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2023.07.17

人工授精、体外受精でかかった費用は? 【38歳から始める不妊治療レポート後編】

 

2022年4月に不妊治療が保険適用になったことをきっかけに、38歳で第二子のための不妊治療を始めました。治療を始めるまでのステップ、10ヶ月間の治療で実際にかかった費用、仕事の両立、感じたことなどを紹介します。

Text:
岡のぞみ
Tags:

保険適用で不妊治療は身近な選択肢に

私たち夫婦の場合は、年齢や、なるべく早く授かりたいという希望から、タイミング法は行わず、人工授精から始めました。
精子を膣内に入れるという施術は、痛みは全くなく、5分ほどで終了。「もう終わりですか?」とあっけに取られたほどです。

<この記事の前編はこちら>

電卓と貯金箱が並んでいる

費用は1周期の施術で、1万5000円〜2万円ほど。当初抱いていた、「不妊治療=高い」というイメージからすると、経済的負担はかなり少ないという印象です。

「不妊治療するほどでは…」「不妊治療は高そう」と考えている方にとっても、選択肢の一つとして持っておいても良いのではないでしょうか。

先生とも相談し、人工授精を4回行った後、体外受精へと切り替えました。1周期の費用は、採卵、採血、注射、薬、受精など含め、約25万円。人工授精と比較すると、費用的なインパクトは大きいですが、どうしても第二子が欲しい、治療を長期化したくないという思いから、迷わずステップアップを選択しました。

<通院回数>※個人により異なります

6月:3回(人工授精)
8月:5回(人工授精)
9月:4回(人工授精)
10月:3回(人工授精)
11月:1回
12月:5回(体外受精)
1月:2回
2月:6回(2/14に妊娠判定)
3月:3回

幸運にも、1回目の体外受精で妊娠することができました。妊娠した後の診察や薬代も含め、私たち夫婦が10ヶ月間の不妊治療でかかった費用は、約35万円です。金額だけ見ると決して安い治療ではありませんが、保険適用されたことで、以前と比較して負担額は軽減されています。何より、あのまま自然妊娠にこだわり続けていたら、第二子を妊娠することができなかったかもしれない。そう考えても、必要で、価値のある投資だったと思います。
※治療内容により費用は異なります。あくまでも私たち夫婦の場合です。

参考:トーチクリニック料金リスト
https://torch.clinic/price#fertility

料金表

美味しい食事や美しい花など、気分をあげるメンタルケアを

自分の性格を鑑みて、仕事の忙しい月は治療をお休みする、誕生日や特別な日にはお酒も嗜むなど、できるだけ精神的なストレスを溜めないよう治療と向き合うようにしました。

それでも、4ヶ月、5ヶ月と経つにつれ、生理が来るたびに不安が積もっていきました。生理が遅れるたび期待して、落ち込んでを繰り返し、「あと何ヶ月続ければ良いんだろう。もしかして妊娠できないのかな」と、クリニックのトイレや自宅で涙したことも一度や二度ではありません。

人工授精の際は身体的負担はほとんど感じませんでしたが、体外受精にステップアップしてからは、辛さを感じることが多かったです。錠剤と膣剤の薬を毎日3回、決まった時間に摂取しなければならない時期があったのですが、膣に入れる薬に関しては、外出している際や長時間張り付かなければならない仕事の際には、時間通りに実施するのが難しかったです。また、毎晩自分でお腹に注射をする必要があり、最初の方は憂鬱でした。ただ、想像しているほどの痛みはなく、次第に慣れました。

私の場合、場所的に痛みが強そうだということで、全身麻酔をして採卵を行いました。麻酔をしているので、採卵の痛みはありませんでしたが、夜にお腹の痛みが発生。ちょうど夫がおらず、わんぱくな5歳男児の相手は到底できず、市内に住んでいる実家の母に助けを要請。

不妊治療を続けるにあたって、女性はストレスや不安を発散させることが非常に大切だなと感じました。

私は、診察の後は美味しいご飯を食べたり、生理が来たり、気持ちが落ち込んだ時には気分の上がる花を買うなど、メンタルケアをするように。後半は落ち込むことが多く、リビングが花と観葉植物で溢れました。友人に夫の愚痴や治療に対しての不安を話すのも、ストレス解消に繋がったように思います。また、クリニックの先生や看護師さんがいつも親身に質問や相談に応えてくれたのもとても救いになりました。

テーブルに飾られたひまわり

ちなみに、夫はというと、最初はやる気も協力体制も万全でしたが、時間が経つにつれ、しりつぼみに。自ら治療のことを聞いてくることもあまりなくなり、「この日に人工授精だから」と伝え、朝ブツをいただく。といった業務感に。男性の場合、わざわざクリニックに通院する必要がないですし、施術することもないので、どうしても当事者意識が薄くなるのは否めません。「代わってあげられないから、どう声をかけたらいいのか、ケアしたらいいのか分からない」と思っている方もいるかもしれませんね。

とはいえ、やはり通院のため仕事の調整をするのも、注射や施術の痛みに耐えるのも女性。「なんで私だけ」と、ストレスや苛立ちを感じてしまうのは不可避だと思います。だからこそ、男性も、できる限り治療を始める際のカウンセリングや、行く必要はない診察にも立ち会うなど、夫婦としてどんな治療に取り組んでいるのかを理解して寄り添っていただきたいなと思っています。

“いつか”子どもが欲しいと考えているなら、“今”から行動を

私たち夫婦は、10ヶ月の不妊治療を経て、幸運にも第二子を妊娠することができました。ひとつの命が宿るのは、本当に奇跡のような出来事だと感じています。ちょうどバレンタインデーに妊娠の判定が出たため、私たち家族への贈り物だと思いました。

私たち夫婦の場合、長男の誕生から5年空いていたにもかかわらず、「不妊」という意識が全くなく、“最後の砦”という印象のある不妊治療はまだまだ遠い存在でした。ですが、不妊治療は、作り上げたい家族の形を実現する一つの手段という市山先生のお言葉や、保険適用になったのが後押しとなり、一歩を踏み出すことができました。

いつも親身に接してくださり、私たち夫婦に寄り添った診察・治療を施してくださったクリニックの皆様、不安やストレスの発散に付き合ってくれた同僚や友人たち、本当にありがとうございました。あの時、まずは検査だけでも、と一歩踏み出して本当によかったです。

「年齢的にまだ早い」「結婚したばかりだから」と考え、不妊治療を最後の手段と捉えている人は少なくないと思います。私自身、もっと早く行動すればよかったと何度も後悔しました。

“いつか”子どもが欲しいと考えている方は、なるべく早く、自分の身体について知っていただくこと。そして、作り上げたい家族の形から逆算して、様々な選択肢を持っていただきたいと、心から思っています。

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ライター

岡のぞみ

広報・ライター。6歳の息子と夫の3人暮らし。営業、留学カウンセラー、コンビニの広報を経て独立。現在は、横浜と湘南を拠点に活動。
インスタグラム:https://www.instagram.com/nozomi_oka_/

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