【目次】
・そもそもコミュ力とは?
・コミュ力が高いと良いことがある!
・コミュ力なんて不要!?その理由は?
・コミュ力を鍛えるにはどうする?
・コミュ力診断テストをご紹介
・コミュ力にこだわらない生き方を!
そもそもコミュ力とは?
コミュ力とはコミュニケーションスキルのことで、周囲の人々と円滑に連携を取る能力を指すことが一般的です。初めて会った人にもフランクに声をかけ、その場の緊張をほぐすような言葉をかけたり和やかな雰囲気づくりが上手だったりする人を指して「コミュ力高い」と表現することがあります。

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■「コミュ力高い」の反対は「コミュ障」?
「コミュ障(こみゅしょう)」という言葉も耳にすることがあります。これはコミュニケーションに対して何らかの支障があるという意味で、人見知りが激しく、なかなか打ち解けられない人や、人との関わりを極力避けて過ごしている人を指すことが多いです。
「コミュ力高い」という言葉との反対のようなイメージですが、厳密には反対とは言えません。コミュ力の高さで言うならば、もっともコミュ力が高い人から順に次のようになるでしょう。
1.コミュ力おばけ
2.コミュ力高い
3.普通
4.コミュ力低い
5.コミュ障
この5段階で考えるならば、「コミュ力高い」の反対は「コミュ力低い」で、「コミュ障」はコミュニケーションの序列の中ではもっとも低い位置にあり、その反対は「コミュ力おばけ」で、異常なほどコミュ力が突き抜けた人をさします。
コミュ力が高いと良いことがある!
「コミュ力高い」という言葉は、一般的には褒め言葉として使われます。例えば、適切なコミュニケーションをしないために、やり取りがスムーズにいっていないチームがあったとしましょう。そこにコミュニケーションスキルに優れた人がチームに一人加入することで、メンバーそれぞれの思いや作業が他のメンバーともつながるようになり、突如としてチームがうまく機能するようになります。

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もちろん、後で加入したコミュ力の高い人は、「コミュ力が高い!本当にありがとう」とメンバーからの称賛を浴びることになるでしょう。その他にも、コミュ力が高いと、次のような良いことがあります。
■チームワークが生まれる
コミュ力が高い人がチームに一人いるだけで、チームがチームとして機能するだけでなく、チームワークが生まれます。今まで仲良くしていなかったメンバー同士も歩み寄り、「一緒に頑張ろう!」「団結して目標を達成しよう」という思いが芽生えていくでしょう。
■明るい雰囲気が生まれやすい
コミュ力が高いということは、言葉や態度を通して周囲の人々とこまめにコミュニケーションを取るということです。やり取りを繰り返すため、場の雰囲気は明るくなりやすく、楽しい雰囲気が生まれるでしょう。
場が明るい雰囲気になると、元々コミュ力が高くはなかった人々も自然とコミュニケーションを取りやすくなります。そのため、さらに雰囲気が明るくなり、和気あいあいとした活動が行えるでしょう。
■意思疎通ができているため連絡漏れも減る
こまめにコミュニケーションを取ることができていると、連絡漏れも減ります。「これを〇〇さんに伝えておこうかな?全部仕上げてから連絡しようかな」などと一つひとつの作業で連絡するかどうかを考えているようでは、連絡漏れが生じやすくなり、トラブルの原因になりかねません。
コミュ力が高ければ、「伝えようかな?」と迷う前に連絡をするので、連絡漏れが少なく意思疎通がしやすくなります。こまめに連絡を取り合うことはチームでの仕事の基本でもありますので、コミュ力はビジネスにも欠かせない能力と言えるでしょう。
■知り合いや友人が増える
コミュ力が高いと、初めて会った人とでも気軽に話すことができます。見知った人も増え、何度もコミュニケーションを取るうちに仲良くなり、友人が増えていくでしょう。
コミュ力が高い人は常日頃からこまめに連絡を取りますので、一度、仲良くなった人たちとは長い付き合いができます。コミュ力の高い人を中心とした仲間の輪はどんどん広がっていくでしょう。
コミュ力なんて不要!?その理由は?
コミュ力が高いと良いことが多いですが、最近、「コミュ力なんて不要だ!」という意見が聞かれることがあります。コミュニケーション能力に優れている人が職場にいること、あるいはコミュ力が高い人が集まることで、どのようなデメリットがあるのでしょうか。

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■忖度しすぎで風通しが悪くなる
コミュ力が高い人は、どうしても周囲の人々の気持ちに敏感になります。落ち込んでいる人や一人になっている人に積極的に声をかけたり、上司やリーダー、同僚などあらゆる人々の気持ちを受け止めたり、適切なコミュニケーションを取ることで場の雰囲気を良くしようとしたりする人も多いでしょう。
しかし、コミュ力が高い人が集まり、お互いが相手の気持ちを思いはかるようになるとどうなるでしょうか。例えばコミュ力の高い人が、部長がA案を気に入っていないということを早期に察知したとします。職場の雰囲気を悪くしないためにも、A案以外を通そうと部署のメンバーたちに「B案が良いよね」と根回しをするようになるかもしれません。
そのようなことが続けば、すべての議題は部長に忖度した結果で落ち着くことになり、部署の風通しが悪くなってしまい、部長の意見を反映しないアイデアが通ることがなくなってしまいます。コミュ力が高いことに問題があるわけではありませんが、コミュ力が高く、相手の気持ちを優先しようという思いが強すぎることがネガティブに作用することもあるのです。
■多様化の時代に逆行する
今は多様化の時代といわれています。以前は「性格は明るくなくてはいけない」という画一的な価値観が横行し、ネアカ・ネクラと単純な分け方で人の価値を決めつけていました。しかし、現代では、明るいことだけが良いことではなく、暗いと分類されるひと、空気を読まないひと、無口なひとにもそれぞれの良さがあり、それぞれの魅力があることに気付き始めています。
このような時代において「コミュ力が高いことが良い」というのは、多様化の流れに逆行することにもなるでしょう。もちろんコミュ力が高いことで良いこともたくさんありますが、コミュ力が低いことやコミュ障と呼ばれていてもそれぞれの大切な役割があり、優れた点が多数あることに気付く必要があるのです。
■用件だけ伝えるほうが良い場面も多い
コミュ力が高い人は、コミュニケーションが通じていない不安からこまめに周囲の人々と連絡を取り合うことがあります。しかしいつでも用事があるわけではありませんから、「元気~?」「昨日のテレビ、面白かったよね」といったたわいもない内容の話題も増えるでしょう。
人間関係を円滑にするためには、このような一見意味がないコミュニケーションを取ることは大切です。しかし、全速力で仕事を仕上げなくてはいけないなど時と場合によっては、余計なコミュニケーションは仕事の邪魔になることがあるでしょう。
コミュニケーションのためのコミュニケーションばかり取ってばかりいると、「大切なことは何?」「何が要点?」と周囲を混乱させることもあります。また、締切りに追われてピリピリしているときには、本筋と関係のないコミュニケーションはストレスになることもあるでしょう。
また、人付き合いが苦手な人にとっては、急いでいるかどうかに関係なく、コミュ力の高い人とのやり取りがストレスになることもあります。コミュニケーション自体が大きな負担となり、「仕事だけをしたいのに……」と徐々に輪から足が遠ざかることもないとは言えないでしょう。
コミュ力を鍛えるにはどうする?
時と場合をわきまえ、適切なコミュニケーションを取るならば、やはりコミュニケーションスキルは高いほうが良いことも多いです。チーム内や部署内での円滑なやり取りが可能になりますし、場の雰囲気が明るくなり、チームに一体感が生まれます。

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コミュ力を鍛えたい方は、次の6つを実践してみてはいかがでしょうか。ムードメーカーとしての資質が開花し、チームに欠かせない人材として評価されることもあるでしょう。
■コミュ力おばけからテクを盗む
コミュ力を高めたいならば、やはりその道の達人のテクニックを参考にするのが一番です。コミュニケーションスキル界では最上位に属する「コミュ力おばけ」の様子を観察し、どのようなふるまいがコミュ力の高さにつながっているのか調べてみましょう。
例えば朝の就業前の時間、コミュ力おばけはどのように過ごしているでしょうか。仕事の準備は10分以上前に終わらせ、いろいろな人々のところに渡り歩き、コミュニケーションを楽しんでいるのかもしれません。
また、ランチタイムはどのように過ごしているでしょうか。特定の仲間を決めないで、さまざまなグループに入り、楽しく交流を深めているコミュ力おばけも多いでしょう。「今日はお弁当を持ってきたんだ~」と言いつつ、今まであまり接点がないお弁当組とのコミュニケーションを楽しんだり、「今日はコンビニで買ってきた」と、隣の人との会話を楽しんだりします。
■とりあえず笑顔で挨拶
コミュニケーションの基本は挨拶です。「何を話してよいか分からない」という方も、とりあえず挨拶だけならハードルは低いのではないでしょうか。
コミュ力が高い人は、挨拶の際に何か楽しくなるような一言を付け加えますが、コミュ力訓練中の人はそこまで高度な技をいきなり身につける必要はありません。「おはよう!」「お疲れ様でした」とはっきりと挨拶するだけで十分です。
ただし、挨拶をするときは、笑顔で相手の目をしっかりと見ることだけは注意をしてください。表情が暗かったり目をそらしていたりすると、挨拶をしたことに気付いてもらえないことや、「なんか怒っている?」と誤解を生むこともあるかもしれません。
■「どっちでも良い」は言わない
相手の気持ちを尊重することは大切なことですが、いつも尊重してばかりでは、コミュ力が低いと評価されてしまいます。コミュニケーションとは相互に言葉や感情をやり取りすることなので、相手を一方的に尊重することはコミュニケーションではないのです。
「ランチどこ行く?」と皆で話しているときは、時々でも良いので、「ガレット食べたい!」とか「〇ビルの一階に新しいお店できたよね!行ってみない?」と自分でも提案してみるようにしましょう。
コミュ力が低めの人がよく言う「どっちでも良い」というお決まりの言葉は、実は相手を尊重しているようで、思考を放棄した投げやりな言葉でもあるのです。しっかりと考え、自分の意見を言うためにも、「どっちでも良い」「みんなに任せるわ」という言葉は封印しておきましょう。
■会話に困ったら相手を褒める
もっと仲良くなりたいのに、どうしても話に詰まってしまうことはあるものです。そのようなときは、とりあえず相手を褒めることで言葉をつなぎましょう。
「その服、おしゃれだね。とても似合っている」「髪色、いいよね。どこでカラーしているの?」など、気になる点はどんどん褒めていきましょう。もちろん言葉が上滑りにならないように本気で「素敵!」と思っていることが前提です。
■相手の意見を受け入れることからスタート
繰り返しになりますが、コミュニケーションとは言葉や感情のやり取りです。相手の言葉や気持ちをしっかりと受け止めることからコミュニケーションが始まるといっても言い過ぎではないでしょう。
何でも否定していてはコミュニケーションはスタートすらできません。まずは相手の意見を受け入れることから始めましょう。会議で到底納得できない意見を誰かが発言した場合でも、まずは「なるほど」とうなずき、共感できるポイントがないか探してみます。
■ポジティブに誤解する
相手が「え?」と思うような発言をしたときでも、怒ったり追及したりしてしまうとコミュニケーションがうまくいきません。例えば「今日なんかむくんでいない?」と言われたとしても、「感じ悪い……」と黙り込んでしまうのではなく、「微妙な変化にも気付いてくれるんだな?ひょっとして体調を心配してくれている?」と誤解であってもポジティブに受け止めましょう。
「心配してくれてありがとう!デトックスしなきゃ」と言うならば、相手もあなたと話しやすくなり、コミュニケーションを取りやすいと感じるかもしれません。
コミュ力診断テストをご紹介
コミュ力診断テストを紹介します。7つすべてに当てはまっている方は「コミュ力おばけ」、5つ以上当てはまっているなら「コミュ力高い」と判断できるでしょう。

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・自分の意見を早めに伝えたうえで、他のメンバーの話も聞く
・「苦手だな」と思う相手でも、にこやかに話して、相手の良いところを見つけようとする
・悪口を言っているときには「悪口は止めようよ」と明るく注意できる
・初めて会った人に声をかけるのは苦痛ではない
・大勢で会話するのが好きで会話に没頭してしまう
・親友であっても、言ってはいけないことがあると思う
・自分に非があるときには、「本当にごめんなさい!」とすぐに謝ることができる”
コミュ力にこだわらない生き方を!
コミュ力高い人がいると場の雰囲気は良くなりますが、実際のところ、コミュ力の高い人自身にストレスがかかっていることもあります。コミュ力が高いことは長所のひとつではありますが、すべての人がそうなることを目指す必要はありません。コミュ力にこだわらず、周囲への気配りを忘れず自分らしさを大切にして生きていきましょう。
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