「家事都合」と「私事都合」の違いとは?
会社で有給を取得したいときに使う言葉に『家事都合』という言葉があります。よく似た言い方に『私事都合』がありますが、どのように使い分けるのでしょうか? それぞれについて、詳しく解説します。
「家事都合」とは
「家事都合」とは端的にいうと、『家庭の事情のため』という意味合いです。家事都合を理由に休むと伝えた場合は、家族や親族など、身内の何らかの事情のために休暇をとるのだろうと推察されるでしょう。法事など身内の慶弔に関する行事はもちろん、子どもの保育園や学校などの行事への参加や、家族で出かけるといったのプライベートな理由についても使えます。
「家事都合」は、言われた方が休みの詳細を尋ねにくい形式的な言い方でもあるため、会社に有給を申請する際には、「家庭の事情のため」というよりも使いやすいでしょう。
「私事都合」との違い
「家事都合」とよく似た言い方に、「私事(しじ)都合」があります。この二つの言葉の違いは、誰のためなのかという点です。「家事都合」が『家族のため』という意味であるのに対し、「私事都合」とは、『自分のため』という意味で使われます。
例えば、旅行を理由に有給を申請する場合、家族で旅行をするならば「家事都合」、自分1人で、または友達や恋人などと旅行するならば「私事都合」ということになります。
また、実家に帰省する場合は家族のためということになるので「家事都合」、体調不良の場合は自分のために休むことになるので、「私事都合」が適切です。休暇を申請する理由が家族のためなのか、自分のためなのかという点を考えてみると、容易に判断できるでしょう。
家事都合で有給が取れるのはどんなとき?
では、どのような内容であれば『家事都合』として、有給を取得できるのでしょうか? 該当する内容について解説します。
法事や葬儀など
一般的に家事都合を理由に有給を申請する場合、イメージされやすいのが身内の不幸です。家事都合のためと告げると、あまり深く事情を詮索されないのも、親族の葬儀が理由であることも少なくないためといえるでしょう。
また、四十九日法要、一周忌などの法事も代表的な「家事都合」の一つとして挙げられます。もちろん『法事のため』として有給を申請しても問題ありませんが、あまり詳細を聞かれたくない場合は、『家事都合のため』と伝えておくことをおすすめします。
会社によっては冠婚葬祭は慶弔休暇の対象に
冠婚葬祭のために休む場合は「慶弔休暇」として、休暇を取得できる会社も少なくありません。
慶弔休暇として休暇を取得する場合は「家事都合」は使わず、ありのままの理由を書くとよいでしょう。会社から「慶弔見舞金」が支給されることもあるので、誰の祝いごとまたは弔いごとなのかを具体的に申告しておく必要があります。
前述の通り、自分の勤める会社に慶弔休暇があるかどうかは就業規則に記載されているので、休暇を申請する前に確認しましょう。慶弔休暇が就業規則に定められていない場合は、通常の有給として『家事都合』を理由に有給を取得することになります。