結婚2年で地方の局アナから独立した、フリーアナウンサーママ
これまでの職歴を教えてください
「大学卒業後は、1年間和歌山のNHKで契約キャスターをしていました。その後、生まれ育った地元でアナウンサーの仕事がしたくて、福島県のTBS系列の放送局に転職して14年ほど勤務。2020年のコロナ禍に退社してから独立して、今はフリーのアナウンサーとして働いています」(小野さん)
独立したきっかけは?
「結婚して2年経った頃、新たなジャンルの仕事をしてみたい、プライベートにもしっかり向き合おう、と思ったのがきっかけです。地方局のアナウンサーってメディアに出るだけじゃなくて記者業務もあるんですね。朝取材に行って、原稿書いて、字幕発注して、BGM選んで…とか、それをその日の夕方までにやるわけです。なので、メイクも直せないくらい時間に追われていて、朝は早く夜遅い生活。かなり不規則だったので、自分の生活を見直そう、と思ったんです。キャスター・アナウンサーの仕事に責任とやりがいを感じる中でも新しい一歩を踏み出そう、と前向きにフリーになることを決めました」(小野さん)
▲独立後も報道キャスターを務めていた小野さん。「夕方の番組に向けて日々全力で駆け抜けていました。お伝えするニュースに同じものはないので、毎日適度な緊張感をもって臨んでいました」(小野さん)
独立してみてどうでしたか?
「退社後も同じニュース番組を続けていたので、独立したといっても出産までの2年間は視聴者のみなさんは私がフリーになったことに気づいていなかったかもしれません。ですが、独立してからは、会社員時代よりも取材の頻度が減ったので、キャスターとして準備時間がきちんと取れるようになりましたし、生活にもメリハリがつけられるようになってプライベートの時間が圧倒的に増えました。大変ありがたいことに夕方のニュース番組を継続させていただくことになり、14年間キャスターを務めました。これは私にとってありがたい経験で大きな財産になりました」(小野さん)
現在の仕事内容を教えてください
「夫の転勤で今は東京在住ですが、これまでの繋がりで地元のお仕事もあって、福島県のPRや県内の情報番組のリポーター、テレビナレーションなどをやっています。郡山まで新幹線で片道1時間半ほどと近いので、日帰り往復はしょっちゅう。最近は1か月に1、2回福島で仕事をしていて、東京ではテレビリポーターやイベントMC、YouTubeのインタビュアーなどもしています」(小野さん)
▲故郷・会津若松での撮影の様子。「先日、福島県内の情報番組のロケをした時に会津もめんの着物を着ました。地元では報道キャスターのイメージが強いので、これからはいつもの私も知っていただけたらと思っています!」(小野さん)
今後、東京でやってみたいことは?
「私はやはり何かを〝発信する〟ことが好きなので、東京でもマスコミのお仕事をやっていきたいです。それから、今回Domani Labメンバーになって撮影とか初めてだったんですね。この年齢で新たなことに挑戦させていただけるってすごくうれしいですし、メディアを通じて〝発信〟もできるので、いろんなことにチャレンジしてみたいなって思っています」(小野さん)
小野さんの平日のスケジュール
6時半 起床
7時 朝食(天気がよければ家族で15分程度散歩へ)
9時 子どもを保育園へ。帰宅後洗濯・掃除
10時 業務スタート
12時 ランチ
13時 業務スタート
16時 お迎え後、子どもと公園へ
17時 帰宅後、夕食準備
18時半 夕食(なるべく子どもと一緒に食べることが目標)
19時 お風呂
21時 寝かしつけ
21時半 自由時間(SNSチェックや翌日準備など)
23時 就寝
小野さんの通勤コーデはこちら!
「職業柄きちんと感は必須。顔写りの良さも大切なので、トップスは明るい色を選ぶことが多いです。ロケなどでたくさん歩くことも考えて、足元はぺたんこ靴。収納力抜群のトートバッグは、休日も息子のおむつや着替えを入れたり、オン・オフで活躍中です!」(小野さん)
資格について
保有している資格を教えてください
「特殊小型船舶免許と秘書技能検定2級、防災士の資格を持っています。特殊小型船舶免許はマリンスポーツが趣味で水上バイクに乗るので取りました。防災士は今年の春取得したばかりです。」(小野さん)
▲会津若松の実家で所有している水上バイクを借りて操縦することもあるそう。「かなり安全運転です! 最近は自分で操縦するよりも引っ張ってもらいながら波乗りを楽しむウェイクサーフィンをすることの方が多いです」(小野さん)
防災士の資格を取ったのはなぜですか?
「震災を経験していることが大きいです。東日本大震災の時にキャスターだったので、身をもって経験したわけですよね。その時に、発信する者として何か役立つことはないかなと思ったんです。ママになって家族を守る大切さもより感じましたし、防災士の資格を取ってひとりでも多くの方に情報を発信できればと思って取得しました」(小野さん)
仕事と育児を両立する「働くママ」として
出産前後はどのような働き方をしていましたか?
「出産の直前までキャスターの仕事をしていて、5月末まで働いてその年の夏に出産しました。それまでずっと第一線でやってきて、出産を機にキャスターの仕事を一旦終えて、そこでやっと立ち止まったような感じかもしれません。退職して独立したのは出産の2年ほど前ですが、産後に完全なフリーランスになったような感覚です」(小野さん)
▲番組卒業時に14年間座っていたキャスター席で記念に撮った1枚。「胎動を感じながらニュースを伝えるのは初めての経験。子どもが大きくなったら『お母さんはおなかの中で元気に過ごす赤ちゃんと2人でカメラの前に座っていたんだよ』と当時のことを伝えるのが楽しみです」(小野さん)
産休・育休は?
「フリーなので私は実質なしでしたが、夫が育休を取ってくれました。1ヶ月でしたがありがたかったですね。夫がとても協力的なので仕事復帰もしやすかったです」(小野さん)
仕事復帰のタイミングは?
「産後4か月くらい経ってから少しずつ始めました。保育園にはまだ預けていなかったので、拘束時間の短いナレーションやVTR出演など、無理のない範囲でできることをしていました。福島県内ですが、実は子どもと共演したこともあるんです。ありがたいことに『子ども連れてきていいよ〜』と言ってもらえる環境だったので、子連れで現場に行くこともありましたね。あとは自治体や地域の保育園の一時預かりを利用して、短時間でできることからやり始めた形です」(小野さん)
フリーで働くことに不安を感じたり、育児との両立に悩んだことはありますか?
「あります。会社員のありがみはやはり感じました。ただ、結婚して家族がいる、という安心感も実はあって。今までがむしゃらにやってきて、自分の時間もなかったので、その時間があるだけでもありがたいって思いますし、自分で調整できる働き方が子育て中の今はちょうどいいなって思います。昨年の4月に夫の転勤で福島から東京に引っ越したのですが、それも私たちにとってはいいタイミングで。子どもが産まれて、仕事もこれからという時。産後まだ決まったお仕事がなかったこともあって、転居するにはベストなタイミングでした」(小野さん)
▲東京に引っ越してきたばかりの頃は大好きなカフェ巡りをよくしていたそう。「この日は清澄白河へ。東京は子連れでも行ける素敵なカフェがたくさんあるのがうれしいですね」(小野さん)
1歳の男の子を育てるママとして
子育てで意識していることはありますか?
「これは仕事にも通じることですが、普段の会話とか話し方には気をつけています。子どもは大人が話す言葉を絶対に聞いているし、言葉は癖になると思うので。あとは、当たり前かもしれませんが、親子のコミュニケーションをちゃんととること。保育園もとてもありがたい環境ですが、家庭でも一緒に遊ぶ時間、過ごす時間をちょっとでも長く取れるように心がけています」(小野さん)
▲家族で公園へ行った時のひとコマ。「子どもが生まれる前は夜行動することが多かったですが、すっかり朝型になりました。ママになった今は『子どもとどれだけ充実した時間を過ごせるか』が生活のテーマ。週末は公園にもよく行きますし、旅行も大好きなので長期休暇に北海道や沖縄にも行きました」(小野さん)
お子さんは習い事をしていますか?
「まだ何もしていないですが、すごく興味はあります。英語とかスイミングとか、色々リサーチ中です!」(小野さん)
小野さんの休日コーデはこちら!
▲ブラウス:Te chichi パンツ:Theory バッグ:ZARA 靴:Polo
「あちこち歩き回ったり走ったり、息子がだいぶアクティブになってきたので、休日コーデは動きやすいカジュアルな格好がベース。バッグも両手が空く斜めがけが基本です。でも、どこかきれいめ演出ができるものが好きで、かわいさと機能性が両立するアイテムを選んで取り入れています」(小野さん)
撮影/黒石あみ 構成/村井 絢
※この記事のアイテムはすべて本人私物です。今シーズンのアイテムでないものもあります。メーカー・ブランドへのお問い合わせはご遠慮ください。
Domani Labメンバー
小野 美希
福島県会津若松市出身のフリーアナウンサー。大学卒業後にNHK和歌山放送局に1年、その後故郷である福島県のTBS系列のテレビ局でアナウンサー・キャスターとして約16年勤める。2023年の春に家族の仕事の関係で東京に引っ越し、現在はフリーアナウンサー・ナレーターとして活躍。1歳の男の子のママ。
公式HP:『フリーアナウンサー 小野美希 オフィシャルサイト』
あわせて読みたい