【目次】
・落ち込む人を励ましたい 最適な言葉とは?
・ビジネス、仕事で落ち込んでいる人に
・恋愛で悩んでいる人に
・勉強を頑張っている人に
・これは逆効果?励ますときの注意点
落ち込む人を励ましたい 最適な言葉とは?
失敗したとき、ものごとが思うようにいかないとき、気分が沈んでしまうのは、だれにでもあること。それが他人から見てもわかるほどの落ち込みだったら…。さて、どんな励ましの言葉が適しているのでしょう。状況に合った励ましの言葉選びについて考えてみましょう。
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こんなときは励ましの言葉をかけよう
仕事においては、自分のミスで落ち込むこともあれば、アクシデントに巻き込まれることも。同僚や夫が上司や取引先に迷惑をかけて自信を失ったときは、励ましの言葉をかけるタイミングです。
恋愛も好きな人にふられたり、恋人や配偶者とケンカをしたりして、思いどおりにいかないことがしばしば。想いが伝わらないことに涙する人には励ましの言葉をかけましょう。
毎日勉強をがんばる人へのエールとしても、励ましの言葉は有効です。焦りや疲れでめげそうなときも、前向きな気持ちにさせてくれます。
励ますときのポイント
よかれと思ってかけた言葉でも、相手の状況によっては余計に気分が沈んでしまう恐れがあるのは、多くの人が感じていることではないでしょうか。 「自分が話す内容ではなく、相手の話をどのように聞くかが重要です」と話すのは、精神科医・浦島佳代子先生。
「落ち込んでいる相手の話の内容を聞きながら、時折反復することは、『相手の話を聞いているよ』というサインになります。『○○と言われて、とても辛い気持ちになったんだね』というように。相手が話した内容に加えて、そのときどう感じたかも確認すると、さらにいいと思います」(浦島佳代子先生)
ビジネス、仕事で落ち込んでいる人に
努力が報われず自信を失ってしまったり、プレッシャーに押しつぶされそうになったりすることも、仕事をしていれば誰もが経験すること。相手の性格や状況に応じて、勇気づける言葉や前向きになれる言葉をかけて、次に進む力を引き出すことができたら、お互いハッピー!

気持ちを勇気づける言葉
大きな壁にぶつかって、自信を失ってしまうこともあります。「自分が成長するための試練」と思って乗り越えられるように、心をふるい立たせる言葉をかけましょう。
●いつもかげで努力しているの見てるよ。
●がんばった自分を褒めてあげようよ。
●今がどん底なら、あとは上がるだけだよ。
なかには、プレッシャーに弱い人や周りが見えなくなっている人もいます。そんな相手には背中を押す言葉よりも、心が温まるような言葉がベターです。
●がんばりすぎてない?無理しないでね。
●私は○○さんの味方だよ。
●何かあったらいつでも相談してね。
「つい使いがちな『頑張って』は、頑張りすぎて疲れ果てている人、頑張りたくても頑張れない、心のエネルギーが足りない人には、不向きです。『休んでもいいんだよ』というメッセージを伝えるのがいいでしょう」(浦島佳代子先生)

前向きになれる言葉
仕事をしていると、大きなプロジェクトを任されたり、新しいことに挑戦したりして、不安になることが多々あります。ミスをして「自分はできない人間だ」「また失敗してしまうかも…」と弱気になるのもよくある話です。ネガティブ思考に陥っている人には安心感を与える言葉をかけて、自信や前向きな気持ちを取り戻してもらいましょう。
●あなたならできる!
●大丈夫、うまくいくよ。
●なるようになるよ。
●気持ちを切り替えて次に進もう!
そのほか、精神科医・浦島佳代子先生が落ち込んでいる患者さんに対して使うフレーズには、「チャレンジしている証拠ですよ。勇気がある人にしかできないことです」「その失敗から何か学ぶことができればそれは失敗ではありません。成長している過程です」などがあるそう。ビジネスシーンでも活用できそうですね。
恋愛で悩んでいる人に
恋愛の悩みを抱えているときは、心がモヤモヤするだけでなく孤独に押しつぶされそうになります。相手の気持ちに理解を示したり、力になりたいことを伝えたりして、安心してもらうのがよさそう。

寄り添い、サポートする言葉
恋愛の悩みも人それぞれです。周囲から見たら重大なことではなくても、本人は苦しい思いをしています。「いつまでもクヨクヨしないで!」と突き放さず、相手の気持ちに寄り添う姿勢を見せましょう。周りが見えなくなっている人も、第三者に自分の気持ちを理解してもらうことで、冷静さを取り戻すこともあります。
●それはつらかっただろうね。
●よくがんばったね。
「力になりたい」という気持ちをストレートに伝えるのもありです。
●私がついてるからね!
●私にできることがあったら言ってね。

話を「聴こう」とする姿勢や言葉
「相づちも大切なボディランゲージですし、(前述のとおり)相手の気持ちや話の内容を確認することも大事なこと」と浦島先生。
●何かあった?
●私でよかったら何でも聴くよ。
悩みを言葉にすることは、気持ちを整理することにもつながります。話を聴いてもらったことでスッキリして、自己解決するケースも少なくありません。悩みを打ち明けるのに抵抗がある人でも「気にかけてくれる人がいる」と安心して、心が軽くなることもあります。
勉強を頑張っている人に
勉強は自分自身との闘いです。覚えることや理解することに苦戦する日もあれば、努力が報われるか不安になる日もあります。勉強のことで悩んでいる人を励ましたいときには、モチベーションがアップするような言葉でエールを送ってはいかがでしょうか。

これまでの努力を褒める言葉
マイナスの感情をプラスに変えるためにも、今までの努力を褒める言葉をかけて、不安でいっぱいの心を勇気づけましょう。
●これだけがんばっていれば大丈夫だよ!
●いつもがんばってるの知ってるよ。
努力を褒めることは、勉強に対するやる気がアップし、楽しみを見出すことにもつながります。努力した分だけ自信もついて、おそれずに挑戦する力が引き出されます。

尊敬、応援していることを伝える言葉
努力する姿に、尊敬の念を抱いている人もいるかもしれません。本人にとってはあたり前のようにがんばっていることでも、尊敬されていることを知るとうれしくなり、モチベーションも高まります。
●夢に向かってがんばる○○さんのこと尊敬してるよ。
●どんなに忙しくても毎日勉強しててえらいね。
応援の言葉を贈ることも、励ますことにつながります。
●かげながらいつも応援してるよ。
●合格したらおいしいものでも食べに行こう!
日々の努力や成長を見守ってくれる人がいると思うと、一気に心強くなるものです。
これは逆効果?励ますときの注意点
言ってはいけない言葉とは?
精神科医・浦島佳代子先生によると、「『頑張って』という言葉は、ひどく落ち込んでいる人にはかけないほうが無難だと思います。また、悩みが深ければ深いほど、(本人が)言葉にできないこともあります。そんなときは無理やり話を聞き出そうとせず、『話したくなったら、いつでも話してね』などの言葉を添えて、『あなたのことは見守っている。ちゃんと側にいるよ』という気持ちを視線やボディランゲージも用いて伝えるといいでしょう」
やってはいけない行動とは?
「そのペースで間に合うの?」「浮気されているんじゃないの?」など、心配していることをそのまま口に出さないようにしたいもの。現実を突きつけられてプレッシャーを感じたり、自分自身を責めたりする原因になりそうです。
「私のときはもっとつらかった」「私はこうやって解決した」と、自分の体験談を引き合いに出すのもやめておいたほうが無難です。相談に乗っていたはずが「自分語り」が止まらなくなり、相手は「自慢話を聞かされても…」とガッカリします。励ましたいときは相手の気持ちを思いやって言葉を選び、自己満足な対応にならないように心がけましょう。
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写真/(C)Shutterstock.com

精神科医
浦島佳代子(うらしま かよこ)
精神科医、医学博士
1977年京都府生まれ。その後、岐阜県の清流でのびのびと育つ。長崎大学医学部卒業。現在は長崎大学病院精神科に所属。