こんにちは、editor_kaoです。
今ちょっとの期間だけの話ですが、いわゆるプチプラブランドといわれているショップに、あえて行かないようにしています。ただ厳密に言うと、プチプラの連載コラムをもっているので、まったく行っていないわけではなく。プライベートで、という意味ですね。
気づけば「全身プチプラ」の毎日に……
理由はふたつあって、ひとつは「頼りすぎていた」から。少し前まで引っ越しで荷物の移動や掃除の日々を送っていたため、ラク&気をつかわない着こなしを優先していました。すると、いつのまにか全身プチプラに。さらにここ最近の寒波もあり、厚手のタートルニットと裏地がボアになったスウェットパンツが自分的最強コーディネートだったんですが、それぞれ3色ずつもっているため(だってプチプラだから)、それだけを延々ループするような状態になっていたんです。現状がこんな感じなのに、またショップに行ったら、さらに新しい色が欲しくなっちゃうかも。引っ越しでワードローブを整理したばかりなのに、ダメダメ! 落ち着け! って、自分に言い聞かせています。
ファッションの基準がわからなくなっていた危機感
もうひとつの理由は「プチプラブランドのクオリティが高すぎるから」です。何が悪いの?と、思われるかもしれませんが、ファッションブランドの本来のクオリティや価格が麻痺してしまい、基準がわからなくなってきていると思う部分があって。
というのは、先日、ひさしぶりにハイブランドのタイアップページを担当したのですが、シンプルだけど、上質な素材を贅沢に使用している服に実際に触れて、「こういうラグジュアリーな世界もあるんだ」と、改めて感じました。アウターで60万円オーバーだったので(春夏なのに!)、ちょっとリアルクローズとは言い難い感じでしたが、とてもシンプルなデザインでしたし、プチプラブランドなら1万7、8千円で買えそうな気がします。じゃあ私はいったい、どのブランドで、どれくらいの価格帯のものを選ぶのが正しいの? それがきちんと見極められるようでいないと……そんな危機感を、切実に感じました。
いや、以前はもう少し、わかっていたような気がする。ただ、プチプラブランドの企業努力も凄まじくて。だから私自身がもう少し、ハイブランドからミドルブランド、プチプラまで、いろんな服をたくさん見る訓練を、し直したほうがいいなと思ったんです。それぞれの魅力を理解し、どんなシーンで必要としているのか、週にどのくらい活躍させるのかなど、個人的な事情も踏まえて、最終的にどれを選ぶか判断しないと、「いいプチプラアイテム」すらも、わからなくなってしまいそうです。
目指すのは、最先端のトレンドではなく“気負わないおしゃれ”
正直、トレンドを汲んだ旬のスタイルって、今の時代はプチプラでいくらでも実現可能です。でも、いい大人ですし「いかにも最先端な着こなし」がしたいわけでもない。「ベーシックだけど、なんだか素敵」くらいの、気負わないテンションのおしゃれが理想なのですが。
さっきの自分的最強コーディネート「厚手のタートルニットとボアスウェットパンツ」も、そのひとつ。でも「たまたま全身プチプラだけど、それで満足」ならOKですが、なんとなく着ちゃってるなら、同じ組み合わせでも幅広いブランドで試して、突き詰めるべきなんですよね。その判断が今の私は、鈍っている気がするんです。とにかく、もう一度いろんなブランドをパトロールして、修行し直してきます!
【今日のひと手間】
冒頭で、プチプラを避けていると明言したものの、「買い足しはNGだけど、買い替えはOK!」とルールは緩め。長年愛用している”ユニクロ”の「エクストラファインメリノクルーネックセーター」を、先日買い直しました。ずっとメンズのS(左)を着ていたのですが、今はもう少しリラックスした気持ちで着たくなり、L(右)をセレクト。これは「なんとなく」では着ていない、満足度の高い名品です! おすすめ!
エディター
editor_kao
大人の実用ファッションを中心に、人物インタビューや日本の伝統文化など、ジャンルレスで雑誌やブランドサイト、ウエブマガジンで活動中。また、インスタグラム@editor_kaoでは、私服コーディネートを紹介するかたわら、さまざまなブランドや百貨店とのコラボレーションも手がけている。ライフスタイルWEBメディアkufura(クフラ)でも「4ケタアイテムで叶えるオシャレ」を連載中。
イラスト/柿崎こうこ