「凡庸」とは
「凡庸」は、際立った特徴がなく、平凡でとりえのないことを表す言葉です。字面が似ている「汎用」と混同されることがありますが、意味が異なるので注意が必要です。ここでは、「ご凡庸」の意味や使い方、「汎用」との違いについて解説します。
「凡庸」の意味
「凡庸(ぼんよう)」は、際立った特徴がなく、平凡でとりえのないことを表す言葉です。似たような物事がほかにあるかどうかは関係なく、特別に優れた点がない場合に使われます。「凡庸な才能」「凡庸な思考」などのように使うことが可能です。
【凡庸】ぼんよう
[名・形動]平凡でとりえのないこと。また、その人や、そのさま。「—な(の)人物」
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
「凡庸」の使い方
「凡庸」は、「凡庸な」「凡庸である」などのように使われます。「凡庸」はネガティブなニュアンスが含まれるので、使い方には注意しましょう。
「凡庸」の例文は、以下のとおりです。
・凡庸な日々を送ることに飽きる。
・たいていの人は凡庸に終わる。
・彼の才能に比べたら、自分は凡庸に感じられる。
・彼の如き天才は他が凡庸だとひときわ目立つ。
・凡庸の才能でも忍耐さえあれば世を驚かせる。
「汎用」との違い
「凡庸」と字面が似ている言葉に「汎用(はんよう)」があります。汎用は、多様な用途や分野に用いることができる様を意味する言葉です。
【汎用】はんよう
さまざまな用途や分野に用いることができるさまを意味する語。特定の用途や対象に特化せず、ある程度「何にでも使える」状態であることを意味する。
(引用 〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
何にでも使える様子を表す際、「汎用性が高い」などのように使用します。平凡で取り得がないことを表す「凡庸」と意味が異なるため、状況に応じて使い分けましょう。
「凡庸」の類語
「凡庸」と同じ意味を持つ言い換え表現には、以下のようなものがあります。
それぞれの意味や使い方について解説します。
平凡(へいぼん)
「平凡」は、ありきたりな様子を表す言葉です。何かに面白みがないと感じたときに使用されます。
【平凡】へいぼん
これといったすぐれた特色もなく、ごくあたりまえなこと。また、そのさま。
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
「平凡」の例文は、以下のとおりです。
・彼は決して平凡な生徒ではない。
・模様の色は実に平凡なものである。
・彼は地位も名声ももたない平凡な人だ。
人並み
「人並み(ひとなみ)」は、他者と大体同じ程度であることを表す言葉です。マイナスの意味で使用される場合があるため、使い方に注意しましょう。
【人並み】ひとなみ
世間一般の人と同じ程度であること。また、そのさま。世間並み。「—な(の)暮らし」
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
「人並み」の例文は、以下のとおりです。
・彼女は人並み優れた器量だ。
・僕も人並みに風邪を引いたよ。
・人並み以上の努力をしたからこそ成功したのだ。
芸がない
「芸がない(げいがない)」は、平凡で面白みがないことを表す言葉です。誰かの振る舞いを見て、「面白くない」と判断して伝えることがあります。
【芸がない】げいがない
目をみはるべき見所がなく、凡庸でありつまらないさま。面白くもないさま。
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
「芸がない」の例文は、以下のとおりです。
・彼はノリが悪くて全く芸がない。
・あまり芸がないと感じてデザインを変えた。
・ただ並んで歩くだけでは芸がない。
「凡庸」の対義語
「凡庸」と反対の意味を持つ対義語には、以下のようなものがあります。
それぞれの意味や使い方について解説します。