回数>※個人により異なります。
6月:3回(人工授精)
8月:5回(人工授精)
9月:4回(人工授精)
10月:3回(人工授精)
11月:1回
12月:5回(体外受精)
1月:2回
2月:6回(2/14に妊娠判定)
3月:3回

根を詰めすぎるとストレスになると考え、私の仕事が立て込んでいた7月は、治療をおやすみしました。

月の通院回数が3〜5回。
特に体外受精に切り替えた12月以降は、内診だけ、注射だけ、など30分ほどで終わる診察もありましたが、通院回数は多くなっています。

生理がきた5日以内(体外受精の場合は3日以内)に通院しないといけないため、生理予定日の周辺はスケジュールが読めなかったり、突発的に通院が決まった際には、打ち合わせの日程変更やキャンセルなどが生じたことも数回ありました。

ただ、通院していたトーチクリニックはアプリの導入や予約管理など、DX化を進めていることもあり、「不妊治療はクリニックでの待ち時間が長い」「通院日は半日潰れる」といった前情報とは相反し、院内の滞在時間は長くとも1時間ほどでした。待合スペースにはデスクとWi-Fiもあり、待ち時間はデスクワークをしていたため、診察のせいで仕事の業務が大幅に滞ることもありませんでした。これが通院のたびに半日がかり…だとしたら、治療を辞めるか、仕事のスタイルを変えるかせざるを得なかったと思います。

会社の同僚にも不妊治療を始めることやスケジュールを話し、理解・応援してくれているという環境だったため、大きな問題はなく、治療と仕事との両立ができていたと感じています。

私の場合は、基本テレワークで融通もききましたが、打ち合わせが多い、通勤、シフト制(代理を探さなければいけない)などの仕事をしている方は、突発的なスケジュール調整に苦労するかもしれません。また、同僚など、周囲の理解がないと、休むことに対して罪悪感を感じてしまい、退職せざるを得ないなど、精神的に辛い思いをするのではと思います。

まだまだ日本では不妊治療がオープンではないので、少しでも理解が深まり、性別や年齢関係なく、支援・見守る姿勢や制度が整うことを切に願います。

画像ALT

ライター

岡のぞみ

広報・ライター。6歳の息子と夫の3人暮らし。第二子妊娠中。営業、留学カウンセラー、コンビニの広報を経て独立。現在は、横浜と湘南を拠点に活動。
インスタグラム:https://www.instagram.com/nozomi_oka_/

あわせて読みたい

Read Moreおすすめの関連記事

スマートフォンプレビュー

【登録無料】
Domaniメルマガ会員募集中

管理職世代の通勤コーデ、明日は何を着る?子供の受験や習い事、
どうする?人気モデル、ハイセンスなDomani読者モデル、教育のプロたちから
発信されるタイムリーなテーマをピックアップしてお届けします。
プレゼント企画やイベント参加のスペシャルなお知らせも!