■【例文あり】対等な関係を伝えるときは「当社」
特にへりくだる必要がないときや、対等な関係にあることを相手に伝えるときは「当社(とうしゃ)」を用います。当社は丁寧語表現なので、取引先に使ってもぞんざいな印象は与えません。次のように使うことができます。
・当社ではマイコプラズマについて長年研究してきました。
・こちらは当社比で1.5倍大きくなったシュークリームです。
御社・貴社以外の言い方も覚えよう
相手企業を指す言葉は御社と貴社だけではありません。一般的な企業に対しては御社と貴社が用いられますが、特殊な法人や金融機関などを指すときは、相手企業の状態を表す表現を用いることが多いです。
例えば社団法人や非営利活動法人などを指すときは、「御法人」「貴法人」を用います。「御」と「貴」の使い分けは御社・貴社と同様で、話し言葉では御、書き言葉では貴を私用してください。
■【例文あり】銀行や信用金庫などの金融機関
銀行や信用金庫などの金融機関は、特殊な呼び方をします。銀行については「御行(おんこう)」「貴行(きこう)」、信用金庫は「御庫(おんこ)」「貴庫(きこ)」が一般的です。次のように使いましょう。
・御行を志望した動機は、先進的なシステムを積極的に導入しているという点です。
・貴庫におかれましては、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
■【例文あり】その他の法人
社団法人などは「御法人」「貴法人」を用いますが、財団法人に関しては「御財団」「貴財団」と呼ぶことが多いです。また、法人名に「〇〇会」がつく場合は「御会」「貴会」、法人名に「〇〇機構」がつく場合は「御機構」「貴機構」、学校法人は「御校」「貴校」、医療法人は「御院」「貴院」と使い分けます。
・貴院でお世話になりました山田と申します。
・御校のモットーは何ですか。
御社と貴社を正しく使い分けよう
御社と貴社を間違えても、意味が通じなくなってしまうということはありません。しかし、「正確に言葉を理解していない」という印象を相手企業に与える恐れがあるため、話し言葉では御社、書き言葉では貴社と使い分けるようにしてください。普段から意識して使い分けることで、とっさのときにも正しい言葉が出てくるようになるでしょう。
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