「構いません」の基礎知識
「構いません」は、「構わない」と丁寧に伝えたいときに使える言葉です。読み方は「かまいません」です。日常会話はもちろん、ビジネスシーンでもよく使われます。
「構いません」と似ている言葉に「結構です」があり、使い分けに迷いやすい言葉です。ここでは「構いません」の基礎知識として、正しい意味や「結構です」との使い分け方を解説します。
■「構わない」を丁寧にした敬語
「構いません」は、「構わない」に丁寧さを込めた敬語表現です。「構わない」は「構う」の否定形で、「構う」には以下のような意味があります。
・気にする
・差し支える
・気を使う
つまり「構わない」は、「気にしない=大丈夫です・OKです」という意味として使えます。相手に何か許可を求められた場面などにおいて、「いいですよ」と伝えるために使うことが多いです。
■「構いません」と「結構です」の使い分け方
許可や許容を意味する「構いません」に対し、「結構です」は「申し分がない」という意味をもちます。「満足である」というニュアンスがあり、肯定にも否定にも使えるのが特徴です。
例えば、「こちらのデザインでよろしいでしょうか?」と尋ねられた場面を想像してみましょう。この場合に「結構です」と返答すると、「こちらのデザインでいい」「こちらのデザインではなくてもいい」の両方の意味が含まれます。
つまり、「結構です」だけでは肯定・否定の判断がしにくいため、直前に「はい」「いいえ」をつけて意味を明確にする必要があります。
肯定の意味であれば「構いません」と同じように使えますが、「結構です」のほうが冷たい印象を与えます。そのため、相手に配慮した言い方をしたいときは「構いません」を使うほうが無難です。
「構いません」を使う際の注意点3つ
「構いません」は、日常会話やビジネスシーンで便利に使える言葉です。しかし、使い方によっては悪印象を与えかねないため、以下3つの注意点を理解しておきましょう。
1.目上の人には使えない
2.冷たく聞こえることがある
3.ビジネス文書には適さない
ここでは、「構いません」を使う際に気をつけたいことをわかりやすく解説します。
1.目上の人には使えない
「構いません」はへりくだった言い方ではありません。そのため、自分と同等や目下の人には使えますが、目上の人に対して使うのは不適切です。
「構いません」は、「こちら側が許可する」というニュアンスを含みます。よって、目上の人や顧客のように自分より立場が上の人に使ってしまうと、「上から目線」や「偉そうな人」と思われる可能性があります。
相手に失礼な印象をもたれないためには、「構いません」と返答するのは控えるほうがよいでしょう。
2.冷たく聞こえることがある
「構いません」は、使い方や状況次第で冷たい印象を与えることがあります。例えば、重要な事項を尋ねられた際に「どちらでも構いません」といった安易な答え方をすると、相手に失礼だと思われやすいです。
また、「(私はそれで)構いません」のように自分主体のニュアンスを込めて使うことも、冷たさやきついイメージをもたれる傾向があるので注意しましょう。