話を「聴こう」とする姿勢や言葉
「相づちも大切なボディランゲージですし、(前述のとおり)相手の気持ちや話の内容を確認することも大事なこと」と浦島先生。
●何かあった?
●私でよかったら何でも聴くよ。
悩みを言葉にすることは、気持ちを整理することにもつながります。話を聴いてもらったことでスッキリして、自己解決するケースも少なくありません。悩みを打ち明けるのに抵抗がある人でも「気にかけてくれる人がいる」と安心して、心が軽くなることもあります。
勉強を頑張っている人に
勉強は自分自身との闘いです。覚えることや理解することに苦戦する日もあれば、努力が報われるか不安になる日もあります。勉強のことで悩んでいる人を励ましたいときには、モチベーションがアップするような言葉でエールを送ってはいかがでしょうか。
これまでの努力を褒める言葉
マイナスの感情をプラスに変えるためにも、今までの努力を褒める言葉をかけて、不安でいっぱいの心を勇気づけましょう。
●これだけがんばっていれば大丈夫だよ!
●いつもがんばってるの知ってるよ。
努力を褒めることは、勉強に対するやる気がアップし、楽しみを見出すことにもつながります。努力した分だけ自信もついて、おそれずに挑戦する力が引き出されます。
尊敬、応援していることを伝える言葉
努力する姿に、尊敬の念を抱いている人もいるかもしれません。本人にとってはあたり前のようにがんばっていることでも、尊敬されていることを知るとうれしくなり、モチベーションも高まります。
●夢に向かってがんばる○○さんのこと尊敬してるよ。
●どんなに忙しくても毎日勉強しててえらいね。
応援の言葉を贈ることも、励ますことにつながります。
●かげながらいつも応援してるよ。
●合格したらおいしいものでも食べに行こう!
日々の努力や成長を見守ってくれる人がいると思うと、一気に心強くなるものです。
これは逆効果?励ますときの注意点
言ってはいけない言葉とは?
精神科医・浦島佳代子先生によると、「『頑張って』という言葉は、ひどく落ち込んでいる人にはかけないほうが無難だと思います。また、悩みが深ければ深いほど、(本人が)言葉にできないこともあります。そんなときは無理やり話を聞き出そうとせず、『話したくなったら、いつでも話してね』などの言葉を添えて、『あなたのことは見守っている。ちゃんと側にいるよ』という気持ちを視線やボディランゲージも用いて伝えるといいでしょう」
やってはいけない行動とは?
「そのペースで間に合うの?」「浮気されているんじゃないの?」など、心配していることをそのまま口に出さないようにしたいもの。現実を突きつけられてプレッシャーを感じたり、自分自身を責めたりする原因になりそうです。
「私のときはもっとつらかった」「私はこうやって解決した」と、自分の体験談を引き合いに出すのもやめておいたほうが無難です。相談に乗っていたはずが「自分語り」が止まらなくなり、相手は「自慢話を聞かされても…」とガッカリします。励ましたいときは相手の気持ちを思いやって言葉を選び、自己満足な対応にならないように心がけましょう。
写真/(C)Shutterstock.com
精神科医
浦島佳代子(うらしま かよこ)
精神科医、医学博士
1977年京都府生まれ。その後、岐阜県の清流でのびのびと育つ。長崎大学医学部卒業。現在は長崎大学病院精神科に所属。
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