「恋愛離れ」とは
一時、メディアでは「恋愛離れ」が騒がれていましたが、果たして本当にそうなのでしょうか? 身の周りの友人は「恋人がいる人や既婚者がほとんど」という方もいれば、「独身で恋人がいない友人の方が多い」という方もいるでしょう。
「恋愛離れ」とは、「恋愛することに重きを置かない」や「恋人が欲しいと思わない」ことを意味する言葉で、主に若者に対して使用されている言葉です。
令和4年(2022)の内閣府の調査では、20代の女性の約5割、男性の約7割が「未婚もしくは恋人がいない」との結果が出ました。しかし、この結果は「若者は恋愛に全く興味がない」ということとはまた違うでしょう。現に、恋愛リアリティー番組やカップルインスタグラマーなどは人気が高いコンテンツの一つですよね。
恋愛することを拒んでいるわけではないけれど、自分の仕事や趣味を犠牲にしてまで優先したいことではない。恋愛は、多様化が認められつつある今の時代の「あくまで選択肢の一つ」であるのかもしれません。
「恋愛離れ」の原因
ネットで「恋愛離れ」と調べると、「恋愛離れ 男のせい」や「恋愛離れ 女のせい」などの検索キーワードが出てきます。恋愛離れを一概に「何かのせい」とは断定できません。しかし「恋愛離れ」は、個人個人が人の目を気にするのではなく、「本当に自分が好きなもの」を大切にするようになった結果といえるのかもしれませんね。
ここでは、最近の「恋愛離れ」に結びついてると思われる原因を3つ紹介します。
1:人に合わせるのが面倒くさい
人によっては、恋愛することは「相手との連絡やデートの予定調整などを優先し、自分のやりたいことを犠牲にしなければいけないこと」と感じている方もいるようです。
また、デートやイベントごとのプレゼントなども何かとお金がかかるのもの。それならば、自分の趣味にお金をかけて、一人で好きなように暮らしたいと思う方もいらっしゃるでしょう。自分に余裕がなければ時間的にも金銭的にも、人に合わせて行動することが億劫に感じるのは自然なことかもしれませんね。
2:娯楽が充実している
今はエンターテインメントが豊富な時代なので、恋愛をしていなくても人生を楽しむことができます。休みの日に動画の視聴や自らも配信したり、好きな芸能人や映画、キャラクターや食べ物までとことん自分の好きなものを追及する「推し活」など、遊びのコンテンツが充実していることが恋愛離れを加速させている印象です。
満足度を得られる娯楽が多いことで、結果として恋人がいなくても寂しいと感じることは少なく、恋愛に価値を見出せない人が多くなってきたのかもしれませんね。
3:仕事が充実して忙しい
日々仕事に追われていると、なかなか恋愛する余裕がない心理状態になります。新たな出会いを求めたり、マメに連絡を取り合ったり、次はどこへデートに行こうかなど考えるのは何かとエネルギーがいりますよね。
多忙な状態が続いていると、少しでも体を休ませたくなるものです。恋愛は精神的に余裕がある時にするものと言えるかもしれませんね。
一人行動の充実化が「恋愛離れ」を加速させている?
以前は、「恋人がいないことは恥ずかしい」だったり、「イベントを恋人と共に過ごすのがステータス」というような風潮があったように感じます。しかし、今は一人行動の選択肢が充実しつつあり、恋愛に頼らなくても満足感が得られる時代です。
ここでは、「恋愛離れ」を加速させていると思われるポイントを紹介します。
1:企業も一人行動を後押し
今はクリスマスに一人で過ごす「クリぼっち」のような言葉も生まれました。一人で行動する人が増えた結果かもしれませんが、企業が一人の方向けの商品開発などに力を入れて、「一人行動」の範囲はより加速している印象です。
昔はなかなか女性一人で行きにくかった「カラオケ」や「焼肉」なども、一人専用の部屋や席が取り入れられたことで随分と行きやすくなりました。世間的にも、一人で楽しむことは決して恥ずかしいことではなく、むしろ「一人でも娯楽を楽しむことができる」と前向きに一人行動を捉えている方が大多数ではないでしょうか?
2:SNSで繋がりが持てる
今は家に一人でいても、手軽にSNSで誰かと繋がることができる時代です。それ故、一人でいても一人ではないような感覚がどこかにある方も多いのではないでしょうか。現実にパートナーがいなくても、ネット上に自分の居場所があればそこまで強く孤独感を感じることもないでしょう。
最近の恋愛事情
「恋愛離れ」が進んでいたとしても、出会いの手段の選択肢は増えています。少し前までは出会いの手段といえば、「友人の紹介」や「合コン」、「街コン」のような「対面での出会い」が主流でした。現在は、SNSの普及に伴い「アプリ」や「オフ会(ネット上だけの知り合い同士が現実で集まること)」のように、出会いの手段も変化してきているようです。
ここでは、マッチングアプリの出会いについて、見ていきましょう。
マッチングアプリでの出会いは増加傾向
マッチングアプリでの出会いに親しみがない方にとっては、危険なイメージが強かった以前の「出会い系サイト」のようなものをイメージされているかもしれません。しかし、今のアプリは比較的一般的な人が多く利用しているので、中にはマッチングアプリで出会って結婚まで至るカップルも多いようです。
ただし、マッチングアプリでの出会いはメリットとデメリットがあります。それらを理解した上で、一歩踏み出すきっかけとして利用するのもいいかもしれませんね。次の項目ではメリットとデメリットについて、考えてみます。
マッチングアプリのメリット
マッチングアプリのメリットとしては以下のようなことが考えられます。
・効率よく相手を探すことができる
・女性の場合、登録にお金がかからないところが多い
・相手の知りたい情報を知った上で、相手を厳選できる
家にいながら手軽に始めることができるのも、アプリでの恋活の魅力ですね。
マッチングアプリのデメリット
一方、マッチングアプリのデメリットとしては以下のようなことが考えられます。
・相手が経歴を詐称している可能性がある
・遊び目的の人もいる
残念ながら、マッチングアプリの中には悪い人もいます。中には独身と偽り、既婚者が遊び目的で登録していることも。稀にですが、マルチや宗教の勧誘のために利用している方もいるので、相手をよく見極め慎重に進めていくことが大切ですね。
最後に
「今は、自分に恋愛は必要ない」と考えている方でも、その気持ちを超えてくるような人と出会うことができれば、恋愛に繋がっていくでしょう。
「恋愛離れ」は時代の流れであり、よいのか悪いのか判断は人それぞれです。しかし、よい出会いがあれば人生は更に華やかになるかもしれません。無理することなく、自然体で恋愛することができればそれは大変幸せなことですね。
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