【目次】
・妊娠発覚後に会社へ報告するタイミングは?
・早めに報告をするメリット
・会社に報告した後の流れ
・妊娠中も無理なく働くコツ
妊娠発覚後に会社へ報告するタイミングは?
ワーキングウーマンにとって、妊娠が分かって最初に頭を悩ませるのが、会社に妊娠の事実を報告するタイミングです。いつ頃、誰に伝えるのがベストなのでしょうか?
妊娠初期に報告する人が多い
妊娠が発覚したとき、病院で懐妊を告げられてすぐという人も多いようです。赤ちゃんの心拍が確認できるのは、妊娠から5~8週目といわれています。この時期に起きる体調の変化として代表的なのが「つわり」です。
つわりの症状は人によって違いますが、吐き気や体のだるさ、食欲不振などを訴える人が多いとされています。また妊娠初期はホルモンバランス変化から、メンタル面も不安定になりやすいのも特徴です。体を第一に考える場合、妊娠が判明してすぐ報告しておいた方が安心と考える人も多いでしょう。
ただしこの時期は自然流産のリスクも高いため、万が一流産してしまったときのことを考え、いわゆる安定期に入ってから報告する人も多くいます。一般的に、母子ともに安定状態に入る16週目あたりからが安定期と言われています。
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まずは直属の上司に報告しよう
会社に報告する際は、まず直属の上司に知らせるのがおすすめです。つわりが軽く体調に変化があまりなくても、急な休みを取らなければならない場合もあるかもしれません。妊娠初期に伝えておけば、もし流産してしまっても配慮してもらいやすくなります。
報告する時点で体調不良が見られる場合は、そのことも報告しておきましょう。業務に影響が出るかもしれないことや、できる限り働く意思があることをしっかり伝えれば、スムーズに話が通りやすくなります。
業務で直接関わる同僚には、上司に確認してから伝えるのが無難です。親しい同僚には早く話したい人もいるかもしれませんが、社内で予期せぬうわさが流れてしまうリスクもあります。万が一流産してしまったときのことも考慮して、安定期に入ってから報告するのがおすすめです。
早めに報告をするメリット
妊娠してすぐ報告すると、さまざまなメリットがあります。「体への負担軽減」「理解の得やすさ」「スムーズに業務を引き継げる」の三つが代表的です。それぞれ詳しく解説します。
・体にかかる負担を減らせる
妊娠中は体の負担が大きくなります。職場でも力仕事や長時間労働など、さらに負担をかけるような仕事を続けるのは好ましくありません。立ちっぱなしの接客や座ったまま長時間動かないデスクワークも、妊娠中のトラブルを引き起こす原因になり得ます。
妊娠初期に上司に報告をしておくと、仕事内容や勤務時間を負担が軽くなるように調整してもえらる可能性が高くなります。妊娠初期は周りからはわからないことがほとんどなので、仕事を調整してもらうには報告するほかないようです。「配慮してもらうのは気が引ける」「迷惑をかけたくない」と考える人もいるでしょう。しかし産休まで働き続けるためにも、自分の体を第一に考えることが大切です。
・周りの理解を得やすくなる
大きな体調の変化がなく元気に過ごせていても、妊娠中は定期検診などで普段に比べて遅刻や欠勤が増える場合があります。業務内容や勤務時間の調整のため、同僚に負担をかけることもあるでしょう。
妊娠中も無理なく仕事をするには、職場の人たちの理解が欠かせません。上司にだけでも早めに報告しておけば、通院のために勤怠が乱れたり、負荷の多い業務ができなかったりして同僚とトラブルになったときも、サポートしてもらえる可能性が高くなります。
同僚にも伝わっている場合は、より協力を得やすくなるでしょう。突然の体調不良が起きたときも、周りが妊娠していることを知っていれば対応も適切になります。お互いが産休まで気持ちよく働くためにも、できるだけ早い段階で報告しておくのがおすすめです。
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・業務の引き継ぎがスムーズに
産休に入る前にしておかなければならない準備の一つが、業務の引き継ぎです。後任者にしっかりバトンタッチできるよう、業務内容を整理したり資料を作ったりといった作業が必要になります。通常業務と並行して行う場合が多いため、直前になって取りかかってもスムーズに引き継げません。
早めに報告しておけば、引き継ぎの作業が必要なことが周囲も分かるため、通常業務でのサポートも得やすくなります。きちんと引き継げる状態にしておけば、職場の心配をせずに産休を迎えられるでしょう。
会社に報告した後の流れ
妊娠を職場へ報告してから産休までは、どのような流れになるのでしょうか?
産休や復帰などについて話し合う
妊娠報告の際は、必ず出産予定日も伝えましょう。産休後に復帰したい場合は、出産後いつ頃から働き始めたいのかを申し出ておくことも重要です。出産予定日の6週前(双子以上の場合は14週間)から産後8週までは働けない決まりになっていますが、本人が希望し医師の許可があれば産後6週目以降から働くことができます。
産休後に働き始めたとき、赤ちゃんを預ける場所も上司と話し合っておくとより安心です。自分の会社にどのような育児サポートの制度があるのか、直接聞いてみるのもおすすめです。育児の両立が容易な部署への異動、法で定めている以上の育児休暇や時短勤務制度を取り入れている会社もあります。
参考:産後の仕事とワークライフバランス | 女性の健康推進室 ヘルスケアラボ|厚生労働省研究班監修
さまざまな制度や法律を知っておこう
妊婦が働く権利は、さまざまな法律や制度によって守られています。基本になるのが「労働基準法」です。労働基準法の「母性保護規定」では、産前産後の休暇取得や労働時間の短縮、育児時間の確保などについて定められています。
産前6週間から産後8週間まで取得できる産前・産後休業の間、無給もしくは給与減額の場合、健康保険組合から出産手当金を受け取れる決まりです。育児休業は子どもが1歳になるまで取得でき、保育園が見つからない場合は最大2年まで延長できます。
他にも妊娠中の通勤緩和や通院における配慮など、さまざま権利が認められています。安心して出産に臨めるよう、法律や制度を確認しておきましょう。
参考:妊娠中の女性労働者への対応|妊娠・出産をサポートする 女性にやさしい職場づくりナビ
参考:働く女性の母性健康管理措置、母性保護規定について|厚生労働省
妊娠中も無理なく働くコツ
妊娠中、女性にはさまざまな体調の変化が起こります。体が発するシグナルを無視して無理をかけると、自分だけでなく胎児にも影響を与えます。妊娠中も無理なく働くコツをチェックしましょう。
・勤務時間や働き方を調整する
妊娠後期になると、赤ちゃんの体重も2000gほどまで重くなります。通勤するだけでもやっとという状態になる人も少なくありません。ラッシュの時間帯に当たってしまうと、転んで流産につながるリスクもあります。出勤時間をずらせるよう調整してもらうのがおすすめです。
長時間労働にならないよう、勤務時間そのものを短縮してもらう相談も可能です。特に体調不調で勤務に支障が出ている場合は、産婦人科で発行される「母性健康管理指導事項連絡カード」を見せて相談する方法もあります。
参考:母健連絡カードについて|妊娠・出産をサポートする 女性にやさしい職場づくりナビ
・こまめに休憩を取る
妊娠前期のつわりだけでなく、安定期に入ってから出産直前までの期間は、胎児が大きくなるにつれて体のむくみ、腰痛などさまざまな症状が出てきます。
デスクワークで同じ姿勢を続けると、おなかが張ったり腰痛が悪化したりします。休憩時間には軽く歩くなどの運動を取り入れましょう。仕事中におなかが張ってきたら、可能な限り休憩するのもポイントです。
・できるだけストレスをためない
妊娠中はホルモンバランスが大きく変わること・出産への不安などから、気持ちの浮き沈みが激しくなる傾向があります。ストレスをためない工夫も、産休まで無理なく働くためのポイントです。
社内でもプライベートでも、信頼できる相談相手がいるなら話を聞いてもらいましょう。仕事でも気を張りすぎないよう、適度なガス抜きが必要です。
また妊娠中は体も疲れやすくなります。身体的な疲労からメンタルに不調をきたすこともあるため、十分な休養や無理のない生活を心掛けることが大切です。
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