だしの素の代用品
だしの素は、鰹や昆布などうまみ成分を多く持つ素材やそのエキスを粉末にし、塩やアミノ酸等で調整したもので、主に和食のメニューに使用されます。顆粒タイプのため、水に溶かすだけで簡単に“和風の出汁”を作ることができる風味調味料です。

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自宅にだしの素がないとき、代用品になる調味料はさまざまです。どの調味料で代用するかは、だしの素の使い方で決めるとよいでしょう。
だしの素を溶かさずにそのまま振りかけて使うなら鶏がらスープの素・うどんスープ・昆布茶・味の素が、溶かして使うなら白だし・麺つゆが向いています。ここではそれぞれの代用品について、どのような特徴があるのかをチェックしましょう。
鶏がらスープの素
風味は異なりますが、だしの素と同じように料理にコクをプラスできるのは、鶏がらスープの素です。中華に使うイメージが強い調味料ですが、和食の味付けにも使えます。
顆粒や粉末タイプの鶏がらスープの素を使えば、炒め物に使ってもべちゃっとしません。またさっぱりとした煮物や鍋に加えれば、味わいのアクセントになります。
うどんスープ
うどんスープは昆布とかつお節のだしに、しょうゆを加えて仕上げている粉末スープです。定番はお湯で溶いてうどんのつゆにする使い方ですが、おでんといった煮物にも向いています。
また粉末のまま炒め物の味付けに使ったり、浅漬けに使ったりも可能です。
昆布茶
昆布茶は昆布の粉末に食塩を混ぜて作られています。お湯に溶いてお茶として飲むのはもちろん、だし代わりにさまざまな料理に使用可能です。
例えば昆布茶をお湯で溶いてみそを加えればみそ汁になりますし、だしを効かせたスープにも向いています。
味の素®︎
だしの素と同じ味の素株式会社が製造・販売している味の素®︎も、だしの素の代用として使えます。アミノ酸から生まれたうま味調味料のため、手軽にうまみをプラスできるのが特徴です。
麺類のつゆやスープに使ってもおいしく仕上がりますし、野菜炒めやチャーハンに振りかけても使いやすい調味料です。
白だし
白だしは昆布やかつお節などのだしに、薄口しょうゆ・みりん・砂糖などを加えて仕上げる調味料です。麵つゆと同じように使えますが、色が薄く澄んでいます。
関西風の澄んだうどんつゆを作るときや、素材の色合いを生かして煮物を仕上げたいときにおすすめです。
麺つゆ
麺つゆは昆布・かつお節・シイタケなどのだしをベースに、しょうゆやみりんなどで味付けしています。だしによって風味が異なるため、好みの麺つゆを用意しておくとよいでしょう。
幅広い料理に使いやすいのは万能つゆです。煮物や鍋はもちろん、炊き込みご飯の味付けなどにも代用できます。
だしの素代わりに使えるだしの取り方
だしの素を水に溶いて使うレシピであれば、自宅で取っただしでも代用できます。だしの素のように甘みや塩味はついていないため、調味料で好みの味に整えましょう。

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例えば、しょうゆとみりんを同量ずつ入れれば煮物にぴったりの味付けが、塩やしょうゆを入れれば鍋に合う味付けが可能です。
ここではかつお節・昆布・煮干し・だしパックを使っただしの取り方を紹介します。
かつお節
かつお節で取るだしは、すまし汁といっただしが主役の料理に合う一番だしのほかに、濃厚な味わいでみそ汁やうどんに合う二番だしがあります。より濃厚なだしを取るには、通常のかつお節より分厚いフレーク状の厚削りを使うのもよいでしょう。
一番だしは、1Lのお湯が沸騰したら火を止めて、かつお節30gを加え、1~2分たって鍋底にかつお節が沈んだらこして完成です。
二番だしは、水1リットルに一番だしを取った後のかつお節30g分を入れて火にかけます。沸騰したら弱火にして約10分に煮出した後、火を止めて香り付けにかつお節10gを加え1~2分後にこしたら完成です。
より手軽にだしを取るなら、かつお節に熱湯を注ぐお湯出しが向いています。かつお節4gに熱湯200mlをそそいで3分間待てば出来上がりです。
昆布
上品でやさしい風味のだしを取れるのが昆布の特徴です。素材そのものの味わいを生かした味付けをしたいと考えているときには、昆布だしが向いています。
今日使う昆布だしを取るなら、火にかけて煮出すのがよいでしょう。水1リットルに10gの昆布を入れて約30分置いたあと火にかけます。沸騰直前になったら昆布を取り出して完成です。沸騰させるとえぐみが出やすくなるため火加減に注意します。
翌日使う昆布だしは水出しでも取れます。1リットルの水に10gの昆布を入れて一晩冷蔵庫に入れておけば、すっきりとした味わいのだしが完成です。
煮干し
みそ汁や野菜の煮物を作るときの代用には、煮干しだしが向いています。煮干しの風味をしっかり引き出すには、火にかけて煮出しましょう。水500mlに煮干し10gを入れて、30分以上置いたら火にかけます。沸騰したらあくを取って5分煮出せば完成です。
すっきりとした風味の煮干しだしを作るなら、水500mlに煮干し10gを入れて、冷蔵庫で一晩置きましょう。雑味の少ない上品なだしが取れます。
だしパック
かつお節・昆布・煮干し・シイタケなど、だしを取れる素材をパックに入れただしパックを使えば、より簡単においしいだしが取れます。パックされている素材によって異なる味わいです。
パックの中身が粉末になっているだしパックであれば、パックを開けて調味料代わりに振りかけても使えます。粉末になっていないだしパックは、ミルサーで細かくひくと粉末として使用可能です。
だしの素の代用品を使うときの注意点
だしの素の代用品として使える調味料や、味付けのベースとなるだしの取り方を紹介しました。これらをだしの素代わりに使うとき、意識しておくと料理がおいしく仕上がる注意点を紹介します。

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少しずつ入れる
代用品はだしの素と風味が異なります。最初からだしの素の分量で入れるのではなく、少しずつ入れると味を調節しやすいでしょう。一気に調味料を加えると、濃くなりすぎたときの調整が難しくなるためです。
特に塩やしょうゆなどが入っている調味料は味に影響が出やすいため、味見をしながら加えていきます。
使われている原材料をチェックする
他の調味料をだしの素代わりに使うときには、原材料のチェックも忘れずに行いましょう。どのような材料が入っているかが分かれば、代用品をどのくらい入れればちょうどいい味わいになるか予想しやすくなります。
だしの素の原材料を見ると砂糖類が入っているのが分かります。代用品として鶏がらスープの素を使う場合、砂糖類が入っていない商品もあるでしょう。この場合、砂糖をプラスすると味が整いやすくなりそうだ、というように味付けに反映しやすくなります。
だしの素がないときは代用品でおいしくできる!

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和食の味付けに便利なだしの素は、料理をするときの強い味方です。だからといって、ないと料理ができないわけではありません。だしの素を切らしているときには、鶏がらスープの素・うどんスープ・昆布茶などで代用できます。
だしと食塩や砂糖類などでできているだしの素の味に近づけるには、だしを取って味付けするのも一つの方法です。代用品を使うときには原材料を確認して、味見をしながら味付けすれば、おいしく仕上げられます。
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