お宮参りとは?
お宮参りは大切な子どもの成長祈願の行事ですが、第一子の場合、お宮参りに何を持って行くのかわからない人も多いのではないでしょうか。
まずはお宮参りの基礎知識について解説します。お宮参りに行く時期も参考にして、持ち物も考えましょう。
赤ちゃんの健やかな成長を願う行事
お宮参りとは、生まれた土地の神様に、赤ちゃんが無事に誕生したことを報告する伝統的な行事です。このとき、「氏神様」(氏神様は各地域の守り神で、現在は「産土神(うぶすながみ)」、「鎮守様(ちんじゅさま)」とほぼ同じとみなされています)と呼ばれる神様にお参りするのが慣例となっており、氏神様に赤ちゃんの誕生を報告して氏子として認めてもらい、無事に成長することを祈願します。
また、ほとんどの赤ちゃんとママは、産後初めて正装で出かけることになります。衣装や赤ちゃんのお出かけグッズなど、なにかと準備するものが多いので、事前の入念な準備が当日バタバタしないためのポイントといえます。
お宮参りは生後1カ月ごろに行うのが目安
古くからの習わしとして、お宮参りはおよそ生後1か月ごろに行うのが目安とされています。赤ちゃんが生まれた日を1日目として数えて、下記のスケジュールで神社に足を運ぶのが慣例です。
●男の子…生後31日目~32日目
●女の子…生後32日目~33日目
現在は、ここまで厳密にスケジュールを守る家庭は少なくなっています。気候や赤ちゃんとママの体調を考慮し、生後1~3か月ごろの間に行われるのが一般的です。
また、生後100日ごろに行う「お食い初め(百日〈ももか〉祝い」と一緒にお宮参りをする家庭も増えています。
お宮参りの持ち物は?
お宮参りの持ち物は、大きく分けて「赤ちゃんのお出かけセット」と「お宮参りグッズ」に分けられます。持ち物が多く混乱しやすいので、それぞれ分けて考えるのがおすすめです。
赤ちゃんも快適に過ごせるお出かけセット
まずは、赤ちゃんのお出かけセットから解説していきます。
●移動に必要なグッズ
└抱っこ紐(スリング)
└ベビーカー
└チャイルドシート(自家用車で向かう場合)
●赤ちゃんの授乳グッズ
└母乳の場合・・・授乳ケープ、母乳パッド
└ミルクの場合・・・哺乳瓶、お湯、粉ミルク
●おむつ替えグッズ
└おしりふき、おむつ、ビニール袋、おむつ替えシート
●お出かけグッズ
└着替え、タオル、汚れもの用ビニール袋
└ブランケット
└おもちゃ
└カメラ
└両親の水分
生まれてきた赤ちゃんにとって、はじめて長時間外出する行事という場合もあるでしょう。スケジュールが延びたり、家族でレストランへ食事に行ったりすることを考慮して、おむつや着替えは予想よりも多めに準備しておくと安心です。
現地でおむつ交換・着替えの場所があるかなど、事前に確認もしておきましょう。
次に、お宮参りグッズです。
●お宮参りグッズ
└初穂料
└筆ペン
└祝い着
神社に納める初穂料の相場と包み方
お宮参りの際に神社にお礼として払うお金を「初穂料」といいます。
初穂料の相場は5000~1万円ほど。あらかじめ神社によって初穂料の金額が決められている場合もあるため、事前にホームページや電話で確認しましょう。
また、初穂料は水引きが「紅白蝶結び」になっている熨斗(のし)袋にお金を入れるのがマナーです。紅白蝶結びは結び直しができることから、「何度繰り返してもよいお祝い事やお礼」をする際に使われます。
熨斗袋の一般的な書き方は下記のとおりです。
●外袋の上段には「初穂料」、下段には「赤ちゃんのフルネーム」
●中袋の表には、中に入っている金額を漢数字で記載
(例)初穂料五千円の場合:伍阡円
●中袋の裏には、「赤ちゃんのフルネーム」と「住所」
初穂料は、神社内の社務所にて受付を済ませた後に渡します。筆ペンを準備しておくと、当日に書き忘れがあっても安心です。
赤ちゃんの祝い着は購入?レンタル?
近年は、祝い着セットの購入・レンタルどちらでも自由に選択ができるようになりました。
祝い着を購入するメリットは、柄の種類が豊富でほかの人とかぶりにくい点です。七五三のお祝いなど、長く使えるのも魅力の一つ。しかし、安くても3~5万円ほどの費用がかかり、クリーニングに出して保管する必要があります。
一方、祝い着をレンタルするメリットは、写真撮影とセットになっている場合が多いことから、価格を安く抑えられる点です。手入れの必要もないため、「その場で手軽に着せたい」という人にぴったりです。
レンタルは柄の選択肢が少ない可能性があり、ほかの人と被る場合も。赤ちゃん主体のイベントなので、体調の変化でキャンセルになるケースも珍しくなく、キャンセル料が発生してしまうことも考えられます。
それぞれのメリット・デメリットをしっかり踏まえて選択しましょう。
あると便利!季節に合わせた便利グッズ
春~夏、秋~冬それぞれの季節に合わせた持ち物の一覧をまとめています。下記の持ち物リストがあれば、当日「あれも準備しておけばよかった!」と思うことがなくなるでしょう。
【春~夏】防暑と冷房対策を意識して
暑い時期は、暑さ対策と冷房対策の両方を意識しましょう。スケジュールが延びることを考慮し、水分は多めに持って行くのがおすすめです。
●日よけグッズ
└帽子、日傘
●暑さ対策グッズ
└ハンディー扇風機、冷感マット
●冷房対策
└カーディガン、ブランケット
【秋~冬】防寒グッズを持っていこう
冬の境内や建物内は冷えるため、しっかり防寒しましょう。暖房が効いていることを想定して、体温調節しやすい服装で行くのがおすすめです。
●防寒グッズ
└上着、靴下、ブランケット
└ホッカイロ
思い出に残るお宮参りにしよう
お宮参りは、生まれてきた赤ちゃんが初めて経験するおでかけ行事。祝い着や、初穂料、赤ちゃんとのお出かけ準備など、なにかと持ち物が多くて大変ですが、しっかり準備して思い出に残るお宮参りにしましょう。
季節の行事を親子でいっしょに学べる絵本形式の実用書です。ものごとの由来やしきたり、遊び方、箸の持ち方、衣服のたたみ方など、行事を子育てに役立てるコツを豊富なイラストで楽しく紹介。文化と愛情を伝える「行事育」が手軽に実践できます。
監修/和文化研究家
三浦康子
古を紐解きながら今の暮らしを楽しむ方法をテレビ、ラジオ、新聞、雑誌、Web、講演などで提案しており、「行事育」提唱者としても注目されている。連載、レギュラー多数。All About「暮らしの歳時記」、私の根っこプロジェクト「暮らし歳時記」などを立ち上げ、大学で教鞭もとっている。著書『子どもに伝えたい 春夏秋冬 和の行事を楽しむ絵本』(永岡書店)ほか多数。