【目次】
奥手な相手を落とした手口とは!?
半年デートしても、なぜあなたって手も握らない…。どこかで聞いたようなフレーズですが、望さんのデート相手がまさにそれ。
前回のお話▶︎LINEをしても話が続かない!脈なしだと思った相手と再婚に持ち込むまで
毎週のようにご飯に行く関係なのに、色っぽいことは何も起こらない。そんなとき、Bさんを紹介してくれた同級生と食事に行き、「Bとその後どうよ?」と聞かれたので、望さんは「私は彼のこと好きなんだけど、彼はどう思ってるのかわからないの。だけど絶対彼には言わないでよね!」と言いますが、これは実はダチョウ倶楽部でいうところの、「お前ら絶対押すなよ?」という、お約束の前振り。
望さん:彼に伝わること前提で、念押しで4回言いました(笑)。
その前振りの成果あって、その次にBさんに会うと、今までとは明らかに態度が変化。「なんで俺に見とれてるんだよ」とうぬぼれたことを口にしたりして、自分が好かれているという確信を持てたためなのか、望さんに対する態度に、余裕が感じられるようになったのです。
望さん:ある日、「引っ越しするから手伝って欲しい」って言われたので、「これはかなり脈ありだな」と思いました。だって手伝ってくれる人なら、彼には他にもいくらでもいたはずなんですもの。
引っ越し作業が終わってほかの友人たちが帰り、初めて彼の部屋でふたりきりになったとき、「今日は来るっ!!」と思ったのに、彼は望さんが居る場所からいちばん離れた対角線上の位置に座り、ふたりでいるのに、お互い部屋にポツン状態。―ちなみに何度も言いますが、このふたり、おボコい10代ではなく、30代後半の男女です。Bさん、どんだけ奥手なんだ!!
手を繋ぐ練習までして挑んだ「Xデー」!
さかい:そんな状態から、どうやって交際に持ち込んだんですか!?
望さん:後日、彼が「引っ越し祝いやろう」って誘ってくれて、そのときにようやくそういうことになりました。
引っ越し当日の教訓(?)を生かして、望さんは男の先輩に練習台になってもらい、Bさんと手を繋ぐ予行練習までしてからその日に挑んだそう。「もうどうしたらそういう雰囲気に持ち込めるのかわからなくて…」。アラフォーで婚歴もある望さんがそんなことをしている場面、想像するだけでもかわいいし面白いです!
関係を持ってからも「付き合おう」という言葉はなかったけれど、あるとき、「俺、みんなにはもう付き合ってること報告しといたから」と言われたのです。きゃ〜♡ 半年間、手も繋いでくれなかった彼が、関係を持った途端にそんなことビシっと言ってくれたら、たまらないではないですかっ(興奮)!!
あとから「いつから私のこと好きになってたの?」と聞いても、絶対に教えてくれないそうです。Bさん、とってもシャイな男性だから、望さんが自分のこと好きだという確信が持てない限り、一歩踏み出せなかったのですね。ええ話や〜〜〜(なぜか関西弁)。
望さん:付き合うようになってから、「押すなよ押すなよ」と前振りしておいた同級生にお礼を言ったんですけど、「俺は何にも言ってないよ〜」って。絶対に彼のおかげなんですけどね。
離婚後の平穏な日々に訪れた、元夫が危篤の連絡
そして付き合うようになってから、Bさんの親しい友人たちの中には、望さんの交通事故で亡くなった弟さんの友人たちもいて、なぜ今までふたりが知り合わなかったのか不思議なくらいに、共通の知り合いがたくさんいるということが判明。その中には、弟が亡くなってからも毎月のように実家に遊びにきてくれる弟の親友も居たのです。
望さん:当時は気づかなかったけど、弟の友人たちの間で、誰々は母親、誰々は私、って、家族をケアする担当まで決まっていたようなんです。
仲間にとても愛されて、人望があった弟さんだったのでしょうね。そしてお話を聞いていると、望さんとBさんの縁も、天国にいる弟さんが繋いだんじゃないかな、と私は感じてしまいました。
さて、Bさんと付き合いだし、同棲もスタートして1年が経とうとしていたある日。望さんの元に母親から、元夫が危篤であるという連絡が入ったのです。
望さん:彼の新しい奥さんから私の母親の元に連絡が来たそうです。以前、彼から「離婚の証明書ってどこでもらえるの?」と訊ねるメールが来たことがあったので、再婚したんだろうなとは思っていました。再婚相手は彼の家族や友人たちの連絡先を全く知らないので、唯一わかった私のところに連絡してきたみたい。彼女は英語もそこまで話せないので、私がアメリカにいる彼の家族への連絡係を引き受けることに。
望さんはBさんにそのことを打ち明けようと、「私たちの愛って何があっても揺るがないよね?」と聞くと、「当たり前じゃん」という返事が。そこで「実は元夫が危篤で、彼の家族と今連絡を取っている」と話すと、「一度は愛し合ったふたりなんだし、望にできることがあるならやってあげないとね」と言ってくれました。望さんは彼のその言葉を聞いて、「この人すごいな」と感動したそうです。
―元夫の危篤に立ち会い、彼と家族の絆を再び取り持つことになった望さん。元夫のAさんも、現夫Bさんも、望さんにとっての運命のソウルメイトだったんだなという不思議なお話は次回に続きます。
インタビュー・文
さかい もゆる
出版社勤務を経て独立。と思った矢先、離婚してアラフォーでバツイチに。女性誌を中心に、海外セレブ情報からファッションまで幅広いジャンルを手掛けるフリーランスエディター。Web Domaniで離婚予備軍の法律相談に答える「教えて! 離婚駆け込み寺」連載も担当。著書に「やせたければお尻を鍛えなさい」(講談社刊)。講談社mi-mollet「セレブ胸キュン通信」で連載中。withオンラインの恋愛コラム「教えて!バツイチ先生」ではアラサーの婚活女子たちからの共感を得ている。