ビジネスでは、部下をねぎらうときにのみ使える言葉だと覚えておきましょう。
「ご苦労様です」は部下をねぎらう言葉
「お疲れ様です」に似た言葉といえば、「ご苦労様です」が思い浮かびますが…実は「ご苦労様です」を使う際には細心の注意を払う必要があります。
「ご苦労様です」の意味や、使い方もチェックしていきましょう。
「ご苦労様です」を目上の人に使うのはNG
「ご苦労様です」は、目上の人が目下の人をねぎらう言葉。ですから、上司に向かって「ご苦労様です」と言うのはNGです。また「お疲れ様です」とは違い、挨拶の代わりとして使うこともほとんどないでしょう。
例)
あなた:依頼されていた資料ができあがりました。
上司:ありがとう、ご苦労様。

「お疲れ様です」を外国語で表現しよう
オンラインで海外の人とも仕事をすることが増えた現在、「『お疲れ様です』って外国語で言えたらいいのにな」と思うことはありませんか。今まで見てきたように、日本語の「お疲れ様です」は非常に多様な意味をもったマルチに使える言葉です。外国語では、どう表現するのでしょうか。

【英語】では「Hope you are doing well」
相手が疲れていることを想定してねぎらう「お疲れ様です」は「You must be tired」ですが、「疲れたでしょう、お疲れ様」のようなニュアンスがあるので、知り合いにのみ使います。
一方、ビジネスメールなどでの最初の挨拶は「Hope you are doing well」がいいでしょう。同僚だけでなく、上司にも使える言い回しです。意味は「お元気だといいのですが」といったところですが、「お疲れ様です」のニュアンスで使えるフレーズです。
【韓国語】では「スゴハセヨ」
韓国語での「お疲れ様です」は、「スゴハセヨ」。「スゴ」が「苦労」、「ハセヨ」が「~ですね」の意味です。「お疲れ様でした」と言いたいときは、過去形にして「スゴヘッソヨ」と言います。
先に退勤する人が「スゴハセヨ(お疲れ様です)」と声をかけ、残っている人は「スゴヘッソヨ(お疲れ様でした)」と答えるあたりは、とても日本と似ていますね。
どちらも目上の人に使っても違和感のない言葉ですが、初対面の人など、より丁寧に言うには「スゴハシムニダ」(お疲れ様でございます)がいいかもしれません。
【中国語】では「シンクーラ」
中国語では、ねぎらいの意味の「お疲れ様です」は「辛苦了(シンクーラ)」。同僚や部下に使うのはかまいませんが、上司に言うと上から目線な印象で失礼にあたります。上司には、敬語の「您(ニン)」をつけて「您辛苦了(ニンシンクーラ)」とするといいでしょう。
ただ、挨拶としての「お疲れ様です」に「シンクーラ」は使いません。退勤する際には「我先走了(ウォシェンゾウラ):お先に失礼します」「明天见(ミンティェンジェン):また明日」と声をかけあいます。
よくある質問
ここでは、ビジネスシーンでの「お疲れ様です」に関する質問を紹介していきます。
Q. 「お疲れ様です」と「おつかれさまです」の違いは?
「お疲れ様です」は、ビジネス文書やメールなどかしこまった場面や目上の人に対して使うのが良いでしょう。一方、より柔らかく親しみやすい印象のある「おつかれさまです」は同僚へのメール、カジュアルなチャットなどで使用するのが適切です。
Q. 「お疲れ様です」は失礼な言い回しですか?
基本的に「お疲れ様です」という言い回し自体は失礼ではありません。ビジネスシーンでは、相手の労をねぎらう意味が込められている挨拶として広く使われています。
ただし、状況や相手によっては失礼にあたるケースもあるため注意が必要です。たとえば取引先や顧客といった社外の人、重役などかなり目上の人に対しては別の表現を使用しましょう。
Q. 目上の人に使えるねぎらいの言葉は?
目上の人に対して「お疲れ様です」と使うのは気が引けるという場合、より相手への敬意と感謝を伝えられる別の表現を使用するといいでしょう。例として「お力添えに深く感謝申し上げます」「いつも細やかなお心づかいをありがとうございます」などの表現が挙げられます。
Q. 社長に「お疲れ様です」を使ってもいいですか?
社風や会社の慣習、従業員と社長との距離感などによって適切な表現は異なります。そのため、社内のほかの人が社長へ「お疲れ様です」と挨拶している場合には使用しても問題ないでしょう。
もしも迷った際には「おはようございます」「いつもお世話になっております」といった言い回しを使うのがおすすめです。
最後に
- 取引先や顧客、重役など、かなり目上の人に対しては別の表現を使用する
- かしこまった場面では「お疲れ様です」、カジュアルな場面では「おつかれさまです」とするのがおすすめ
- 「お疲れ様です」が不適切な場面では「お世話になっております」などに言い換えよう
万能なフレーズである「お疲れ様です」。社内では、目上の人に使っても問題ない丁寧な言葉です。メールや社内電話、廊下ですれちがったときの挨拶のほか、もちろん労をねぎらうときにも使えます。
ただし、取引先や顧客など社外の人、重役などかなり目上の人に対しては失礼にあたる可能性もあります。この場合、「お世話になっております」や「おはようございます」といった挨拶を使用しましょう。
便利すぎてクセになってしまうかもしれませんが、使う相手には注意しましょうね。
TOP画像/(c) Adobe Stock
Domani編集部
Domaniは1997年に小学館から創刊された30代・40代キャリア女性に向けたファッション雑誌。タイトルはイタリア語で「明日」を意味し、同じくイタリア語で「今日」を表す姉妹誌『Oggi』とともに働く女性を応援するコンテンツを発信している。現在 Domaniはデジタルメディアに特化し、「働くママ」に向けた「明日」も楽しむライフスタイルをWEBサイトとSNSで展開。働く自分、家族と過ごす自分、その境目がないほどに忙しい毎日を送るワーキングマザーたちが、効率良くおしゃれも美容も仕事も楽しみ、子供との時間をハッピーに過ごすための多様な情報を、発信力のある個性豊かな人気ママモデルや読者モデル、ファッションのみならずライフスタイルやビジネス・デジタルスキルにも関心が高いエディターたちを通して発信中。 https://domani.shogakukan.co.jp/
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