我慢が続く子どものストレスももう限界!
大人はワクチン接種が進み、生活的には窮屈かもしれませんが、気持ち的にほんの少し余裕が出てきたかもしれません。しかし、ワクチン接種ができない0歳〜11歳の子どもたちはどうでしょうか。まさに集団生活を送る世代で、友達との距離も近い時期ですよね。それなのに、「お友達と近づきすぎないで」「マスクは外さず、手をこまめに洗って」「ご飯の時はお話NG」など窮屈な生活が続いています。スクールカウンセラーでもあり、臨床心理士・吉田美智子さんは、「子どものストレス」に警鐘を鳴らします。
子どもに必要なストレス緩和で大切な4つとは?
以前、『コロナ禍で子どもの〝うつ〟が増えている!? スクールカウンセラーが読み解く、子どもたちの現状とは』という記事でも、コロナ禍で見る、子どもたちの心の心配事をお話しました。残念ながら今でも子どもたちの我慢は日常となり、ストレスはさらに蓄積していると考えられます。今回はそんな状況でも、子どものストレスを緩和してあげたいと思い、おうちでもできる4つの解消法をお伝えいたします。
1.発散する
我慢が日常になると、その我慢の手放し方がわからなくなります。
●話す、歌う、大声を出す
●身体を動かす、踊る
●不満を書き出す
●笑ったり、泣いたり、感情も素直に出す(大人もぜひ一緒してみてください)
なかなか気持ちをリリースするのは難しいかもしれませんが、映画やおうちカラオケなどに頼り、親が先導してあげてください。
2.安心できる場所で過ごす
おうちの中で、ホッとできる場所やグッズなどがあると、日常の緊張がほぐれますよね。
●おうちの中に〝お気に入りの場所〟 を作る。クローゼットの中や机の下など隠れ場所的なものがあると、心を落ち着かせることができます。
●肌触りのよいものを触る・くるまる。毛布やタオルケット、ぬいぐるみなどはお気に入りを揃えるといいですね。
●親に甘える、一緒に過ごす、ぎゅっとしてもらうなども効果的です。
3.つらさを忘れられる時間を持つ
何かに没頭している時って、不安やストレスを感じづらいと思います。それは大人も子どもも同じ。
●音楽を聴く、ゲームをする、YouTubeを見る、漫画を読む
親にとっては控えて欲しいなと思うことかもしれませんが、子どもにとっては大事なストレスフリータイムになるのです。【悪】と思うか【ストレスフリータイム】と思うかで、子どものお楽しみ時間の見方も変わってくるのではないでしょうか。
4.親も一緒にできるリラックス法をとりいれる
ゲームがストレスフリー時間と理解しつつも、さすがにそればっかりには頼れません。デジタル以外のリラックス方法もご紹介します。ぜひ親子で楽しみながらしてみてください。
●温かい飲み物を一緒にふーふーしながら飲む。深い呼吸ができ、自律神経も整えられるのでこれからの時期オススメです。
●マッサージをする。子どもにしてあげてもいいし、セルフマッサージを教えてあげてもOK。
●子どもは香りに敏感です。お気に入りキャンドルやバスソルトを見つけて、一緒にリラックスタイムを過ごしてみましょう。
最後に
人間にとって、一番大切なのは【生理的欲求】に続いて【安心・安全】と言われています(マズローの欲求5段階説)。【安心・安全】が確保されなければ、勉強する、頑張る、というのは難しいということを、大人は理解する必要があります。上記を参考に、おうちでは不安やストレスから解放・発散できるよう工夫をしてみてください。
画像/(C)Shutterstock.com
取材・文/福島孝代
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臨床心理士
吉田美智子
東京・青山のカウンセリングルーム「はこにわサロン東京」主宰。自分らしく生きる、働く、子育てするを応援中。オンラインや電話でのご相談も受け付けております。
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