ファシリテーションとは?
ファシリテーション(facilitation)とは、人々のあらゆる活動がスムーズに運ぶよう舵取りをすることです。その役割を担う人をファシリテーター(facilitator)といい、会議の場合では進行役にあたります。
ここではファシリテーションの内容や目的、近年広まっている背景についてご紹介します。
人々の活動プロセスを支援すること
ここでは会議を例に解説していきましょう。ファシリテーターは会議を円滑に進行するため、参加メンバーの発言を促し、さまざまな意見を整理して重要なポイントを引き出します。最終的に意見をまとめ、合意形成を行うまでの一連の流れをサポートします。
またファシリテーターは会議の段取りや進行、プログラムなど、目的を達成するための外面的なプロセスと、個々のメンバーの考え方や思考、感情の動きといった心理的なプロセス、両方に関わることで人と人の相互作用を促進し、チーム活動の成果を上げていきます。
目的や広まった背景
ファシリテーションの目的は、活動をスムーズに進めて参加メンバーの意見をまとめ、ゴールにたどり着くことです。
この考え方が広まっている背景には、社会のグローバル化が進み、多様性が広がっていることがあげられます。ビジネス環境も縦社会から横に広がるネットワーク型組織へと変化しており、価値観の異なる者同士が交流する機会も増えてきました。
さまざまな価値観を持つ人々がチームを組んでひとつの目的に向かう際、ファシリテーションが有効な手法として注目されているのです。
ファシリテーションのメリット
生産性を高める
ファシリテーションは活動を円滑に進行するためのサポートを行い、生産性を高めるのがメリットです。
ファシリテーターは時間の配分をコントロールして議論の脱線などを防ぎ、意見をまとめます。無駄な時間を削減し、メリハリのある会議・ミーティングにして生産性を高めることができます。
また、一般的な会議では、多数決で方針を決めることで少数派が納得できないという側面もあります。しかし、ファシリテーションではメンバー全員が納得できる合意を形成できるよう働きかけるため、チームワークが向上するというメリットもあります。
新しいアイデアを創出する
ファシリテーションでは、自由な意見交換により新しいアイデアを創出できるのもメリットです。ファシリテーターは参加者の意見を否定せず、自由に発言できる場を作ります。
これまでの常識にとらわれない自由な意見交換を歓迎するため、全員の考えを上手に引き出して新しいアイデアを生み出すことも可能です。自分とは異なる価値観の意見に触れて刺激を受け、革新的なアイデアが創出されることもあるでしょう。
ファシリテーションの進め方
ファシリテーションの具体的な進め方は、以下の手順で行います。
1. ゴールを明確にする
2. 意見を出しやすい雰囲気を作る
3. 自由に意見を出し合う
4. 全員の納得ができる合意を形成する
まず、会議やミーティングのゴールを明確にすることから始めます。自由に意見を出し合えるような雰囲気づくりをするのもファシリテーターの重要な役割です。
ファシリテーションの進め方について、順に説明します。
ゴールを明確にする
ファシリテーションを成功させるには、ゴールを定めることが重要です。決定すべき事項やどのように進めるのか段取りを決め、参加メンバーに共有します。ゴールを共通の認識にすることで会議の論点が定まり、全員がひとつのゴールに向かって有意義な話し合いをすることができます。
同時に、個々のメンバーに意見やアイデアを事前に準備してもらうという方法も有効です。事前準備により意見を考える時間を省き、より無駄なく議論を深めることができるでしょう。