プライベートでは、現在10歳の長女と7歳の次女の2児の母としての顔をもつ優木まおみさん。来る2025年にはお子さんたちとともにマレーシアへの教育移住を予定しているとか。そんな優木さんの今を生きる「母時間」をお届けします。
優木さんの「女の時間割。」
Vol.1「女」時間〜ひとりの女性として仕事に向き合う時間〜
Vol.2「妻」時間〜妻として夫に向き合う時間〜
Vol.3「母」時間〜母として子どもに向き合う時間〜 ←この記事
スピンオフトーク 10月31日公開予定
優木まおみさん
タレント、モデル、身体美容家®
ピラティス美容整体サロン『RESIZE BODY』オーナー・44歳
優木さんの「母」時間をClose up 20:00@Living
子どもたちと入浴後におしゃべり
「夕食後は子どもたちと“ニコイチ”で動いてる感じで、いまだに一緒にお風呂に入ってほぼ一緒に寝ています。ふたりともだんだん大きくなってきて、ガールズトークとまではいきませんが、3人であれこれおしゃべりするのが楽しくなってきました。先日私に北海道の仕事が入ったときにはふたりを連れて行って、2日延泊して旅行もしたんですよ。今誰と行くよりも気心知れた友人といるような気楽な良さがありましたね。お姉ちゃんはきっちり派で、計画を立てていろいろなことをやりたいタイプ。対照的に次女は大雑把で“めんどうだからお風呂入らなくても大丈夫”などと言ってしまうおおらかなところがあります(笑)」
「母」時間 優木さんのとある平日
この連載では“ある日の時間割”についてアンケートに回答してもらい、撮影シーンを構成しています。優木さんの「母」時間を紹介します。
6:00 起床、トマトジュース、青汁、液状のビタミンCで栄養補給
朝風呂は湯船につかり、EMSマシンでケア
7:00 子どもたちを起こして朝食後、見送り
8:30 朝活ピラティスレッスン配信
9:30 雑誌や広告のモデル撮影
12:00 昼食
15:00 撮影終了、スーパーで買い出し
17:00 帰宅、夕食づくり
18:00 夕食
20:00 子どもたちと入浴後、おしゃべり
21:00 入浴、湯船につかる
22:00 夫と雑談
23:00 就寝
子どもたちの選択肢を広げるための教育移住に期待するもの
今年5月、優木さんは日本マザーズ協会が主催する『第16回ベストマザー賞2024』の社会経済部門に選ばれて見事受賞。育児をしながら各分野で活躍する女性を一般からの共感や好感をもとに投票を行い選出・表彰する賞で、優木さんのママとして経営者として前向きに頑張り続ける姿が広く共感を集めた形となった。また同月はさらに、親子留学や教育移住についての経験や情報を発信する、留学情報館の留学サポーターにも就任が決定。こちらは2023年に優木さんがお子さんとともにセブ島で3週間の親子留学を体験したことがきっかけに。今や働くママとして社会的な存在ともいえる優木さん。お子さんたちと過ごしたセブ島での親子留学経験は優木さん自身にとっても大きな刺激となり、来年の教育移住に踏み切る大きな理由となったのだそう。
「私自身、18歳で経験したハワイ留学がとても良かったと感じているので、いつか娘たちもインターナショナルな環境で育てられたらと思っていました。人生の選択肢が少しでも広がるように、共通言語である英語を身につけてほしいのが理由のひとつ。昨年の親子留学では子どもたちもセブ島での滞在をすごく気に入った様子でしたが、私自身も40代にして再び大きく触発されました。話には聞いていましたが、行ってみたら島の人たちの幸福度がものすごく高くて。今日食べるものがあって健康で、元気に生きている、それだけでいいじゃないかと、“なんとかなるさ精神”でニコニコ暮らす姿に圧倒されたのです。親子で海外に住み留学するのもきっと良い経験になると思いました。
もうひとつの理由は、子どもたちにもっと自分の視野を広げてほしいことです。たくさんの人に出会って多様な経験をして、本人が悩まない程度に思考の枠組みを広げるサポートをしたいと思っています。教育移住にはそんな期待も込めています。日本のお友達とは離れてしまうけれど、“LINEでつながっているから帰国したら連絡するね”で、いつでも気軽に会えるようなフランクなつながりが育ってくれたらいいですね。
親子で教育移住に踏み切る理由はほかにもありまして、それは私が自分自身に飽きないためです(笑)。今、日本で展開中の仕事として、美容整体事業のオリジナルのピラティスメソッド“MAOBICS”のフランチャイズ化に取り組んでいたり、鰻屋経営もまだまだこれからが本番というタイミングで、なぜ教育移住に踏みきるのかの理由を考えてみました。たぶん私は常に、自分に対して何かしらの課題を与えたいタイプなんですよね。そして“来世はない”と思って今を生きる主義なので、ちょっとでも“やってみたいな”と思ったら即、実行に移したくなるのです。自分の貴重な時間をやりたくないことで埋めてしまうのではなく、本当にやりたいことや自分が充足されて満たされることは何なのか、常に立ち返ることこそが大切なんじゃないかなと思っています」
親にしてもらった“放任的な見守り”の難しさ
私の両親は佐賀県で中華料理店を営んできて、父も母も常に忙しかったので、私自身はいい感じの“放任感と見守り感”の中で育つことができました。適度な距離感をもって両親があたたかく見守ってくれたことは自分にとって本当に良かったと思っていますし、できればそれを私自身も自分の子どもたちにしてあげたい。でもいざやってみると、これってけっこう覚悟がいるものなんですね。
自分の子ども時代を少し振り返ってみますと、上京して大学に入学してアナウンサーになりたいと言い出して、就職活動の結果試験に落ちてしまいへこんでいたときにも、両親はきっと心を痛めていただろうと思います。そこから急にフリーアナウンサーになったと聞いて“そうか、良かった。体に気をつけて頑張ってね”と応援していたと思いきや、急に水着みたいな衣裳を着て“エロかしこい”キャラクターでどんどんメディア露出が増えていき、そのときにもふたりはさぞかし驚いただろうなと。
良くも悪くも私は両親に“どう思う?”とか“これやってみていいかな?”などと、自分のやりたいことについて相談したことはこれまで1度もないんです。常に“やることにしたから”という事後報告しかしないので、おそらく両親はいつも“まおみは、またなんか始めたな”という感じで、何かしらの思うところはきっとありつつも、口は出さずにそっと手助けだけしてくれたのです。口は出さないけどサポートはするって、親としてはけっこうスタミナがいることですよね。私も子どもに同じようにしたいけれど、現実にはどうしてもついいろいろ口出ししたくなってしまって。でもそこで子どもをあたたかく見守る時間をもたないと生きる力も育たないので、そこをなんとかふんばっています。
未知なる子育てにおいて私たちが発揮できるスキルとしては、“百聞は一見に敷かず”ではありませんが、自分が親にしてもらったことや見聞きしたことしか自分の子に与えられません。“放任的な見守り”は、たとえばそっとそばにいるなど“態度で示す”形にすると子どもも受け取りやすいのではないかと工夫しています。ただ、親にしてもらってよかったと感じるものは子どもの性格によっても異なるはずです。自分が経験したことをそっくりそのまま重ねようとするのではなく、子どもを見ながらアレンジする臨機応変さも必要だなと思っています」
人は本来、無の状態のときに求める“本質的にやりたいこと”をもっている
「私が親から受けたユニークな影響のひとつに、父の生き方の軸があります。父にはもともと“ハマり症”なところがありまして、“興味がある、なんか楽しそうだ”と感じたことを追求したいだけで始めてしまうところがあるんですよね。一時期なぜか、モールス信号を学びだしてアマチュア無線の2級資格を取得したことがありました。当時私たち家族も父から“一緒に取ろうよ”と誘われて勉強して、私が小5くらいのとき家族全員がアマチュア無線2級を取得したのを覚えています。その後の人生でモールス信号が役立った場面なんて思い返してもまったくないんですよ(笑)。父は、役に立つかどうかという目線だけではものごとを判断しない人だったなと思います。
父は佐賀県で生まれ育って引っ越しも経験していないと思うのですが、基本的にいつも楽しそうに生きているんです。その背中を目にしながらも、私自身は若いころ何をするにも“自分の役に立つかどうか”という目線でものごとを捉えていた時期がありました。でも、そうした目線で考えてしまうから人生が豊かにならないのだということが私にも少しづつわかってきて。たとえば今サッカーを頑張ったからといって、サッカー選手になれるわけじゃない。でも、サッカーをすること自体が楽しいのに、サッカー選手になれるかどうかという結論のために今やるかどうかを選択しなければならなくなったら、やっぱり人生楽しくなくなっちゃいますよね。
人は誰にでも、自分が無の状態で求める“本質的にやりたいこと”があるはずなのに、世の中にたくさんある“こうすべきだ、ああすべきだ、こうしたほうがもっと得だ”などという他者や世間のモノサシに流されたり影響を受けたりして、本当にやりたいことを忘れてしまいがちです。できれば私も常に本質的なマインドでいたいと思うのですが、人って知識をもってしまうと“それをしてもムダだよね”とつい先読みをしたり、リスク回避をしようとします。自分ではない子どもの人生においてはよりよく生きてほしいのでなおさら、その傾向が強くなってしまいます。
子ども時代から本質的にもっているはずの好き嫌いとか、やりたいやりたくないを“べきの概念”に縛られて見失わないように、人生後半になればなるほどもっと自分の原点に立ち返っていきたいなと思っています。そして願わくばそんな私の背中から、子どもたちが自分なりに何かを受け取ってくれたらうれしいですね」
〈取材現場より〉
子育てにおいて私たちが発揮できるスキルは自分が体験してきたことだという優木さんの言葉や、お父様のユニークな人生観がうかがえるエピソードをとても興味深くうかがいました。次回スピンオフでは、優木さんによる自己分析をお届けしますのでお楽しみに。
Profile
優木まおみ
ゆうき・まおみ/1980年、佐賀県生まれ。東京学芸大学教育学部小学校教員養成課程国語選修卒業。2002年に芸能界デビュー。グラビアモデルからタレント業、バラエティや情報番組のMCなどマルチに活躍する。2013年に結婚、34歳で長女を出産。37歳で次女を出産後に産後の不調を改善するためにピラティスを学び、2019年にbasiピラティスマットインストラクター資格を取得する。オリジナルのピラティスメソッド“MAOBICS”や美容整体メソッド“MAOLOGY”を開発し、身体美容家としてサロンを経営。新たにMAOBICSピラティスのメニューフランチャイズ事業も展開中。著書に『背骨から身体を変えるおうちピラティス』(リブレ)、『ぐりぐりにぎにぎするだけ!秒で美脚』(KADOKAWA)など。今年5月には『第16回ベストマザー賞 2024』を社会経済部門から選出されて受賞。最新事業はフランチャイズに加盟して7月に佐賀県で鰻屋を開店、「鰻の成瀬佐賀北川副店」オーナーとして奮闘中。
インスタグラム : @yukimaomi
女性専用ピラティス美容整体サロンRESIZE BODY
撮影/眞板由起 スタイリスト/伊藤舞子 ヘア&メーク/遊佐こころ 構成/谷畑まゆみ
シャツ¥17,600(Stola./ストラ) タンクトップ¥9,900・パンツ[シャツ付き]¥26,400(JOYEUX〈Priv. Spoons Club〉
私の生き方