子どもは親に頼られると嬉しい
「これからお伝えする6ステップは、子どもにやるだけではなく、親子でやりあうのがオススメです。親は弱みを見せないように頑張りがちだけど、子どもは親の悩みや失敗談って、実は聞きたいんです!『ママもこんなこと思っているんだ』と子どもは勇気づけられたり、先に自己開示してもらえることで、自分の本当の悩みを話しやすくなります。また親から『相談にのってもらってもいい?』と聞かれたら、子ども頼られてると感じて、嬉しいと思いますよ。
僕たちがベースにしているアドラー心理学には、人が幸せになる為に必要な、幸福の3条件という考え方があります。
- 自分が好きである(自己肯定感、自己受容)
- 他人のことを信頼できる(他者信頼)
- 自分は、人や世の中に役に立っている存在だと思えている(貢献感)
お子さんの体の中に、この3つの条件にそれぞれ10点満点のメーターがあると思ってください。そして、どの条件でも構いませんので、この会話の中で子どもの3条件を1点でもあげるように関わろう!と親が心に決めることが大切です。すると今まで以上に、お子さんの素敵なところがたくさん見えてきます。『なんかママと話すと元気が湧いてくるなぁ』と、お子さんの自信にもつながりやすくなってきますよ」(日本親子コーチング協会代表理事 原 潤一郎さん)
質問例と合わせて、簡単コーチングのやり方を紹介!
子どもの興味に興味を持って質問するだけ!簡単コーチングのやり方
STEP1:テーマ決め
まずは何について話すか、テーマを決めましょう!
Question
・ハッピーなことでも大変なことでもいいんだけどさぁ、最近気になっていることはある?
いきなり「今日どうだった?」と聞いても「まあまあ・別に・普通」と言われがち。真剣な顔で「何か悩んでない?」と聞いても、迫力に押されて「ないよ」と言われがち。できるだけリラックスした自然な会話の中から、お子さんの気になっているテーマを探していきましょう。
STEP2:現状把握と未来把握
今の状態、そしてこれからどうなっていきたいか考えてみましょう。
Question
・(STEP1で決めたテーマについて)そのときどんな気持ちだったの~?
・なんでなんで~?
・なるほど話してくれてありがと~
・でさぁ、それが本当はどうなったら良いかなぁ?
「なにか問題が起こると、その原因を探して追求したくなるもの。しかし大切なのは、事実を受け入れ、これからどういう風になっていくと良いかを一緒に考えていくことです」(原さん)
STEP3:期限決め
理想の未来(目標)が決まったら、期限を決めましょう。
Question
・いつ頃そうなっていたい?
STEP4:ベイビーステップ
理想の未来を期限までに叶えるために必要なことを考えましょう。大きなことでなくても大丈夫。今日、明日に出来るくらいの小さな一歩を考えると、行動に移しやすいですよ。
Question
・そのために(理想の未来)まず何をやってみたい?
STEP5:メンタルリハーサル
心の中でベイビーステップを実行するためのシュミレーションをしてみましょう!うまくイメージがつかない、詰まってしまう場合は、STEP2であげた未来像にワクワクしていない、あるいはSTEP3であげたベイビーステップがしっくりきてない可能性があります。焦らず、前のSTEPに戻ってみましょう。
Question
・やりたい?
・出来そう?
・やったらどうなりそう?
「多くの場合、やりたい?よりも先に、出来そう?と聞いてしまいます。実は、出来るか出来ないかのパワーよりも、やりたいかやりたくないかのパワーの方が大きいので、まずはやりたい?から聞いてみるのがオススメです」(原さん)
STEP6:勇気づけ
お子さんに対して応援のメッセージを伝えましょう!!
選択肢は子どもに持ってもらう
「こうしなさい!と言うと、命令されているように感じ、反発されたり、指示がないと動けなくなってしまうこともあります。アドバイスをする場合は、疑問系がオススメです。例えば、『私はこう思うんだけど、あなたはどう思う?』と、お子さんにイエス、ノーの選択権をゆだね、自分の頭で考える習慣ができるといいですね」(原さん)
言葉が話せるなら何歳でもできる簡単コーチング。ぜひ親子でやってみてくださいね!
一般社団法人日本親子コーチング協会代表理事
原 潤一郎
一般社団法人日本親子コーチング協会代表理事、メンタルコーチ。23歳からアドラー心理学をベースにしたコーチングを始め、相談実績は累計10000名を超える。特に小学生の夢発見・問題解決のサポートや、親子コミュニケーションを改善してきた。全国の小学校・学童保育・PTAなどで講演活動も行い、年間登壇回数は200回を超え、「5分に1回、幸せを感じられる講演家」と好評を得ている。同時に、ラジオやテレビへの出演、雑誌の連載やコラムの執筆活動も行う。著書「魔法のピットインカード」はAmazonランキング4部門で1位。世界各国でも翻訳出版されている。