メールでは御社ではなく貴社と取引先を呼ぶ
取引先などの相手企業にメールを送る場合は、「御社(おんしゃ)」ではなく「貴社(きしゃ)」が正解です。また、就活などでメールを送る場合にも貴社を用います。
なお、御社も貴社も、相手企業を敬う表現であるということに違いはありません。それ自体で尊敬表現なので、「御社様」や「貴社殿」のように様や殿、その他の尊敬を示す言葉はつけないように注意しましょう。
■御社は話し言葉で使う
貴社は書き言葉で使う表現ですが、御社は話し言葉で用います。取引先と話すときや就職の面接では、御社という言葉を用いましょう。
・御社ではこの度の事故をどのように捉えていらっしゃいますか?
・御社のIT化への取り組みは目を見張るべきものがあります。ぜひ参考にしたいのですが。
・明日の13時に御社に伺いたいと思っているのですが、ご都合はいかがでしょうか。
■間違えた場合も訂正は不要
「御社は話し言葉、貴社は書き言葉」と覚えてしまえば区別は簡単です。しかし、曖昧な覚え方をしていると、ついうっかりと間違って使ってしまうこともあるでしょう。
とはいえ、万が一、間違えてメールで「御社」と記した場合であっても、わざわざ訂正する必要はありません。御社という言葉で尊敬している気持ちは伝わりますので、そのままにしておきましょう。
重要書類での間違いは修正しよう
書類送付のメールや時候の挨拶など、重要度が低いと思われるメールで「御社」と記した場合は、特に訂正する必要はありません。受け取り手も何度も読み返すことはないと思われるので、あなたが間違ったことに気付かない可能性もあるでしょう。
しかし、何度も読み返す可能性がある書類に「御社」と書いた場合は、修正して書類を作り直し、再送信するほうがよいと思われます。最初は気付かないとしても何度も読み直している間に「使い方が間違っている」と気付き、あなたへの印象が下がる恐れもあるからです。
例えば履歴書の志望動機の欄や自己PR用の書類、イベントなどへの招待状に「御社」と書いた場合は、速やかに修正し、お詫びの言葉を添えて書類を交換してもらうように依頼します。
■【例文あり】自分の会社を伝えるときは「弊社」
反対に自社のことを指す言葉として、「弊社(へいしゃ)」を用いることができるでしょう。弊社は謙譲語表現で、相手の会社よりも自社を低い位置に置いています。
例えば、交渉を進める際など相手を立てるほうがよいと思われるシーンでは、弊社を用いることが一般的です。次のように使ってみましょう。
・弊社ではこの夏、アロハシャツキャンペーンを開催します。
・こちらが弊社一押しのスタイルです。