「クライアント」の意味とは?
「クライアント」は企業以外でも使われる言葉ですが、まずは企業でよく使われる「クライアント」の意味を解説します。会社に入社したての頃、先輩たちが「クライアントが~」などと話をしているのを聞き、なんとなくそのまま真似して使っている人も多いのではないでしょうか。改めて、「クライアント」の正しい意味と使い方を知っておきましょう。
「クライアント」は英語の「client」をカタカナにしたものです。この「クライアント」には、以下のような意味があります。
クライアント
《「クライエント」とも》
1:得意先。顧客。特に広告代理店が広告主をさしていう語。また、弁護士、会計士、建築家が依頼人をさしていうこともある。
2:カウンセリングなどの心理療法を受けに来た人。来談者。
3:コンピューターネットワークにおいて、さまざまな機能を提供するサーバーに対し、その機能やデータを利用する側のコンピューターのこと。家庭でインターネットを利用する際のパソコンなど。また、サーバーが提供する機能やデータを利用するための、ブラウザーなどのソフトウエアのこと。
(小学館 デジタル大辞泉より)
顧客・取引先
一般的なビジネスシーンで最も多く使われるのが、顧客や取引先を意味する「クライアント」です。この「クライアント」には、「自分自身が担当する顧客」の意味や、「取引先の会社」という意味があります。また、「クライアント企業」という使い方もされます。
依頼人
弁護士や税理士、社会保険労務士、司法書士など「士業」と呼ばれる職業では、依頼人、相談者のことを「クライアント」と呼びます。ここでいう依頼人や相談者は、「人」に限らず「企業」という場合もあります。
サービスを受けるソフトウェアやコンピュータ
ITにおける「クライアント」は、サービスを受けるソフトウェアやコンピュータを意味し、上の1と2で説明したものとは種類が異なります。「顧客」「取引先」「依頼人」が、「人」や「企業」であるのに対して、ITにおける「クライアント」は「ソフトウェア」や「サービス」を指します。
例えば、テザリング(スマホなどのデータ通信を利用して、パソコンやタブレット、ゲーム機器などをインターネットに接続すること)を行う場合、手順に沿って進めていくと、「パスワードをクライアントに入力してください」などと画面上で指示される場合があります。
この時に「クライアント」が「顧客」や「取引先」の意味だと思い込むと、「パスワードをクライアントに入力」の意味がわからず困ってしまいますよね。「クライアント」には、「人」や「企業」以外に、「サービスを受ける側のソフトウェア・コンピュータ」という意味があるということを知っていると、ここで躓くことなくすんなりと接続が進むはずです。このように、IT用語としての「クライアント」も、現代では必ず覚えておきたい意味のひとつです。
使い⽅を例⽂でチェック
実際に「クライアント」がビジネスシーンでどのように使われるのか、普段よく使われる場を想定して、チェックしておきましょう。
クライアントからの信頼を得る
弁護士などは、依頼人を弁護・代理するという立場から、「クライアント」の信頼を得ることが非常に重要です。このような場合に「クライアントからの信頼を得る」や、「クライアントと信頼関係を築く」などというように使われます。
クライアントと打合せの予定がある
顧客と打合せの予定がある場合、「クライアントと打合せの予定がある」というフレーズが使えます。例えば、社内会議の日程調整の時などに、「その日程はクライアントとの打ち合わせが入っていまして」というように使います。
クライアント側の設定が上手くいかない
先ほど、IT用語としての「クライアント」の説明をしました。テザリングなどを試みている時に、「クライアント側の設定が上手くいなかい」という場合は、スマホ側ではなく、パソコン側やタブレット側の設定が上手くいかないということを意味します。
「クライアントにパスワードを入力してください」というメッセージはよく見かけるものなので、ITにおけるこの言い回しに慣れておくといいでしょう。
類語や⾔い換え表現にはどのようなものがある?
「クライアント」の類語や言い換えにはどのようなものがあるのでしょうか。先ほど説明した「顧客」、「取引先」以外のものをリストアップしました。