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2019.05.20

子育てするならフランスより日本で! 子どもの自立にもつながります。フランス人イクメン・ローランさんの場合/後編

外国人パパにはイクメンが多いらしい?! そんな噂を徹底リサーチする新リーズ。ひとりめは、ママの仕事を応援しながら、3人の育児を楽しんでいるフランス出身のローランさん(後編)。

Text:
南 ゆかり(フリーエディター・ライター)
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フランスでも共働きは普通。家事は夫婦で分担し、特に料理はパパの仕事です。

PROFILE
出身地/フランスのアルル(南フランス)
家族構成/妻、子ども3人(長女9歳・次女7歳・長男1歳)
住まい/東京・港区
職業/フランス系証券会社などを経て、現在は仮想通貨取引所のディーラー

▶︎「僕、定時で帰ります」で3人を育児中。フランス人イクメン・ローランさんの場合/前編

日本の子どもは自立している

2001年に日本に来たときは、インターンシップで半年だけ滞在する予定でした。長くいる予定じゃなかったんです。それが、日本で就職することになって(フランス系証券会社)、転職もして、家族をもって。結局、20年近く日本に住んでいます。

いつかフランスに帰るか、どこか海外に移住しようか。妻とそんな話をしたこともあったけれど、僕たちの結論は、「やっぱり日本がいちばん!」。世界のいろんな場所を旅行するうちに、そう思いました。

日本のいいところは、やっぱり安全なところ。そのため、意外だと思うかもしれないけど、日本の子どもの行動はフランスよりも自立してるんです。学童や習い事に行ったり、友達のうちに遊びに行ったり、小学生になったらみんな自分たちでやるでしょ。フランスでは治安が心配で、どこに行くにも親が一緒。それに、日本では延長保育ができたり、指導員のいる児童館のような施設があったり、いろいろな面ですごく子育てがしやすいんです。

フランスでも共働きは普通だけど、家事は夫婦で分担するし、パパも育休を取るのがフランス流。そして家のこと、特に料理はパパの仕事です。理由は簡単。フランス人はおいしいものにこだわるから! ダイエットよりも何よりも、おいしいことがいちばん大事なんです。僕の料理は…、冷蔵庫にあるもので手早くつくる簡単料理。時間をかけてこだわってつくるより、子どもたちが好きなもの、毎日違うものをつくるほうが得意かな。

パパと子どもたちで1か月の夏休み

毎年夏休みになると、最低でも2週間、長ければ1か月、僕の実家がある南フランスのアルルに帰ります。子どもたちはおじいちゃんと遊んだり、実家のプールで泳いだり、友人家族と海に行ったり、乗馬をしたり。日本ではなかなかできないこともあって、みんな乗馬が大好きです。もちろん、今年も行く予定。夏休みの間、日本の小学校に通ったこともあったけど、なかなか難しいみたいで。それより、自由に遊んでのびのび楽しむことを大事にしたい。妻は今年も仕事を長く休めないから、僕と子どもたちだけになりそうだけどね。

僕たち夫婦にとって大事なのは、子どもにフランスと日本の文化どちらも体験させて、しっかり理解させて、いつかどっちをメインにするか選ぶときがきたら、子ども自身で決められるようにすること。どちらに進んだとしても、不自由なく暮らせるように。今はそのための手助けをしたいと思います。

僕と妻は、たぶんずっと日本で暮らすでしょう。でも、子どもたちは将来フランスに住むことを選ぶかもしれません。離れちゃうのは、さみしいけど、でも、子どもが選んだ道なら応援します。それが、僕の役割だと思っています。

−−いつも子どもたちを連れて一緒に公園で遊び、季節の行事にも誰より楽しそうに参加するローランさんは、その界隈では知られた存在だそう。その根底が、「イクメンになろうとして」でもなく、もちろん義務でもなく、「仕事を頑張るママを応援したい」から。そして何より「楽しい!」から。それは、いつか自立していく子どもたちと楽しい思い出をつくる過程でもあって…。それを思うときだけは、目の奥が少しだけ寂しそうになるローランさんでした。

イラスト/松元まり子

南 ゆかり

フリーエディター・ライター。ただいま、7月頭発売の書き下ろし新刊を準備中! ほかに『Domani』2/3月号のワーママ10人インタビュー、Oggi誌面「お金に困らない女になる!」「この人に今、これが聞きたい!」、Cancam.jpでは「インタビュー連載/ゆとり以上バリキャリ未満の女たち」なども掲載中。

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