【目次】
僕ではなく、演じる役がこの物語の中に生きていることを感じてもらいたい
劇場版「美少女戦士セーラームーンEternal」でフィッシュ・アイ役を演じる、声優の蒼井翔太さんへのスペシャルインタビュー。vol.1とvol.2では作品の魅力などをたっぷりと語っていただきましたが、インタビュー記事ラストとなる今回は、仕事観や気になる美容ネタなど蒼井さんのパーソナルな部分を深掘り。記事の最後には、日々頑張る女性に向けた応援メッセージも!どうぞ最後までご覧ください♡
さて、まずは「声優」という仕事についての質問です。ここまでのインタビューでも、作品や役に対する真摯な姿勢・想いが言葉にあらわれていた蒼井さん。声優の仕事をする上で、いちばん大切にしていることは?
「この取材でもこうしてポートレートのお写真を撮っていただいているように、今は声優でも顔出しのお仕事がすごく増えてきていて。声優とアイドル活動を同時にされている方が多くいらっしゃったり、僕自身もいろいろな活動をさせてもらっています。でも声優って、もともとは裏方の職業。自分の顔は出さずに、彼や彼女たちをその世界で〝声で生かす〟ことが仕事です。『蒼井くんが演じているこの役が好き』と言っていただくことはもちろん嬉しい。でも僕のことは二の次で、声を吹き込んだ彼や彼女が物語の世界で生きていることを感じてもらえるようにしたい。この想いは絶対にブレることなく仕事をしていますね」
▲今回も撮りおろしポートレートとともにインタビューをお届け。〝表現者〟としての蒼井さんの魅力、写真でも存分に感じてください…!
vol.1、vol.2のインタビューでも、作品内の登場人物たちを表現するとき〝キャラクター〟ではなく、必ず〝彼〟や〝彼女〟という言葉を選んでいた蒼井さん。
「もちろん小さな頃は〝キャラクター〟として見ていました。でも、今の僕にとって彼らは〝生きている〟存在だから。いろいろな考えの方がいらっしゃるとは思うんですが、僕は物語の中で息づいている彼らを何より大事にしたいんです」
演じる役が物語の中で生きている、〝血の通った〟存在であるという印象を持たせる蒼井さんの表現の裏側には、こんな気持ちがあったんですね。
性別の壁をどこまで超えていけるか。それが蒼井翔太のこれからの挑戦
続いて蒼井さんにぶつけたのは、本連載では定番となっているこちらの質問——『ご自身が思う、自分の声の強みと弱みとは?』。甘いハイトーンボイスが持ち味の蒼井さん。さて、どのような答えが返ってくるのでしょう?
「ちょっと独特で特徴的な声だねと言っていただく、高い声。男性も女性も演じることができるのは強みだと思っています。だけど、女性役をわざわざ男性が演じる必要はないんじゃないか? という〝流れ〟みたいなものがあるのが現実で…。もちろん性別があるわけですから、女性は女性が演じたほうがいいという理なんだとは思うのですが…」
なるほど、今まであまり強く意識したことはなかったけれど、その固定概念のようなものは確かに存在しているように感じます。でも、その役が一層〝らしく〟物語の中に生きる声であるならば、演じる立場の性別は関係ないはず。
「これを弱みととるか、新しい挑戦ととるか。この声で自分がどこまで女性を演じていくことができるか、今後の僕のチャレンジのひとつだなと思っています」
前回のインタビューでも、新しい挑戦を続けて人とは違う花を咲かせたいと話していた蒼井さん。これもまた、蒼井さんならではの花のカタチなのかもしれません。
▲仕事に、作品に、そして演じる役に…何に対しても真正面から向き合う姿が印象的でした。
と話し終わった直後に「そうそう!もうひとつ!」とさらに追加の解答が浮かんだよう。
「心地いい声って言っていただくことが多いんです。なんだかアルファ波出てるよね、って。だけど、そのせいか『ドラマCDや朗読CDを最後まで聞けたことがありません!』ともよく言われるんです!声が心地よすぎて気づくと寝落ちしてしまう方が多いらしくて(笑)。最後まで聞いてもらいたいけど、聞いてもらえない!これも僕の声の弱みなのかもしれません(笑)」
蒼井さんの美容事情に注目!スキンケアはお風呂上がり10分以内が鉄則です
話題はガラリと変わりますが、取材現場で蒼井さんを拝見してビッッックリしたのが、お肌の美しさ。いやもちろん、蒼井さんが美しいことは百も承知です。ですが、ここまでとは…!! このお肌を目の前にしたらやっぱり聞きたい、蒼井さんの美容事情。お風呂でのケア方法やお風呂上がりの注意点など、美の秘密をちょっぴりお尋ねすることに。
「お風呂で湯船につかりながら、フェイス用のオイルをたっぷりと顔にのせてクルクルと肌に馴染ませるようにしています。そうすると、肌の表面に角栓などの汚れが浮き上がってくるんです」
なるほど。オイルを使って、湯船の蒸気で開いた毛穴から汚れを浮かせるんですね…!ちなみに使用するオイルは、たとえばソンバーユのような顔の保湿をするために使用するもの。クレンジングオイルではないのでご注意を!そして「絶っ対にこすっちゃダメですよ!肌に刺激を与えるのは厳禁です!!」と蒼井さんから要注意ポイントが飛んできました。
「肌に刺激を与えるのは絶対NG。オイルをなじませるときも、肌に負担がかからないよう、僕は薬指だけでクルクルするようにしています。汚れが浮き上がって肌の表面にザラつきを感じるようになったら、泡状にした洗顔料を顔の上にしばらくのせて、ぬるま湯を手にとって洗い流します。そのときもシャワーで流したりせず、手で優しく流すのが大事。僕は化粧水をつけるときも絶対にパッティングはしません。掌をぴたっと肌にくっつけて、手のひらと肌の隙間が真空状態になるようにしてから、手を離す。という動きを繰り返すようにして保湿しています」
と、徹底的に肌に優しく触れることを説いてくださった後、WEB Domani取材班が伝授されたのは、お風呂上がりから保湿までの〝カウントダウン〟。
「お風呂を出てから、必ず10分以内に保湿するように心がけているんです。蒸気に満たされた浴室の扉をあけて、肌の乾燥がスタートする〝外の世界〟に出た瞬間から10分がタイムリミット。だから、体を拭くのは浴室の中、スキンケア用品は浴室を出てすぐの場所にある洗面所にスタンバイ。10分経ってしまったら、ケアを1週間くらい手抜きしたのと同じようなものですよ!」
▲「浴室内で体を拭いている時間も10分にカウントされてしまいますか?」と細かすぎる質問を飛ばした取材班に対しても「浴室内は湯気があるから大丈夫ですよ!」ときっちり答えてくださった、頼れる蒼井さん。先生、いや師匠と呼ばせてください…!
頑張っている姿は、絶対に誰かが見てくれている。その頑張りは、絶対に未来につながっていく
どんな質問にも、まっすぐ真摯に、自分の想いを表す言葉を丁寧に選びながら答えてくださった蒼井さん。取材の最後に、毎日頑張る働く女性に向けた応援メッセージをいただきました。
「たとえば結婚していなかったり恋人がいなかったりすると、仕事を終えて疲れて部屋に帰ってきてもひとりぼっちで。そうしてひとりで過ごしていると『頑張ってるのにな』とか『頑張ってるのは自分だけなのかな』とかさみしさを感じて考え込んでしまったりすると思うんです。でも、頑張っている姿は絶対に誰かが見てくれている。この頑張りはきっと誰かの目にとまっていて、絶対に未来につながっていくものなんだということを忘れないでいてほしいんです」
作品や仕事観について語っていらっしゃったときとは一味違う、穏やかな声で言葉を紡いでいきます。
▲蒼井さんからにじみ出る優しさに、その場が暖かく包まれて…。お話をうかがっているだけでも癒されてしまいました。蒼井ボイスの〝アルファ波〟はダテじゃない!
「その一方で、お母さんであれば、お子さんが小さいとまだお話そのものができなかったり、大きくなったらなったで今度は思春期などで思うように話が通じなかったり…。でも、僕もそうだったんですけど、母親の頑張りって子供は見ていないようで見ているもの。だから、いつかちゃんと笑顔で話ができる、お友達のように仲良くなれる日がきっと訪れるはず。その日を信じて諦めることなく頑張ってほしいなって思います。セーラー戦士たちが絶対に諦めないように。今は、これまで以上にひとりでいろんなものを抱え込みやすいときだと思うんですが、だからこそ、そばにいてくれる人がいること、あなたを見てくれている人がいることを忘れないで。ひとりぼっちだと思ってしまうときがあっても、きっと大丈夫。大丈夫ですよ」
ひたすら頑張っていても結果が出なかったり、うまくいかなかったり、自分だけが空回りしているような孤独を感じてしまったり…そんなときは、蒼井さんの優しいエールを思い出したいですね。蒼井さん、本当にありがとうございました!
3回に渡ってお送りしたインタビューはこれにて終了。ですが、次回からは文字ではなかなか伝えづらい撮影の裏側や取材中の蒼井さんの様子をイラストでお伝えする、『耳恋』イラストルポ編がスタートします! 全4回とボリュームたっぷりですので、引き続きWEB Domaniをチェックしてくださいね!
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劇場版「美少女戦士セーラームーンEternal」≪前編≫1月8日(金)公開!
【劇場版「美少女戦士セーラームーンEternal」】
公開日:《前編》1月8日(金)、《後編》2月11日(木・祝)2部作連続公開!
キャスト:三石琴乃、金元寿子、佐藤利奈、小清水亜美、伊藤 静、福圓美里、野島健児、皆川純子、大原さやか、前田 愛、藤井ゆきよ、広橋 涼、村田太志、中川翔子、松岡禎丞、渡辺直美、菜々緒
スタッフ:原作・総監修/武内直子 監督/今 千秋 脚本/筆安一幸 キャラクターデザイン/只野和子 音楽/高梨康治
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©武内直子・PNP/劇場版「美少女戦士セーラームーンEternal」製作委員会
声優・アーティスト
蒼井翔太
あおい・しょうた。8月11日生まれ。2011年、声優デビュー。主な出演作に「うたの☆プリンスさまっ♪」シリーズの美風 藍役、「ファンタシースターオンライン2 ジ アニメーション」橘 イツキ役、「KING OF PRISM -Shiny Seven Stars-」如月ルヰ役、「この音とまれ!」神崎 澪役など。2013年6月にミニアルバム「ブルーバード」でアーティストデビュー。2019年には「蒼井翔太 LIVE 2019 WONDER lab. I」ツアーを5都市7公演にて開催し、大成功をおさめる。2020年4月には12枚目のシングル「BAD END」を発売。また、7月14日には13枚目のシングルを発売予定! 声優だけにとどまらず、アーティスト、俳優としても幅広く活躍中!
撮影/中田陽子(MAETTICO) スタイリスト/ヨシダミホ ヘア&メーク/山本隆太 取材/旧井菜月、福本絵里香(本誌)