「音信不通」とは?
会う約束をしていた相手から、突然連絡が返ってこなくなったり、いつまで経っても業務連絡がなくてトラブルになった… というような経験をしたことはありませんか?
このような状況のことを、「音信不通」と言います。本記事では、この「音信不通」という言葉について詳しく見ていきましょう。言葉の使い方や類語表現などを紹介した後に、相手から連絡をしてほしい場合の伝え方について紹介します。
「音信不通」の意味
「音信不通」とは、「訪問や連絡などのやりとりが途絶えること」。お互いに何年もやりとりをしていない場合や、一方的にレスポンスがなくなってしまう場合など、さまざまなケースが考えられます。
携帯電話やインターネットが普及して久しいですが、手軽にやり取りができるようになったぶん、相手との距離感や連絡の仕方について、悩む機会が増えているのではないでしょうか?
「音信不通」の英語表現
英語で「音信不通」ということを相手に伝えたい場合は、否定形と動詞を組み合わせて表現することができます。
例えば、「聞く」という意味を持つ「hear」を用いた例文を見てみましょう。
「I haven’t heard from him for more than 10 years」という例文。これで、「彼は10年以上音信不通です」ということを相手に伝えることができます。
その他に、「news(消息)」や「a letter(手紙、便り)」という言葉を使って表現するという手も。例えば、「I haven’t news from her.」で「彼女の便り(消息)はない」という意味になります。
参考:『デジタル大辞泉』(小学館)・『プログレッシブ和英中辞典』(小学館)
「音信不通」の使い方を例文を用いて紹介
音信不通には、どんなケースがあるのでしょうか? 「音信不通」の使い方を押さえるとともに、音信不通の具体的なケースもあわせて見ていきましょう。
1:「取引先相手が音信不通になったと決めつけていたが、実は自分が返信に気が付いていないだけだった」
「返信がこないな…」と思っていたら、実は相手からの返信に自分が気付いていなかっただけ、という経験をしたことはありませんか? 「音信不通だ」と決めつけてしまうと、このような可能性に気付くのが遅くなってしまう可能性があります。
音信不通かもしれないと思ったら、まずは自分のメールボックス迷惑メールのフォルダ、着信履歴などを確認してみることも大切です。
2:「インターネット上で仲良くなった友達と、いつの間にか音信不通になってしまった」
今では世界中、さまざまな人が使っているSNS。現実では出会えないような立場の人とも簡単に出会えるようになりました。それゆえ、実際に会ったことないけれども、友達といういわゆる「ネッ友」ができたりすることも。
しかし、インターネット一本で繋がっている関係は、脆く儚いものでもあります。しばらくログインしていなかったら、相手もログインしなくなっていたというケースや、いつの間にか誰が誰だか分からなくなってしまったなんてケースも少なくありません。
3:「これから、何年も音信不通だった幼馴染に会う予定なんだ~」
音信不通はメールやSNS上のやりとりに限った話ではありません。直接的なやりとりも含まれる場合もあります。メールやSNS上のやり取りも含め、交際をしていない期間が長ければ長いほど、再会したときの喜びもひとしお。緊張してしまったり、うまく会話を続けられなかったりするかもしれません。反対に、昔話に花が咲いたり、音信不通だった間の出来事を話して盛り上がったりするということもあるでしょう。
「音信不通」の類語表現を紹介
ここでは、音信不通と同じような意味を持つ言葉について紹介していきます。
1:音沙汰(が)ない
「音沙汰(が)ない」とは、「やりとりがない」という意味です。「音沙汰」には、「連絡」や「消息」などの意味があります。「音沙汰」のうしろには、多くの場合打消しの語がついて「音沙汰ない」や「音沙汰もない」、「音沙汰がない」というように使われることが多いです。
例えば、「もう5年も音沙汰がない」というのは、「もう5年も(相手からの)連絡がない」という意味になります。
2:消息不明
「音信不通」よりも、やや仰々しいイメージのある言葉も紹介します。「消息不明」とは、「様子がはっきりしないこと」を表す言葉です。連絡がない、返信がないというだけなく、相手の安否が分からないという心配の気持ちを込めて「消息不明となった同僚を、みんなで探しまわった」というように使います。
3:便りがない
「便りがない」とは、「手紙などの連絡がない」ことを指します。ひらがなを含んだ言い回しは、漢字ばかりの「音信不通」よりも柔らかい印象になりますね。「便り」という言葉から「手紙」をイメージする人もいらっしゃるかもしれません。しかし、現代においては、手紙に限らずやりとり全般を「便り」と言っても意味が通じます。
例えば、「すっかり便りがないが、彼女は元気にしているだろうか」のように使うことが可能です。
返信してほしい場合は何と伝えればいい?
返信がこない相手に対して、「返信して」と何度も言うのはなかなか気が引けますよね。失礼な人だと受け取られないように、丁寧な言葉遣いを心がけたいものです。
例えば、「すでにご確認いただいているかもしれませんが…」という前置きをしたうえで、「お手数をおかけいたしますが、ご返信をいただければ幸いでございます」というように伝えるのはどうでしょうか?
また、結びの言葉には「ご多忙のところ恐れ入ります」や「ご不明点などがありましたら、お気軽にご連絡ください」など、相手を思いやる文言を添えると、催促しているという印象が和らぐのでおすすめです。
最後に
あえて音信不通の態度を取っているのか、意図せず音信不通になってしまったのかを判断するのはとても難しいです。だからこそ、「どうして連絡をくれないの!」と感情的になるのは避けたいもの。
連絡が返ってこなくて困っているときこそ、冷静な態度と言葉遣いで返信がほしい旨を伝えてみてはいかがでしょうか?
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