3歳から5歳までの時期がピアノ(音楽)のはじめどき!
子供にピアノなどの音楽を習わせたいと思っている方が多いですが、みなさんにお話をうかがうと、「あまりに小さいころからはじめても効果がないのでは?」「逆に大きくなりすぎると上達しにくい?」など、何歳からはじめればいいのか迷っている方が多いようです。そこでまず、音楽のはじめどきについて、ヤマハ音楽振興会の宮田智種さんに聞きました。
「ピアノなどの音楽は、豊かな感性が芽生えはじめる3歳から、音楽的な聴感覚が大きく伸びる5歳までの時期がはじめどきです」(宮田さん 以下同)
「特に、人間の聴覚がもっとも発達するのは、4・5歳のころ。この時期にたくさんの音楽を聴き、歌い、弾く体験を重ねること、“こころ”と“からだ”で、まるごと音楽に向き合うことで、音楽のさまざまな表情やニュアンスを聴きわける耳が育まれます」
「音感」を身につけるには何歳から始めるといいの?
せっかく音楽を習うなら、絶対音感を身につけさせたいという声も多いですが、そのためにはより早い時期から習いはじめたほうがいいのでしょうか?
「幼児期の心身の発達に合わせて、その時期に最適な音楽体験をバランスよく積み重ねることで、音感(ドレミ、拍子、リズム、強弱、調など、音楽を形づくるさまざまな要素を聴きとる力で音楽の基礎となる力)が身につきます。そのため、5歳までにはじめるのが効果的だといわれています」
音楽を習うことで言語能力もアップする!?
音楽を習うことで、どんな能力が身につくかも気になるところ! 「ピアノを弾けるようになる」以外のメリットもあるのでしょうか?
「音楽の習い事をはじめる時期にもよりますが、脳の聴覚野が最も発達する幼児期から始めた場合、さまざまな音楽的な能力が獲得しやすいといわれています。音楽的な能力とは、特に音を聴いて脳がそれを直接理解する『絶対音感』と言われる能力、リズムを知覚したり、ピッチを感じたり、いろいろなハーモニーを感じる力のことで、特に4歳・5歳といった幼児期に発達する能力です。
ただし、こういった能力を獲得するためには『ピアノを弾く』ことだけを習うのではなく、音楽を『聴く』『歌う』『弾く』という体験をバランスよく積み重ねていくことが必要。幼児期には、『感覚と運動をつなぐトレーニング』がとても大切だからです。
また、言葉をつかさどる脳の一部分(言語野)は音楽情報も処理しており、幼児期から音楽を習った子どもは、言語習得・認識能力も同時に鍛えられているためリスニング能力が発達し、将来的に多言語が話せるようになるなど、言語能力もアップするという研究結果もあります」(ヤマハ音楽教室紹介動画「一生ものの音楽力」より引用)
一見、音楽とは無関係のように思える言語能力の発達にも影響が出るなんて、驚き! 他にも、IQやEQといった知能の発達が促進されることもわかっているそうです。
まずは「耳」を育てることからスタート
ヤマハ音楽教室では、「弾く」前に「聴く」レッスンを行っているそうですね。「幼児期は『聴く力』が最も発達する時期なので、ヤマハのレッスンは『耳』を育てるところからスタートします。ドレミ・拍子・リズム・音の強弱・ハーモニーなど、音楽の要素をきちんと聴き分けて味わう力=音感を育みます。伸びる時期を逃さずに確かな『聴く力』を養い、演奏表現力の素地づくりをしています」
まずは「子供が楽しむこと」を目的に開始するのが習い事。ですからそのスタートに「遅すぎる」と焦ることはありませんが、「聴く力」が最も発達する幼少期に音楽をはじめると、さまざまなメリットがあるようです。次回は、幼少期におすすめの楽器や、習い事を長く続けるコツなどをうかがいます!
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