「大変失礼いたしました」は目上の人にも使える表現ですが、謝罪の意を強く表す言葉ではないので、使用シーンには気をつけましょう。
Summary
- 「大変失礼いたしました」は礼儀に欠けた言動やちょっとしたミスを詫びる言葉で、目上の人にも使用可能
- 多用するとしつこい印象を与えるので、「ご無礼をお許しください」などと使い分ける
- 相手に迷惑をかけてしまった際の謝罪には「お詫び申し上げます」などを使う
Contents
【目次】
「大変失礼いたしました」の意味や注意点
「大変失礼いたしました」と聞くと、謝罪をイメージする方が多いのではないでしょうか。しかし、仕事でミスをしてしまった場合など、相手に迷惑をかけた際の謝罪としては不適切な表現です。「大変失礼いたしました」の意味や注意点について、改めて見ていきましょう!

言葉の意味を改めて確認!
「失礼」とは「相手への礼儀を欠いていること」を指します。したがって「失礼いたしました」は、礼儀から外れた言動をしてしまった際に、「失礼をお許しください」とお願いするフレーズです。また、「大変」は「非常に」という意味を持ちます。「失礼いたしました」と「大変」を合わせて使うことで、よりお詫びの気持ちを強く表現することができますよ。
ビジネスシーンで使うときは注意が必要!
「失礼しました」もよく使われますが、「失礼いたしました」との違いは何なのでしょう? 答えは「失礼いたしました」は謙譲語で、「失礼しました」は丁寧語であること。目上の人には、自分をへりくだった表現である「失礼いたしました」が適しています。
また、「大変失礼いたしました」を使う上で、最も気をつけなくてはならないのが使用シーン。「大変失礼いたしました」は、礼儀に欠ける言動やちょっとしたミスに使われる言葉です。謝罪のニュアンスは含まれているものの、強い謝罪の意を表す言葉ではないため、自分のせいで相手に大変な迷惑をかけてしまった際には使わないほうがよいでしょう。

「大変失礼いたしました」と「申し訳ございません」の違い
「大変失礼いたしました」と「申し訳ございません」。どちらも謝罪の言葉であるものの、ニュアンスが異なります。「大変失礼いたしました」は自分の行動や言動のせいで、相手に無礼な印象や不快感を与えてしまった際に使用します。一方「申し訳ございません」は、自分の責任や過失で相手に損害や手間、迷惑をかけてしまった際に使用される言葉です。
【Domani編集部の体験談】ビジネスシーンでの適切な使い方
実際ビジネスシーンで目上の人に「大変失礼いたしました」を使用する場合、どのような点に注意すればよいのでしょうか。Domaniの編集者たちの「大変失礼いたしました」にまつわる成功・失敗談を踏まえつつ、使用法を見ていきましょう。
【episode1】「大変失礼いたしました」は相手への敬意を示せる重要な言葉
Domani編集部 I氏(36)
私がチームリーダーとして部下を指導する立場になったばかりの頃、部下がお客様とのオンライン会議中、画面共有を始める前に「ちょっと待ってくださいね」と軽く言ってしまいました。会議後、私は彼に「お客様に対しては、一言『少々お待ちいただけますでしょうか』と伝え、その後『お待たせして大変失礼いたしました』と加えることが重要」と指導しました。彼はそれ以降、より丁寧な言葉使いを心がけるようになりました。細かな配慮が欠けることでu003cstrongu003eお客様に不快感を与えかねない場面では、「大変失礼いたしました」という言葉で相手への敬意を示すのが重要u003c/strongu003eだと、自分でも再認識できた機会です。
【episode2】事の重大さによっては「申し訳ございません」を使用すべき
Domani編集部 Y氏(29)
後輩の一人が重要なデータ入力をミスしてしまい、クライアントに誤った情報が送られる寸前でした。幸いにも私が最終チェックで気づき、事なきを得ました。しかし、彼からの報告は「データ入力ミスがあり、大変失礼いたしました」でした。これは「失礼」というより「業務上の重大なミス」であり、クライアントに損害を与える可能性があるものです。私は彼に「この場合は、『誤ったデータをお送りするところで、大変申し訳ございませんでした』と、相手に具体的な迷惑をかけたことへの謝罪の言葉を使うべき」と指摘しました。u003cstrongu003e状況に応じた適切な使い分けの重要性を、改めて学んだu003c/strongu003eエピソードです。
正しい使い方を例文でチェック!
続いては「大変失礼いたしました」の使用シーンを具体的にイメージできるよう、例文で確認していきましょう。

「大きな音を出してしまい、大変失礼いたしました」
大きな音を出したり、何か物を落とすなどして、周囲の人たちの邪魔をしてしまったシーン。わざとではなくても一言「大変失礼いたしました」と伝えることで、周りへの配慮を示すことができます。
「勘違いしておりまして、大変失礼いたしました」
ちょっとした勘違いにも、「大変失礼いたしました」が使えます。特に会話中は「申し訳ございません」といった謝罪の言葉を述べるより「失礼いたしました」のほうが、やわらかくお詫びすることができ自然です。
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「お返事が遅くなり大変失礼いたしました」
仕事中、メールの返信が遅れてしまうこともありますよね。そんなとき「大変失礼いたしました」は相手に気を使わせずにお詫びの気持ちを示せる、非常に便利な言い回しです。
例文
件名:Re: [提案資料の件]
〇〇様
いつもお世話になっております。
株式会社△△の□□です。
お返事が遅くなり、大変失礼いたしました。
お送りいただいた提案資料の内容を確認いたしました。
変更点については、追ってご連絡させていただきます。
引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
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「大変失礼いたしました」への返事
ビジネスシーンで相手から「大変失礼いたしました」と言われたとき、何と返事すればいいか迷ってしまうこともあるでしょう。ここでは、「大変失礼いたしました」への返し方の例を紹介します。
「とんでもないことでございます。お気になさらないでください。」
相手が恐縮している場合や、そこまで深刻な状況でない場合に使える穏やかなフレーズです。
「恐縮です。こちらこそ、ご連絡が遅くなりまして申し訳ございません。」
自分にも非がある場合、もしくは相手に気を使わせたくない場合に使うのが良いでしょう。
類語や言い換え表現にはどのようなものがある?
「大変失礼いたしました」は様々なシーンで活用できる便利な言葉。しかし多用しすぎると少ししつこい印象も…。言い換え表現を一緒に覚えておけば、多用を防ぐことができますよ。




