ベーキングパウダーは何のために入れる?
そもそもベーキングパウダーは、作ろうとしている食品に入れる必要があるのでしょうか?ベーキングパウダーの役割を知ると、レシピに適切な代用品が分ります。

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お菓子やパンを膨らませるもの
ベーキングパウダーは膨らし粉(ふくらしこ)とも呼ばれるように、お菓子やパンを膨らませるために使うものです。主な原材料は重曹、重酒石酸カリウム、炭酸アンモニウムです。
水分と混ざると炭酸ガスが発生するので、生地を膨らませてふわふわした食感に仕上げます。保管中に変質しないように、遮断材として小麦粉やコーンスターチなども入っています。
また、ベーキングパウダーは加熱によって膨らむため、時間を置かずに混ぜたらすぐ焼くのが基本です。
ベーキングパウダーが使えるか確認する方法
ベーキングパウダーの使い道は、特定のお菓子やパンを作るときぐらいです。想定していたより長く、使う機会がない場合もあります。
一度開封したベーキングパウダーや、未開封でも古くなったものがまだ使えるか不安なら次の方法で判断できます。
熱湯約120mlに、小さじ1/2のベーキングパウダーを混ぜるだけの簡単な方法です。すぐ泡立てば、まだ十分膨らませる力があるということです。
ベーキングパウダーは、賞味期限とは別に開封すると6カ月程度しかもたないので注意しましょう。
ベーキングパウダーがなくてもかまわない?
ベーキングパウダーの役割は生地を膨らませることです。そのため、ふわふわが持ち味のお菓子・パン類はベーキングパウダーやその代用品を入れた方がよいといえます。
一方、クッキーやフィナンシェなどは、食感の好みで入れるかどうかを決めるとよいでしょう。入れればふんわりめに仕上がり、入れなければ固めになります。
ベーキングパウダーの代用品も種類によって膨らみ方が変わるので、どのくらい膨らませたいかで使うものが変わるでしょう。
【ふわっと仕上げられる】ベーキングパウダーの代用品
まず紹介するのは、膨らます力がベーキングパウダーに劣らず強めの代用品です。ホットケーキミックス、重曹と酸性食品は、成分がベーキングパウダーに似ています。ケーキ類のスポンジを作るときにおすすめです。

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ホットケーキミックス
原材料にベーキングパウダーが含まれているので、代用品としては仕上がりが一番近いといえます。カップケーキ・パウンドケーキ・スコーンなどに向いています。
膨らんだ見た目や食感の柔らかさ、時間がたった後の状態もほとんど同じで代用品として優秀です。違いは香りがホットケーキ風になることです。
使い方はベーキングパウダーと同じ分量を入れるのではなく、薄力粉の代用も兼ねて薄力粉と同じ分量を入れます。また、ホットケーキミックスには砂糖も含まれているのでレシピより控えめにします。
重曹とヨーグルト
重曹もベーキングパウダーに含まれる材料です。ただし、単体で使うより酸性のものと混ぜた方が膨らみ方が強まり、独特の苦味が和らぎます。
重曹とヨーグルトをベーキングパウダーの代用品にする場合、分量は以下の通りです。
【ベーキングパウダー小さじ1杯分相当】
・重曹小さじ:1/4
・プレーンヨーグルト:約120ml
ヨーグルトの水分で生地が柔らかくなりすぎるようなら、他の液体材料を120cc分差し引きます。洋風焼き菓子や蒸しパンに向いており、味の付いたヨーグルトを入れると生地に風味を足すこともできます。
重曹とレモンや酢
重曹と酸性のものを混ぜると炭酸ガスが発生するため、ベーキングパウダーの代用になります。酸性のものといえば、レモンや酢も手に入りやすい食材です。
お酢くささは砂糖をひとつまみ程度入れると緩和します。使用分量は以下の通りです。
【ベーキングパウダー小さじ1杯分相当】
・新鮮なレモン果汁:小さじ1/2、または酢:小さじ1/2
・重曹:小さじ1/4
レモンのようなクエン酸や重曹は、食用と清掃用に分けられます。掃除用でも膨らませる効果はありますが、食用として安全とはいえません。間違えないように気を付けましょう。
【パンやパンケーキ向け】ベーキングパウダーの代用品
次に、パンやパンケーキ向けの代用品を紹介します。ベーキングパウダーの代用品として活用できるのは、重曹・ドライイースト・天ぷら粉・お好み焼き粉・炭酸水です。それぞれの性質を見ていきます。

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重曹
重曹の成分は炭酸水素ナトリウムで、水を加えると炭酸ガスを発生させます。膨らます力はベーキングパウダーよりやや弱めですが、ふわふわした仕上がりになります。時間をおいてもしぼむことはほとんどありません。
ベーキングパウダーとの違いは、膨らませた生地の中が少し硬くなることです。クッキーやフィナンシェなど、もともと硬めの菓子類なら気にならないでしょう。
また、焼き色は黄色が濃く出ます。使うときは食用の製品を、ベーキングパウダーの半分の量で混ぜます。
そのまま使うと、味に苦味などが混じることもあるため要注意です。心配な場合は、ヨーグルトやレモンなどのクエン酸を混ぜるのがおすすめです。
ドライイースト
ドライイーストは、パンの生地を膨らませるためによく利用される素材です。ベーキングパウダーや重曹と異なり、酵母を利用して生地を膨らませます。
膨らませる効果はあるものの、ベーキングパウダーに比べると膨らみに乏しく、ふんわりした生地というよりパンに近い食感になります。
また、酵母が発酵するまでしばらく寝かせる必要があるのも特徴です。使うときは、ベーキングパウダーと同じ分量を入れます。味や匂いもパン風味になるので、塩気のある菓子類やパン作りに向いています。
天ぷら粉・お好み焼き粉
意外に思うかもしれませんが、天ぷら粉やお好み焼き粉もベーキングパウダーの代用品になります。
天ぷらを想像すれば分かるように、天ぷら粉を入れるとさくさくした仕上がりになります。原材料は小麦粉・でんぷん・卵で、砂糖は入っていません。
ホットケーキミックスで代用するときと違って砂糖の分量を加減する必要はなく、お好みで香料を入れると菓子らしくなるでしょう。
お好み焼き粉はだしや塩が入っているので、代用できる使い道が限定されます。甘い菓子作りには向いていないといえます。
炭酸水
炭酸水は重曹などと同じ炭酸ガスで膨らませます。ただし、膨らませる力が弱いので、ベーキングパウダーや重曹に比べて大量に入れなければなりません。
そのため、水を多く入れるレシピの水代わりも兼ねて入れるとよいでしょう。水をあまり入れないレシピや、カップケーキやパウンドケーキのようなしっかり膨らませたいレシピには不向きです。
もし代用に使うなら、パンケーキがおすすめです。無香料の炭酸水なら、焼いた後の臭いや味も癖が残らないのでおいしく焼けます。
ベーキングパウダーの代用品は作るもので選ぶ

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ひと口にベーキングパウダーの代用品といっても、膨らませる効果や特徴はさまざまです。見た目も中身もふわふわした出来上がりを選ぶなら、重曹とヨーグルトなどの酸性食材を混ぜたものか、ホットケーキミックスが適しています。
重曹単品でもベーキングパウダーの代用にできますが、重曹単品だとやや中身の詰まった食感です。ドライイースト・天ぷら粉・お好み焼き粉・炭酸水は、ベーキングパウダーに比べるとどうしても膨らませる力が弱いのでパンやパンケーキ向けです。
それぞれに使い方や味への影響も異なるため、作るものに合わせて適した代用品を選びましょう。
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