わたしが中国語にどっぷりハマるきっかけとなった「恋人と電球」の話について
外国語の勉強は、現地の人たちの世間話に混じるのがいちばん。
私自身、台湾で過ごしていたときはある程度話が盛り上がっている途中でもタイミングを見て「ごめん、さっきのあの言葉どういう意味?」とわからない言葉は聞き流すだけにしないということを心がけてきました。
そうやってわかるようになった言葉というのは不思議と忘れにくく、そのストーリーを含めて記憶に残っているものも少なくありません。
たとえば、とある先輩CAが口にした「我不想當電燈泡 (電球になりたくない)」という言葉。
中国語で「我不想當電燈泡」は「二人の邪魔をしたくない」
いつものように仕事終わりに台湾人の先輩CAたちに混じりお茶をすすっていると、その中の先輩のひとりがとある男性とふたりで食事に行くことになったという話になりました。
先輩CA1:「今天晚上啊 就只有我們兩個 (今夜なんだけどさ、ふたりで行くことになって)」
先輩CA2:「不錯啊 吃什麼? (へぇ〜、いいじゃん、何食べるの?)」
先輩CA1:「好像是吃日式料理吧 妳要不要一起來?(日本食らしいけど、一緒に行く?)」
先輩CA2:「才不要啦 我不想當妳們的電燈泡 (やだよ、あなたたちの電球になりたくないし!)」
(私:「へ? 電球??」)
あとから聞いたところによると、中国語で「我不想當電燈泡」は「二人の邪魔をしたくない」という意味。恋人やいい感じのふたりのデートの場に同席してしまう3人目のことを指します。最近ではあまり聞かなくなりましたが、日本語でいう「おじゃま虫」というところでしょうか。
余談ですが、英語で「二人の邪魔をしたくない」は「I don’t wanna be a third wheel」といいます (直訳だと「3つ目の車輪になりたくない」)。
中国語・英語・日本語の3つの言語で表現がこんなにも違うというのも非常におもしろいし、表現の仕方からはその言語のセンスみたいなものがうかがえる気がします。
完全なる個人的解釈ではありますが、私が中国語にハマり続ける理由は、多くの表現からうかがえるこの “ユーモア” という部分なのかもしれません。
【続】
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ライター
有田 千幸
外資系航空会社のCA、建築設計事務所の秘書・広報を経て美容ライターに。ニュージーランド・台湾在住経験がある日・英・中の トリリンガル。環境を意識したシンプルな暮らしを心がけている。プライベートでは一児の母。ワインエキスパート。薬膳コーディネーター。@chiyuki_arita_official