【目次】
・「お疲れ様です」の意味と使い方をチェック
・「お疲れ様です」は目上の人に使ってもいい?
・目上の人に「お疲れ様です」を使う事例をご紹介
・目上の人に対する「お疲れ様です」の言い換え表現
・「ご苦労様です」は似て非なるもの!
・「お疲れ様です」を外国語で表現しよう
・目上の人にも上手に「お疲れ様です」を使えるようになろう
【目次】
「お疲れ様です」の意味と使い方をチェック
「お疲れ様です」は、ねぎらいの言葉です。仕事中や仕事を終えた人に、労をねぎらう意味で「お疲れ様です」と声をかけるのが本来の使い方。先輩や上司が、部下に言う際には「お疲れ様」と略されることもあります。
現代では、仕事の労をねぎらうのは別の意味で、挨拶表現としての「お疲れ様です」もありますね。廊下で同僚とすれ違うときや、退社のとき、メール冒頭の挨拶文などに「お疲れ様です」と挨拶している人も多いでしょう。「こんにちは」「おはようございます」などの文言と違って時間の制約がなく、よりビジネスライクな印象なのでとても便利です。
「お疲れ様です」は目上の人に使ってもいい?
万能フレーズのように見える「お疲れ様です」ですが、目上の人や社外の人に対して使うのは失礼にはあたらないのでしょうか?ひとつずつチェックしていきましょう。
<目上の人に使ってもOK>
「お疲れ様です」は、目上の人に使ってもOKな表現です。秘書検定においても、上司に「お疲れ様です」を使うのは可としています。もうちょっと丁寧にしたいなと思った場合は「お疲れ様でございます」とすると、さらに心のこもった印象になるでしょう。
<取引先など外部の人に使うのはNG>
取引先など社外の人に「お疲れ様です」を、使っている人はいませんか?実はこれはNGなのです。「お疲れ様です」を使ってOKなのは社内の人、いわば身内の場合。社外の人に対しては、ねぎらいの意味が含まれる「お疲れ様です」を使うのは失礼にあたると判断する人もいます。
電話やメールの冒頭での挨拶としての「お疲れ様です」は、「いつもお世話になっております」という言葉に置き換えるとよいでしょう。プロジェクトが終わったなどでねぎらいの言葉をかけたい場合は「お疲れ様でした」ではなく、「先日はありがとうございました」とすると、当たり障りがありません。
目上の人に「お疲れ様です」を使う事例をご紹介
実際のビジネスシーンでは、どのように「お疲れ様です」を使うのが正しいのでしょうか。目上の人が相手の場合を中心に、「お疲れ様です」を使う例文を見ていきましょう。
■挨拶の代わりに「お疲れ様です」を使う
社内での使い方の代表格は、挨拶の「こんにちは」の代わりに「お疲れ様です」と言う場合です。廊下ですれ違うときなどに、はきはきと声をかけましょう。
例)あなた:お疲れ様です。
上司:やあ、お疲れさん!
また、なにか用事があって上司に声をかける際の一言目にも便利なフレーズです。
例)あなた:〇〇部長、お疲れ様です。(書類をもって側へ行く)
上司:お疲れ様、どうしたの?
■メールや電話の冒頭の定型句として使う
社内での、メールや連絡ツールの冒頭の挨拶の定型句にも便利な「お疲れ様です」。部下や同僚、上司など、社内であれば誰にでも使うことができます。
例)〇〇部長
お疲れ様です。広報課の〇〇です。△△の件をご報告いたします。
電話での挨拶も、オフィスシーンに似つかわしいのは「こんにちは」よりも「お疲れ様です」でしょう。
例)あなた:お疲れ様です。広報課の〇〇です。
上司:お疲れ様。
目上の人に対する「お疲れ様です」の言い換え表現
いくら便利なフレーズとはいえ、毎度同じ言葉で声をかけるのもやや芸がない印象です。この章では、「お疲れ様です」の言い換え表現をご紹介します。豊かな表現力で人間関係をスムーズにしましょう。
■仕事の途中で声をかけるときに使える表現
仕事の途中で用事があって声をかけるとき「お疲れ様です」だけでは、意図が伝わらないことも。そんなときは「いまお時間少々よろしいでしょうか」と言うことができると、とても凛とした印象です。
例)あなた:いま少々お時間よろしいでしょうか。
上司:はい、いいですよ。どうしたの。
■上司より先に退社するシーンで使える表現
同僚や上司がオフィスに残っていて、先に退勤する場合もありますよね。ちょっと気が引けるときでも、「お疲れ様です」だけではなく、一言「お先に失礼いたします」と明るく添えると好印象です。
例)あなた:お疲れ様です。お先に失礼いたします。
上司:お疲れ様、気を付けて。
■敬意や感謝を伝える場合に使える表現
打ち合わせやミーティングのあとは、「本日はありがとうございました」と時間を割いてくれたことに感謝するのも素敵な言い回しです。これは「お疲れ様でした」が使えない社外の人との商談の最後にも使えます。
例)あなた:以上です。本日はありがとうございました。
クライアント:こちらこそ、ありがとうございました。
「ご苦労様です」は似て非なるもの!
「お疲れ様です」に似た言葉といえば、「ご苦労様です」が思い浮かびますね。いずれもねぎらいの言葉ではあるのですが、使い分けが必要です。「ご苦労様です」の意味や、使える相手をチェックしていきましょう。
■「ご苦労様です」は目上の人に使うのはNG
「ご苦労様です」は、目上の人が目下の人をねぎらう言葉です。ですから、上司に向かって「ご苦労様です」と言うのはNG表現。もちろん、社外の人へ使うこともできません。また「お疲れ様です」とは違い、挨拶の代わりとして使うこともほとんどないでしょう。
ビジネスでは、部下をねぎらうときにのみ使える言葉だと覚えておきましょう。
例)あなた:依頼されていた資料が出来上がりました。
上司:ありがとう、ご苦労様。
「お疲れ様です」を外国語で表現しよう
オンラインで海外の人とも仕事をすることが増えた現在、「『お疲れ様です』って外国語で言えたらいいのにな」と思うことはありませんか。今まで見てきたように、日本語の「お疲れ様です」は非常に多様な意味をもったマルチに使える言葉。外国語では、どう表現するのでしょうか。
【英語】では「Hope you are doing well」
相手が疲れていることを想定してねぎらう「お疲れ様です」は、「You must be tired.」。「疲れたでしょう、お疲れ様」のようなニュアンスがあるので、知り合いにのみ使います。同僚だけでなく、上司にも使える言い回しです。
一方、ビジネスメールなどでの最初の挨拶は「Hope you are doing well.」がいいでしょう。意味は「お元気だといいのですが」といったところですが、「お疲れ様です」のニュアンスで使えるフレーズです。
【韓国語】では「スゴハセヨ」
韓国語での「お疲れ様です」は、「スゴハセヨ」。「スゴ」が「苦労」、「ハセヨ」が「~ですね」の意味です。「お疲れ様でした」と言いたいときは、過去形にして「スゴヘッソヨ」と言います。
先に退勤する人が「スゴハセヨ(お疲れ様です)」と声をかけ、残っている人は「スゴヘッソヨ(お疲れ様でした)」と答えるあたりは、とても日本と似ていますね。
どちらも年上に使っても違和感のない言葉ですが、初対面の人などより丁寧に言うには「スゴハシムニダ」(お疲れ様でございます)が良いかもしれません。
【中国語】では「シンクーラ」
中国語では、ねぎらいの意味の「お疲れ様です」は「辛苦了(シンクーラ)」。同僚や部下に使うのはかまいませんが、上司に言うと上から目線な印象で失礼にあたります。上司には、敬語の「您(ニン)」をつけて「您辛苦了(ニンシンクーラ)」とすると良いでしょう。
挨拶としての「お疲れ様です」には「シンクーラ」は使いません。退勤する際には「我先走了:ウォシェンゾウラ(お先に失礼します)」「明天见!:ミンティェンジェン(また明日)」と声をかけ合います。
目上の人にも上手に「お疲れ様です」を使えるようになろう
社内で使うには万能のフレーズ「お疲れ様です」。社内では、目上の人に使っても問題ない丁寧な言葉です。メールや社内電話、廊下ですれ違ったときの挨拶のほか、もちろん労をねぎらうときにも使えます。便利すぎて癖になってしまい、社外の人にも使ってしまうことのないよう、注意しましょうね。
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