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LIFESTYLE 挨拶・マナー

2025.03.12

「御中」と「様」の正しい使い方とは?基本的な使い方を解説

社会人であれば、きっと「『御中』と『様』どちらを使うべきか」という選択を迫られた経験があるはずです。この二択を間違えると「マナーを知らない人」と思われ、場合によっては会社の顔に泥を塗ることになってしまいます。「御中」と「様」の基本的な使い方を解説します。

「御中」の使い方

社会人になると、使う機会が一気に増えるのが「御中」という言葉です。普段からこの言葉を活用している人の中には、「ビジネス文書を送るときはとりあえず『御中』だろう」というぼんやりとした認識で使っている人もいるかもしれません。

しかし、このような認識で「御中」を使っていると、思わぬところで恥をかくこともあるので、注意が必要です。ビジネスパーソンであるなら知っておきたい、「御中」の基本的な使い方を解説します。

御中や様と書かれた封筒

(c)AdobeStock

組織や団体を宛先にする場合に使用する

「御中」は、企業・学校・役所などの「一つのまとまりを持つ集団」を宛先にする場合に選択される敬称です。直前に据えられた団体そのものを敬う表現として用いられます。

「営業部」や「人事部」など、特定の部署に文書を送りたい場合でも、相手に敬意を払う表現として選択するのは「御中」です。先方の会社名に続けて部署名を表記し、その後に書き足しましょう。

「御中」は主にビジネスシーンで頻繁に用いられる表現ですが、場合によってはプライベートの場面でも活用されます。例えば、役所に各種手続きに関する資料を送るときや、学校に入学願書を送るときなどがその一例です。宛名書きの具体例は以下の通りです。

・〇〇株式会社 御中
・〇〇株式会社 広報部 御中
・世田谷区役所 御中
・〇〇高等学校 御中

「団体を宛先にするときは『御中』」と覚えておきましょう。

返信する場合は「行」を消して「御中」と書く

返信用の封筒やはがきを送り返すときにも、しばしば「御中」を利用します。返信用の封筒やはがきに書かれている宛先が企業や役所の場合、宛先の末尾に「行」と書かれているのが一般的です。

「行」と書かれている宛名をそのまま相手に送り返すのは失礼なので、返信用封筒やはがきの宛先に「行」と書かれている場合には、「行」の部分を二重線で消し、その横に「御中」と記入するのがマナーです。「行」のまま送り返すと、「マナーを知らない人」「非常識な人」と認定されてしまうので注意しましょう。

時折、返信用の封筒やはがきに書かれている宛先に「係」という言葉が使われているケースがあります。このような場合には「係」は消さず、「係」の下に「御中」を書き足すのが正解です。

おん‐ちゅう【御中】
郵便物などで、個人名でなく、官庁・会社・団体などの宛名の下に書き添える語。
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

「様」の使い方

ビジネスパーソンに限らず、多くの人が慣れ親しんでいるのが「様」という語句です。「様」は最もベーシックな敬称として、さまざまな場面で活躍します。友だちに手紙や年賀状を書くときにも用いるため、幼い頃から使い慣れているはずです。改めて確認しておきたい、「様」の基本的な使い方を解説します。

封筒とペン

(c)AdobeStock

個人名を宛先にする場合に使用する

相手との関係性にかかわらず、宛先として記述する宛名が個人であれば、どんな人が相手であっても、選択すべきは「様」です。「様」は個人に敬意を払う目的で用いられる表現なので、相手が目上の人だろうと目下の人だろうと、個人名に付ける敬称は「様」を選ぶのが適切です。

具体的には、営業先の担当者やPTA会員の保護者に文書を送るときに用います。パートナーの家族やお世話になった人にお歳暮やお中元を送る際にも、選択すべき敬称は「様」です。

プライベートな場面では、「様」の代わりにあえて「さま」や「サマ」といった表記を用いることがあります。しかし、正式なビジネス文書では漢字を選択するのが一般的です。よほど親しい関係でない限り、「さま」や「サマ」を使うのは控えた方が無難でしょう。宛名書きの具体例は以下の通りです。

・山田太郎 様
・〇〇株式会社 山田太郎 様
・〇〇株式会社 営業部 山田太郎 様
・〇〇株式会社 山田太郎 様 佐藤一郎 様
 
「個人名を宛先にするときは『様』」と覚えておくと良いでしょう。

個人名以外に「様」を付ける場合も

宛名を「ご担当者」とする場合には、たとえ宛名が個人名でなくても、末尾に付ける言葉には「様」を選択します。

「ご担当者 様」を使う場面として挙げられるのが、所属部署が分かっているけれど名前が分からない相手に文書を送るときです。名前が分からなくても、確実に特定の個人に向けて文書を送る際には、「ご担当者 様」を積極的に選択すべきといえます。

なおこの表記は、相手の名前を知っているけれど正しいか自信がないときにも使える表現です。相手の名前を間違えるリスクがあるときには、迷わず「ご担当者 様」を選ぶのが安全です。

併せて知りたい!その他の敬称

「御中」と「様」の基本的な使い方を覚えた後は、その他の敬称についても知っておきましょう。社会人になると、さまざまなビジネス文書を送付する機会が増えます。それに伴い、宛名に用いる敬称について「どれを選択するのが正しいのだろうか」と疑問に思う場面も増えるはずです。

様々なサイズの封筒

(c)AdobeStock

この機会にいろいろな敬称を覚えてしまえば、手紙やはがきを出す際に、敬称の選択で迷う場面が少なくなるはずです。手紙やはがきを送るときに用いるその他の敬称を紹介します。

特定の場面でのみ使われる「殿」

 特定の場面で個人名を宛先にするときに選択されることがあるのが「殿」です。「殿」は古くから使われてきた敬称で、公文書や官公庁の通知などで用いられることが多い表現です。

しかし、「殿」は近年のビジネスシーンではあまり一般的な言葉ではありません。上下関係による誤解を避けるため、使用が控えられる傾向があります。「『殿』の方が相手をより敬っている気がする」と安易に使用してしまうと、思わぬトラブルを引き起こす可能性があるため注意しましょう。

「殿」の使用が慣習的に続いてきた官公庁でも、いわゆる「お役所言葉」を見直す動きの一環として、公文書で用いる敬称を「様」に統一する動きがあります。

「御中」との使い分けが必要な「各位」

指定した組織や団体に属する全ての人を宛先に設定する敬称が「各位」です。「各位」は、会社名や部署名の下に付けられるという点で「御中」と似ていますが、両者には明確な違いがあります。

まず、「各位」はビジネス文書の中で用いられる言葉です。一斉送信されたメールの最初に「関係者各位」「社員各位」などの表記があるのを見たことがある人もいるでしょう。郵送する文書の宛名に用いる「御中」とは異なり、「各位」は封筒やはがきの宛名に添える語句には適していないため、注意が必要です。

また、宛先として指定する相手のニュアンスが異なるのも、両者の違いの一つです。

集団を構成する全ての人に読んでほしいときは「各位」を、集団を構成する特定の人に読んでほしいときは「御中」を選択します。例えば、企業全体へのお知らせでは「各位」を選択し、特定の部署内の誰かに宛てて案内状を送るときには「御中」を用います。

返信用の敬称として使われる「行」

文書に添付する返信用の封筒やはがきに利用する敬称が「行」です。相手に返送を求める文書を送るときは、返信用の封筒やはがきの宛名に自身の会社名や部署名を書き、末尾に「行」と書いて送付します。

「最終的に二重線で消されるのだから、最初から『御中』と書けばいいのに」と思う人もいるかもしれませんが、「御中」は付けた相手を敬う意味が込められているので、自社に対して使用するのはマナー違反です。誤って「御中」を使えば、会社の名前を汚してしまうことになりかねません。必ず「御中」ではなく「行」を選びましょう。

なお、返信先が個人である場合には「宛」を用います。厳密ではないものの、返信用に選択される敬称「行」と「宛」は、返送先の性質に合わせて使い分けるのが本来の使い方です。

敬称を使うときの注意点

敬称は使い方を間違えると恥をかくばかりか、相手に不快感を与えてしまう可能性があるため、注意が必要です。相手を敬う目的で用いられる敬称も、使い方を誤れば、相手を軽んじる表現に変わってしまうことがあります。

封筒を持つ女性

(c)AdobeStock

相手との間に築いた信頼関係を守るためにも、敬称は正しく用いられる必要があるのです。ビジネスパーソンが注意したい、敬称を使うときのポイントを解説します。

敬称は一つだけ使う

敬称は二つ同時に使うことはできません。一つの宛名にはただ一つの敬称を用いるのが正しいマナーです。

敬称の併用が起こりがちなのが、宛名に所属部署名と個人名を書く場合です。相手に対して最大の敬意を表現したいからといって、部署名に「御中」を付け、さらに個人名に「様」を付けてしまうケースが見られます。

宛名として所属部署の名前と個人名を続けて書く場合には、「〇〇株式会社 人事部 山田太郎 様」のように、個人名にのみ敬称を付けるのが正解です。

なお、宛名として個人名を二つ以上並べるときには、「山田太郎 様 佐藤一郎 様」のように、例外的に複数の敬称を用います。「山田太郎 佐藤一郎 様」と表記すると、片方の個人名に敬称が付いていないことになるので、気を付けましょう。

二重敬語に注意する

「営業部長様」「広報部長様」「人事部長様」など、役職名に「様」を付けるのはマナー違反です。

そもそも役職には付けた相手を敬う役割があることから、「部長様」「社長様」などの表現は二重敬語になってしまいます。二重敬語は間違った敬語の使い方として知られているため、誤って使うと「マナーを知らない人」と思われてしまいかねません。

社外の人に対して役職名を用いながら宛名を書く場合には、「〇〇株式会社 人事部 部長 山田太郎 様」のように「会社名+部署名+役職名+個人名+様」の形にするのが適切です。

敬称の間違いに気付いたときは

「うっかり敬称を書き間違えてしまった」という場合には、全く新しい封筒やはがきを持ち出して、一から書き改めましょう。書き直しが面倒だからといって、二重線や修正テープで敬称のみを訂正するのはマナー違反です。

もし、敬称のみを修正した文書を送ってしまえば、受け取った相手は「書き直す手間さえも惜しかったのか」と不快に感じるかもしれません。敬称は相手への敬意を示す表現です。相手の気持ちを考え、正しく使うのがマナーです。

万が一、間違った敬称のまま相手に文書を送付してしまった場合には、ミスが判明し次第、文書やメールで謝罪を行います。ミスをした方は「ただのうっかり」だったとしても、間違った敬称が書かれた文書を受け取った方はショックを受けている可能性があるので、気付き次第、必ずフォローを入れましょう。

「御中」と「様」はしっかり使い分けよう

「御中」と「様」の基本的な使い分け方は、ビジネスパーソンのみならず、手紙やはがきを送る全ての人に必須の知識です。「何となくこんな感じだろう」という不確かな知識のまま過ごしていると、思わぬところで恥をかく可能性があるので注意が必要です。

使い分けの知識は、PTAで通知文を送る際や役所に書類を送る際などに役立ちます。使い分けの知識をしっかり身に付けて、「敬称の選択に迷わない人」を目指しましょう。

メイン画像・アイキャッチ/(c)AdobeStock

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