ビーフシチューの隠し味に意味はある?
平日の夕食は時短重視でも、たまの休日やゆっくりできる日は、少し手間をかけてビーフシチューを作りたいと思う人も多いでしょう。そんなときに気になるのが「隠し味」ですよね。しかし、ほんの少量入れるだけでそれほど変わるのでしょうか。
隠し味となる食材や調味料を紹介する前に、まずはビーフシチューに隠し味を使う意味を考えていきます。

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簡単なひと工夫で「味の奥行き」が出る
ビーフシチューに隠し味を加えるメリットは、「味の相互効果」が働き、ベースのうまみや風味が引き立つことに期待できることです。たとえば、ほんのり甘みを添えることで塩味が際立ったり、苦みをプラスすることでコクに厚みが出たりと、味のバランスに奥行きが生まれるでしょう。
隠し味となる食材や調味料には、雑味を抑えたり酸味や苦みを和らげたりする効果があるものも少なくありません。食材が持つそれぞれの味を引き立て合い、結果として「丁寧に作られたような印象」に仕上がるのが隠し味の魅力といえます。
いつものレシピでも家族の反応が変わる
基本の材料や手順はいつも通りでも、隠し味をひとつ加えるだけで家族の反応が変わることも。「レストランの味みたい」「いつもよりコクがある」といった声が聞こえたら、工夫が報われた気がするでしょう。
ビーフシチューに入れる隠し味は、特別な食材を使わなくても家にあるもので十分。慌ただしい日々の中でも、ちょっとの工夫で食卓が豊かになるはずです。
ぜひ身近な食材や調味料を隠し味に使って、家族全員が特別感を味わえる一皿に仕上げてみてください。
ビーフシチューを格上げする隠し味のおすすめ5選
隠し味は、いつものレシピにほんの少し加えるだけで味に深みが生まれるアイデアといえます。スーパーやコンビニで手に入りやすい隠し味を入れれば、ビーフシチューがいつもより少し「プロっぽく」感じられるかもしれません。特別な買い物をしなくても手軽に使える食材や調味料の中から、ビーフシチューとの相性がいいものを5つ紹介します。

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チョコレート
「ビーフシチューにチョコレート? 」と驚く人もいるかもしれませんが、実はコクや奥行きを出す定番の隠し味といえます。カカオのほのかな苦みと甘みがソース全体に深みを加え、味にまろやかさが生まれる組み合わせです。特に赤ワインベースのビーフシチューと相性がよく、長時間煮込んだような味に近づけてくれるでしょう。
加えるタイミングは煮込みの後半です。板チョコであれば1〜2かけを目安にし、様子を見ながら少しずつ溶かすとよいでしょう。不安な場合は粒タイプのチョコレートを使うと加減しやすくなります。入れすぎると甘みが強くなりすぎることがあるため、控えめに加えるのがポイントです。
ビターチョコレートならキリッとした味わいに、ミルクチョコレートなら優しい味に仕上がります。家庭の好みに合わせて種類を選んでみてください。
みそ
みそを加えると、ビーフシチューのソースにまろやかさとうまみが加わり、全体の味がまとまりやすくなります。発酵調味料ならではのコクが加わることで、重たくなりがちなビーフシチューも優しい後味に仕上がるでしょう。
加えるタイミングは具材に火が通った後、ルーを入れる直前が目安です。煮汁を少量取ってみそを溶かしてから加えると、全体に均一に行き渡りやすくなるのでおすすめ。赤みそよりも白みその方がクセが少なく、仕上がりも優しくなります。
だし入りのみそを使えば、和風寄りの味わいになるでしょう。塩分が気になる場合は、減塩タイプのみそを選ぶのも一つの方法です。
蜂蜜
蜂蜜は、酸味のあるトマトベースのビーフシチューに自然な甘みとコクを加え、味のバランスを整える隠し味といえます。砂糖よりも自然な甘みで、全体をふんわりと包み込むような仕上がりになるでしょう。
加えるタイミングは、ルーを入れる前が適しています。4人分であれば大さじ1程度が目安です。下ごしらえの段階で肉にまぶしておく方法でもよいでしょう。肉がしっとりとした食感になり、甘みがなじみやすくなります。
蜂蜜は、赤ワインを多めに入れて酸味が強くなってしまったときの調整にも便利です。ただ、焦げつきやすいため火加減には注意しましょう。また、蜂蜜入りの料理は1歳未満の乳児に与えないようにしてください。
ウスターソース
ビーフシチューにウスターソースを加えると、香辛料や野菜・果物の風味が一気に加わり、ビーフシチューの味が引き締まります。程よい酸味とスパイスの複雑な香りが加わることで、家庭の味がプロ仕様に早変わりするでしょう。
ソースに含まれる果実や香辛料が、素材のうまみを引き立ててくれます。コクを加えるだけでなく、香りや余韻も楽しめる仕上がりに近づくはずです。
加えるタイミングは、具材を炒めるときか煮込みの後半です。酸味が強く出やすいため、4人分であれば大さじ1程度を目安に様子を見ながら加えます。
インスタントコーヒー
苦みと香ばしさのあるインスタントコーヒーは、大人向けのアレンジに使える隠し味です。いつものビーフシチューに長時間煮込んだような深いコクが生まれ、香りにも奥行きが加わります。牛肉特有の臭いが気になるときの臭み消しとしても効果的でしょう。
加えるタイミングは煮込みの後半です。4人分であれば小さじ1程度を目安に、少量ずつ溶かして加えていきます。粉のままでは溶けにくいものもあるため、あらかじめ少量のお湯で溶かしてから加えるとよいでしょう。入れすぎると苦みが強くなってしまうため、味を見ながら調整するのがおすすめです。
隠し味の「ちょい足し」でビーフシチューをプロっぽく
ビーフシチューの味わいを深めたいときは、特別な調理スキルや高級食材に頼らなくても、身近なものを少し加えるだけで印象が変わります。紹介した隠し味は、家庭にあるものや手に入りやすい食材・調味料ばかりといえるでしょう。
隠し味を少量入れるだけで、手間をかけなくてもコクが増したり香りに奥行きが出たりと、プロのような仕上がりに近づくはずです。家族の「おいしい」がいつもより弾んで聞こえたら、それが隠し味の効果かもしれません。
いつものレシピにひと工夫を加えて、特別感のあるビーフシチューを食卓に並べてみてください。忙しい毎日の中でも、作る楽しさと達成感を味わえる一皿になるはずです。
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Domani編集部
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