3.ビジネス文書には適さない
ビジネス上の文書を送る際に「構いません」を使うのは不適切です。親しい間柄の人とフランクなやりとりを交わす場面であれば、「構いません」を使っても問題ありません。
しかし、契約書といった重要な内容においては、「構いません」よりも「不問です」「問題ございません」などが適しています。文書で「構いません」を使うのは控え、口頭の会話の中だけで使うようにしましょう。
場面別「構いません」の例文2つ
「構いません」を使う場面は主に2つあります。1つ目は「提案を許可するとき」、2つ目は「謝罪を受け入れるとき」です。
上述のとおり、「構いません」は使い方に注意が必要な言葉です。誤用して失礼な印象を与えないように、正しい使い方を理解しておきましょう。ここでは、場面別の「構いません」の使い方を例文とともにご紹介します。
1.提案を許可するとき
「構いません」は、相手に何か提案され、提案された内容について許可する際に使えます。例えば、「〇〇でよろしいでしょうか」といった質問に対し、「構いません」と返答するケースが多いです。
提案を許可する場面では以下のような例文が使えます。
【例文】
・いつでも構いませんので、ご連絡お待ちしております。
・どちらの案でも構いません。
・時間がかかっても構いませんので、修理をお願いいたします。
また、語尾に「か」をつけると、相手に許可を得たいときに使えます。何か確認を取る必要があれば、以下の例文を参考にしてください。
・ここで写真を撮影しても構いませんか。
・お手洗いに行っても構いませんか。
2.謝罪を受け入れるとき
「構いません」は、相手の謝罪やお詫びの気持ちを受け入れる際にも使います。ニュアンスとしては、「大丈夫です」「問題ありません」といった意味を含みます。
謝罪を受け入れる場面では、「いいえ、構いません」という形で使うのが一般的です。相手の謝罪に対し、一度否定してから「気にしないで」と伝えることで、丁寧な印象を込められます。
以下は謝罪に対する「構いません」の例文です。
【例文】
・いいえ、構いませんよ。
・構いません。どうぞお気に留められませんように。
「構いません」の言い換え表現3つ
「構いません」には、以下3つの言い換え表現があります。
1.「問題ございません」
2.「支障ありません」
3.「差し支えありません」
「構いません」はあらゆる場面で使えるフレーズですが、目上の人に対しては使えません。目上の人との会話でもきちんと意思を伝えられるように、「構いません」に代わる言葉を覚えておきましょう。
1.「問題ございません」
「問題ございません」は、「構いません」の言い換え表現です。丁寧さが込められているため、目上の人にも使えます。「構いません」より柔らかな印象を与えるのも特徴です。
「問題」の意味は「困った事柄」です。つまり「問題ございません」は、「困った事柄がない=問題にするほど困らない」といった意味をもちます。
・こちらで問題ございませんので、よろしくお願いいたします。
2.「支障ありません」
「構いません」の代わりに「支障ありません」を使うこともあります。「支障」の意味は、「差し支え」「差し障り(さしさわり)」です。
「許可する」「許容する」という意味をもたないため、目上の人に使っても失礼な印象を与えません。以下は、何も差し支えがないことを相談された際に使える例文です。
【例文】
・支障ありません。ご安心ください。
3.「差し支えありません」
「差し支えありません」も、「構いません」の代わりに使える言葉です。「都合が悪くない」「支障がない」といった意味をもちます。「支障ありません」より丁寧な印象になるため、相手に応じて使い分けるといいでしょう。
例えば、契約内容などに問題がないかを尋ねられた場面などでは、以下の例文が使えます。
【例文】
・本件に関して、こちらの内容で差し支えありません。
敬語の「構いません」を正しく使おう
「構いません」は、「構う」の否定形「構わない」の敬語表現です。何か提案を受けたり、謝罪されたりした場面において、「いいですよ」という意味で使えます。
「結構です」よりも意味が伝わりやすく、冷たい印象にならないのが特徴です。ただし、「許可する」という意味合いがあることから、目上の人には使えません。
「構いません」は日常生活やビジネスシーンで使う機会が多いため、正しい使い方を理解しておきましょう。
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