ビジネスシーンで、目上の人などに対して「これからも精進いたします」などと言ったことはありませんか? 会話だけではなく手紙や年賀状などで用いることもありますから、正しい使い方を理解しておきたいですね。
この記事では、「精進」の意味や敬語表現、具体的な使用例を詳しく解説します。目上の人との会話の中で使って、仕事への熱意を伝えてみてはいかがでしょうか?
「精進(しょうじん)」の意味とは?
「精進します」という言葉をビジネスシーンなどでよく耳にすることはあるでしょう。精進には、以下の異なる4通りの意味があります。
精進の4通りの意味
1. 肉食をやめ、菜食すること
2. 戒律を守ったり、禁忌を避けたりして心身を清らかに保ち、信仰に励むこと
3. ひたすら仏道修行に努め励むこと
4. そのことだけに心を集中して努力すること
一般的には、4つめの「そのことだけに心を集中して努力すること」を指します。相手に対して心に決めたことやとるべき行動、態度を伝えるために使われる表現です。
「精進」の敬語表現
「精進」は、ビジネスシーンで、目標に向かってひたむきに努力する姿勢を表す言葉として使われます。ここでは、「精進」の敬語表現を見ていきましょう。
目上の人に対して:「精進いたします」
「精進いたします」は謙譲語表現で、相手に対して敬意を示す言い回しです。上司や取引先、年長者など、自分よりも地位や立場が上の人に対して使用します。
例文
「今後も精進いたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。」
「今後も一層精進いたしますので、どうぞご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。」
同僚や部下に対して:「精進します」
「精進します」は丁寧語で、一般的な敬意を示す言い回しです。同僚や部下、あるいはフォーマルな場面で自分自身の努力や頑張りを述べる際に使います。
例文
「今後も業務に精進しますので、よろしくお願いします。」
「チームの目標達成に向けて、精進します。」
「邁進」との違い
「邁進」とは、「元気よくひたすら目標に向かって進むこと」の意味です。精進と似た意味合いがありますが、精進は「心を集中して努力すること」に対して、邁進は「恐れることなく突き進むこと」で、それぞれ異なります。
似ている言葉ですが、伝わる印象が違うため、シーンによって使い分けられるようにしてみてくださいね。
使い方と例文を紹介
精進を正しく使いこなすために、例文で使い方を確認していきましょう。
ビジネスメールで使われる場合
ビジネスメールでは、「精進します」が頻繁に用いられます。たとえば、新任・退任の際にこれからの目標を宣言し、それに向かってひたむきに頑張ることを精進という言葉を用いて伝えたり、お詫びの際にも使います。
例文
・これからも皆様からの声援を大切にし、日々成長できるよう精進いたします。
・私のミスで大変ご迷惑をおかけしました。二度とこのようなミスが起きないよう、精進いたします。
手紙(お礼状)で使われる場合
精進は、お礼状(感謝の意を書き記した手紙)でも使われることが多いです。お世話になったことへのお礼を書き、これからの決意や目標を述べる際に使えます。入学・就職・転職などの際に、これまでお世話になった人に宛てた手紙で使うと伝わりやすいでしょう。
例文
・おかげさまで〇〇校の入試に合格できました。受験中は、何度もご指導いただきありがとうございました。今後は教わったことを〇〇校でも生かし、より一層精進します。
・この度、株式会社〇〇に勤務することになりました〇〇です。これからは会社の発展に貢献し、日々精進いたします。
年賀状で使われる場合
年賀状では、新年の抱負や目標を書く際に精進という言葉がよく使われます。
例文
・昨年は大変お世話になり、心より感謝しております。本年も精進いたしますのでよろしくお願いいたします。
履歴書で使われる場合
履歴書では、意気込みや志望動機を書く際に「精進します」がよく使われます。自身の能力や長所を伝え、相手に真面目に努力する人であることを印象付けられるでしょう。
例文
・〇〇の経験はありませんが、私の長所を生かして早く仕事に順応し、御社のために精進します。
・〇〇のスキルを活かして、御社に貢献できるよう精進します。
第三者の紹介で使われる場合
第三者の紹介で使われる場合は、部下や後輩などが新しい職場に来た際に使われることが多いです。
例文
「彼(彼女)も〇〇に貢献する一員となり、精進してくれると思いますので、ぜひご指導のほどよろしくお願いします。」