【目次】
・【精進】の意味とは?
・【精進】が使われるシーン別に例文をご紹介
・【精進】を使う際に気をつけること
・【精進】の類語とことわざや四字熟語
・【精進】を使ったその他の表現をご紹介
・【精進】をビジネスシーン別に正しく使い分けよう
【目次】
【精進】の意味とは?
「精進します」という言葉をビジネスシーンなどでよく耳にすることはあるでしょう。精進には、以下の異なる4通りの意味があります。

(C)Shutterstock.com
・「肉食をやめ、菜食すること」
・「戒律を守ったり、禁忌を避けたりして心身を清らかに保ち、信仰に励むこと」
・「ひたすら仏道修行に努め励むこと」
・「そのことだけに心を集中して努力すること」
一般的には「そのことだけに心を集中して努力すること」を指します。相手に対して心に決めたことやとるべき行動、態度を伝えるために使われる表現です。
■「邁進」との違い
「邁進」とは、「元気よくひたすら目標に向かって進むこと」の意味です。精進と似た意味合いがありますが、精進は「心を集中して努力すること」に対して、邁進は「恐れることなく突き進むこと」で、それぞれ異なります。
似ていますが、伝わる印象が違うため、シーンによって使い分けられるようにしましょう。
■【精進】の英語表記をご紹介
精進は英語にすると「devotion」や「diligence」です。「devotion」は「精進」の他に、「献身」「真心」の意味合いもあります。精進の意味合いが含まれる英語表現としては以下のとおりです。
「精進します」の例文:「I will do my best !」
「これからも精進します」の例文:「I will continue to devote myself」
精進を含む英語表現はいくつもあり、さまざまなシーンで使われます。
【精進】が使われるシーン別に例文をご紹介
精進を正しく使いこなすためにも、例文を用いて使い方をご紹介します。

(C)Shutterstock.com
■ビジネスメールで使われる場合
ビジネスメールでは、「精進します」が頻繁に使われます。たとえば新任・退任の際にこれからの目標を宣言し、それに向かってひたむきに頑張ることを精進という言葉を用いて伝えたり、お詫びの際にも使ったりします。
ビジネスメールでの例文:
「これからも皆様からの声援を大切にし、日々成長できるよう精進いたします。」
「私のミスで大変ご迷惑をおかけしました。二度とこのようなミスが起きないよう、精進いたします。」
■手紙(お礼状)で使われる場合
精進は、お礼状(感謝の意を書き記した手紙)でも使われることが多いです。お世話になったことへのお礼を書き、これからの決意や目標を述べる際に使えます。入学・就職・転職などの際に、これまでお世話になった人に宛てた手紙で使うと伝わりやすいでしょう。
手紙(お礼状)での例文:
「おかげさまで〇〇校の入試に合格できました。受験中は、何度もご指導いただきありがとうございました。今後は教わったことを〇〇校でも生かし、より一層精進します。」
「この度、株式会社〇〇に勤務することになりました〇〇です。これからは会社の発展に貢献し、日々精進いたします。」
■年賀状で使われる場合
年賀状では、新年の抱負や目標を書く際に精進という言葉がよく使われます。
年賀状での例文:
「昨年は大変お世話になりました。大変感謝しております。本年も精進いたしますのでよろしくお願いいたします。」
■履歴書で使われる場合
履歴書では、意気込みや志望動機を書く際に「精進します」がよく使われます。自身の能力や長所を伝え、相手に真面目に努力する人であることを印象付けられるでしょう。
履歴書での例文:
「〇〇の経験はありませんが、私の長所を生かして早く仕事に順応し、御社のために精進します。」
「〇〇のスキルを活かして、御社に貢献できるよう精進します。」
■第三者の紹介で使われる場合
第三者の紹介で使われる場合は、部下や後輩などが新しい職場に来た際に使われることが多いです。
第三者の紹介で使われる例文:
「彼(彼女)も〇〇に貢献する一員となり、精進すると思いますので、ぜひご指導のほどよろしくお願いします。」
■「精進します」への返答の仕方
相手に「精進します」と伝えられた場合、返答に困ることもあるでしょう。セリフや言葉が見つからず、素っ気のない返しになれば相手にマイナスのイメージを与えてしまうこともあります。そうならないためにも、「精進します」への返答の仕方はマスターしておきましょう。
「精進します」への返答の例文:
「何卒、お励みください。」
「ご成功をお祈りいたします。」
「益々のご健闘をお祈り申し上げます。」
【精進】を使う際に気をつけること
精進を使う際に気をつけることをご紹介します。

(C)Shutterstock.com
■目上の人に使う場合には注意
ビジネスシーンで目上の人を主語にして使うと、いかにも偉そうな態度で話しているような印象を与えます。目上の人を主語にして使う場合は、他の言葉に言い換えるなど注意が必要です。
例えば、「上司は〇〇に精進されていますか?」などは偉そうな印象を与えかねません。この場合、精進は他の言葉に言い換えて「上司は〇〇でご活躍されていますか?」などと表現するといいです。相手に失礼のないよう、使い方を間違えないようにしましょう。
■「精進して参ります」の正しい使い方
「精進して参ります」の「参ります」は、「行く」の謙譲語で「降参する」などの意味合いです。「精進して参ります」の場合の「参ります」は補助動詞として使用されます。
「参る」を補助動詞で使う場合、漢字ではなくひらがなで「まいる」と表現するのが正しいです。そのため、正しくは「精進してまいります」と使いましょう。
「精進してまいります」の正しい例文:
「今後も〇〇に貢献できるように日々精進してまいります。」
「これからも皆様の声援に応えられるよう、さらに精進してまいります。」
【精進】の類語とことわざや四字熟語
ここでは精進の6つの類語とそれぞれの意味や使い方の違い、またことわざや四字熟語もご紹介します。

(C)Shutterstock.com
■【精進】の類語をご紹介
精進は類語が多く、異なる意味の言葉でも同じ意味として覚えてしまう可能性が高いです。そのため、類語のそれぞれの意味を正確に理解しておきましょう。
類語1「一生懸命」
一生懸命は、「命懸けでものごとをおこなうことや全力をあげて何かをするさま」を意味します。必死な様子を伝えたい場合に使えるでしょう。
例文:「一生懸命に努力いたします。」
類語2「ひたむき」
ひたむきは、「一つのことに熱中することや、一つのことに一生懸命になるさま」を意味します。
例文:「ひたむきに仕事に取り組む。」
類語3「誠心誠意」
誠心誠意は、「まごころを持って物事をおこなうこと」の意味です。真面目な印象を与えます。
例文:「私は勉強に誠心誠意向き合い努力することを決意する。」
類語4「精一杯」
精一杯は、「できるだけ・力のかぎり」という意味です。使いやすい言葉のため、ビジネスシーンで頻繁に目にするでしょう。
例文:「精一杯努めてまいります。」
類語5「鋭意」
鋭意は、「一生懸命励むこと」の意味があります。副詞として用いるため、「鋭意します。」という言い方はできません。注意しておきましょう。
例文:「ご要望にお答えできるよう鋭意努力いたします。」
類語6「精励」
精励とは、「つとめはげむことや、仕事に精を出すこと」を意味します。ビジネスシーンや学習シーンで使えるでしょう。
例文:「何卒、ご精励くださいますようお願いいたします。」
類語7「頑張る」
頑張るは、「あることを成し遂げようと、困難に耐えて努力すること」を意味します。精進とはニュアンスが違うので正確に覚えておきましょう。
例文:「目標を達成するために頑張る」
■【精進】のことわざや四字熟語をご紹介
精進を使うことわざ・四字熟語に「日々精進」「一心精進」があります。日々精進は「毎日集中して努力すること」の意味。一心精進は、「自らの信念に基づいて、精一杯に努力すること」を意味します。
どちらの言葉も「精進」の意味合いを強めるために使えるので、ぜひ覚えておいてください。
「日々精進」の例文:「今後も〇〇に貢献できるように日々精進いたします。」
「一心精進」の例文:「一心精進して頑張ります。」
【精進】を使ったその他の表現をご紹介
精進を使ったその他の表現もご紹介します。

(C)Shutterstock.com
■その他の表現1「精進料理」
精進料理とは、「肉・魚などを用いず、野菜・豆腐など植物性の材料で作る料理」のことです。精進は、仏教用語で「肉食をやめて菜食にすること」を意味しています。そのため、精進料理と呼ばれるようになりました。
「精進料理」の例文:「身も心も清めるために精進料理を食べましょう。」
■その他の表現2「精進落とし」
精進落としは、「遺族が葬儀の後に会葬者や僧侶をねぎらう目的で用意される食事」のこと。また、「喪に服す期間が明けて普段の生活に戻る際に肉食・飲酒などをすること」の意味です。
精進落としは地域によって、「精進明け」「精進上げ」などの異なる呼び方で呼ばれています。
「精進落とし」の例文:
「本日はお世話になり、誠にありがとうございました。皆様のおかけで〇〇の通夜・告別式を無事におこなえました。皆様への慰労と感謝の意を込めまして、精進落としとしてお食事をご用意いたしました。」
【精進】をビジネスシーン別に正しく使い分けよう

(C)Shutterstock.com
ビジネスシーンでは、「そのことだけに心を集中して努力すること」として「精進」がよく使われます。「一生懸命」「ひたむき」「誠心誠意」などの類語がありますが、それぞれ使い方や意味が異なるため、自身の心境や状況にあわせて正しく使えるようにしましょう。
特に目上の人を主語にして使う場合は、相手にいかにも偉そうな態度で話しているような印象を与えてしまうため、注意が必要です。また、「精進料理」や「精進落とし」などは、ビジネスシーンではあまり使われることはありません。しかし、日常生活で使う機会もあるため、意味と使い方は覚えておくことをおすすめします。
トップ画像・アイキャッチ/(C)Shutterstock.com
こちらの記事もたくさん読まれています
「ご尽力」の意味と使い方とは? 類語や例文・英語表現までわかりやすく解説
仕事ができる人は「真摯に受け止める」を効果的に使う! 意味・例文・類語もご紹介