【目次】
・「干し芋」とは?
・お家で簡単に出来る「干し芋」のつくり方
・「干し芋」をお家でつくる際のコツ
・お家でつくれるサツマイモを使ったお菓子はある?
・最後に
「干し芋」とは?
「干し芋」とは「蒸したサツマイモを天日干しにして乾燥させたもの」です。
「干し芋」には正式名称がある
実は、「干し芋」には「甘藷蒸切干(かんしょむしきりぼし)」という正式名称があるんです。「甘藷(かんしょ)」とは、サツマイモの漢名。1600年頃、中国から琉球(今の沖縄)に伝えられたサツマイモは、当時「甘藷」や「唐芋(からいも)」と呼ばれていました。そして「蒸切干」は「蒸す」「切る」「干す」という製法を表しています。
「干し芋」は栄養価が豊富
「干し芋」は食物繊維やビタミンB1、ビタミンC、カリウムを多く含みます。食物繊維は整腸作用があり、便秘などに効果的。また、血糖値の上昇も緩やかになり、近年、ダイエットや美容に良い健康食品として高い注目を集めています。
お家で簡単に出来る「干し芋」のつくり方
「干し芋」は、ご家庭でも簡単に出来るのをご存知でしょうか。「干し芋」の作り方は、サツマイモを「蒸す」「切る」「干す」と、いたってシンプル。誰にでも出来る「干し芋」のつくり方を一緒にみていきましょう。
1:サツマイモを蒸す
サツマイモをよく洗い、蒸し器で1時間から2時間かけてじっくり弱火で蒸します。この時、火の通りを均等にするため、サツマイモが重ならないように蒸し器に入れましょう。竹串がスッと入れば出来上がりです。
2:サツマイモの皮をむく
蒸し上がったサツマイモは、熱いうちに皮をむきましょう。熱いうちに皮をむくとツルっと綺麗にむくことができます。蒸したてのサツマイモは熱いため、火傷に注意してください。軍手や布巾などを使うと便利です。
3:サツマイモを切る
蒸したてのサツマイモは切ると崩れやすいため、少し冷ましてから約1cm幅に薄く切りましょう。
4:天日干しにする
乾燥ネットやザルに、切ったサツマイモを並べて4日~1週間、日光に当てて干します。日中は、日当たり、風通しの良い場所で干し、夜は室内に入れましょう。2日に一度程度、干しているサツマイモの裏表をひっくり返す作業を行うのがポイントです。
5:好みの硬さに仕上げよう
あまり干し過ぎると硬くなってしまうので、干し加減には注意が必要。約4日ほどでセミドライの状態になり、濃厚な甘さとねっとりとした食感を楽しむことができます。自家製だからこそできる自分好みの「干し芋」に仕上げてください。
「干し芋」をお家でつくる際のコツ
「干し芋」をつくるにあたり、「どんな時期に作るのが良いのか?」「どんなサツマイモを選べば良いのか?」などが知りたいところですよね。「干し芋」をつくる際のコツ、「干し芋」をさらに美味しく食べる方法をチェックしていきましょう。
「干し芋」をつくるのに適した時期とは
「干し芋」をつくるのに適した時期は、サツマイモが多く出回る秋から冬にかけて。サツマイモが旬だということもありますが、天候も重要なポイントです。「干し芋」には「天日干しにする」という工程があります。よって、雨が少なく乾燥している秋から冬にかけてつくるのがベスト。「干し芋」をつくる際は天気予報をチェックして、3日以上晴れが続く日を選ぶと良いでしょう。
「干し芋」に適したサツマイモを選ぶ
スーパーなどで見かけるサツマイモには様々な品種がありますよね。食感がホクホクした「鳴門金時」や「紅あずま」、水分が多くしっとりとした食感の「紅はるか」や「安納芋」などといった品種があります。その中でも「紅はるか」や「安納芋」など、しっとり系のサツマイモが「干し芋」に適しています。
しっとりとした食感で濃厚な甘さがあるサツマイモは、「干し芋」にしても美味しく食べることができるでしょう。また、市販の「干し芋」に使われているサツマイモは「玉豊」という品種。しかし、あまり、スーパーなどで見かけることはありません。もし「玉豊」が手に入れば、市販の「干し芋」のような味が再現できるでしょう。
サツマイモをじっくり蒸す
サツマイモの甘さを引き出すには、じっくり時間をかけて蒸すのが大切。時間をかけて熱を加えることで、サツマイモに含まれる酵素が働き、甘味成分を作り出すのです。強火で一気に蒸し上げずに、じっくり弱火で蒸すのが美味しいく仕上げるコツです。
お家でつくれるサツマイモを使ったお菓子はある?
「干し芋」について解説してきましたが、秋になると店頭には美味しそうなサツマイモが多く並び、様々なサツマイモを使ったお菓子が食べたくなりますよね。お家でもつくることができる、サツマイモのお菓子を紹介していきます。
1:スイートポテト
実は、「スイートポテト」は日本発祥のお菓子なんです。材料はサツマイモ、砂糖、牛乳、バター、卵、とシンプル。サツマイモの素材の味を生かしたお菓子です。作り方はサツマイモを茹でて潰し、材料を混ぜて焼くだけ。オーブントースターなどで簡単に作れます。また、冷凍保存が可能なため、たくさん作って冷凍しておくと、いつでも食べることができて便利です。
2:大学芋
「大学芋」はサツマイモを素揚げして、砂糖や醤油などで作った甘い蜜や黒ごまを絡めたもの。お家で簡単につくることができるお菓子の一つです。「大学芋」をカリカリに美味しくするコツは、蜜をつくる際に混ぜ過ぎないこと。鍋に水と砂糖を入れたら、ヘラなどでひと混ぜするくらいでOK。あまり混ぜすぎると、砂糖が結晶化して食感が悪くなります。そして、よりカリカリにしたい場合は、砂糖の代わりに蜂蜜や水飴を使うのがおすすめです。
3:さつま芋チップス
パリパリの食感がやみつきになる「さつま芋チップス」。薄くスライスしたサツマイモを油で揚げ、甘いシロップであえたり、バターや塩で食べても美味しいお菓子です。片手で食べられるスナック感覚のお菓子なので、テレビや映画を見るときのお供にもおすすめです。
最後に
「干し芋」はそのまま食べても美味しい食品。特に天日干しを終えたばかりの「干し芋」は、柔らかく美味しくいただけます。しかし、しばらく保存しておくと硬くなるもの。そんな時は、オーブントースターや電子レンジで温めると柔らかくなり、甘さも増します。
もし、カロリーを気にしないのであれば、温めた「干し芋」にバターやアイスクリームをトッピングするのもおすすめ。たちまち満足感のあるスイーツに変身します。サツマイモは栄養価が高く、美容や身体に良い野菜です。「干し芋」や美味しいお菓子にして積極的に摂りたいですね。