飲み会やデート中に、相手から言われた一言で、気持ちがサーッと冷めてしまった… なんて経験はありませんか? せっかく気分が盛り上がっていたのに、ある出来事がきっかけで興味を失ってしまうとがっかりしますよね。
本記事では、興ざめの意味や使い方、「しらける」などの言い換え表現を解説します。「興ざめってどういう感情?」と、疑問に思った時の参考にしてみてはいかがでしょうか?
興ざめとは?
「興ざめ(きょうざめ)」は、「興醒め」と書くこともあります。意味を辞書で確認してみましょう。
[名・形動](スル)《「きょうさめ」とも》それまでの楽しい気分や興味が薄れること。また、そのさま。「祝いの席で―な話はするな」
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
「興」という漢字には、「面白いこと」「楽しいこと」という意味があります。それに「さめる」という否定的な言葉がついていることから、「興味がだんだんなくなってしまう」ことを言うのです。
使い方を例文でチェック!
ある出来事がきっかけで、いきなり興味を失ってしまうのが「興ざめ」。飲み会や恋愛の場面で使われることが多いですね。興ざめするシチュエーションと使い方についてみていきましょう。
1:せっかくの飲み会も、部長がダジャレを言ったせいで興ざめしてしまった。
誰かの一言がきっかけで、場が盛り下がってしまった時にも、「興ざめ」が使われます。会社での飲み会は、上司が部下たちを笑わせようとして、つまらないジョークを言ってしまうことも…。本人の意図とは裏腹に、会場はシーンとして気まずい空気が流れることもあるでしょう。
2:かっこいいA君と一緒にカラオケに行ったら、歌が下手で興ざめしてしまった。
恋愛において、「興ざめ」してしまうケースはよくあるもの。好きな人とデートをしてウキウキ気分だったのに、意外な一面を見て気持ちがサーッと冷めてしまった…、なんて苦い思い出はありませんか? 恋をしていると、好きな人がキラキラして見えて、過剰な期待をしてしまいがちですよね。
3:その俳優のあまりに下手な演技に、観客は興ざめしてしまった。
下手な演技やパフォーマンスを見てがっかりしてしまった時にも、「興ざめ」を使います。作品のあらすじに興味があるにも関わらず、演技が下手なのが原因で、作品の世界観に入っていけないのは残念ですね。会場内の冷めた空気が目に浮かびます。
4:父に「祝いの席で興ざめな話をするな!」と怒られた。
結婚式や成人式などのおめでたい行事では、親族同士が集まって話に花を咲かせます。祝いの席では、死や病気にまつわる縁起の悪い話や、新郎新婦の過去の恋愛話などは御法度。「せっかくの祝いの席に、水を差すようなことを言うのは慎みなさい」と注意されても仕方ありません。
興ざめの言い換え表現は?
「興ざめ」を別の言葉で言い換えたい場合は、「しらける」「興醒まし」「つまらない」を使うと良いでしょう。それぞれの意味と使い方を説明します。
1:しらける
興がさめて、気まずい雰囲気になることを「しらける」と言います。例えば、せっかくみんなで協力して企画を立てていたのに、その中の1人が「そんな企画どうせ上手くいかないよ」などと言って、一気にやる気が削がれてしまったなんてことはありませんか?
誰かの一言がきっかけで、その場全体が気まずい雰囲気になってしまうことは、職場や学校でよくあるものです。
(例文)
・せっかく盛り上がっていた体育祭も、ルールを守らない生徒のせいでしらけてしまった。
・飲み会で上司の昔話が始まって、座がしらけた。
2:興醒まし
「興醒まし(きょうざまし)」とは、「楽しい気分や興味を削ぐこと」。また、楽しい気分を邪魔するものを指します。「興ざめ」なことを言われて、迷惑している時に使われることが多い表現です。
(例文)
・ここで投資の話を持ち出すなんて、まったく興醒ましだよ。
・そんな興醒ましなことを言わないでほしい。
3:つまらない
潮が引くように、興味がなくなってしまうことは、「つまらなくなった」と言い換えることもできますね。それまで気持ちが盛り上がっていたのに、何かをきっかけに一気に気持ちが冷めてしまうことはよくあるものです。会話の中では、「興ざめ」よりも使いやすいですね。
(例文)
・好きな人が飲み会を欠席することがわかり、途端につまらなくなってしまった。
・恋人がいないクリスマスなんてつまらないよ。
興ざめを英語で言うと?
「興ざめ」はわかりやすく言うと、「興味がなくなること」。英語では、さまざまな表現があるので、状況に応じてうまく使い分けてみてください。
1:lose interest
「lose interest」は、「興味を失うこと」。「興味や関心」を指す「interest」と、「失う」を指す「lost」を組み合わせた表現です。「lose interest in〜」で、「〜への関心がなくなる」と言うことができますよ。
(例文)
・It was such a poor performance that the audience lost interest.(あまり下手な演技で、観客は興ざめしてしまった)
・That teacher was so bad at teaching that I lost interest.(その教師は教えるのが下手で、興ざめしてしまった)
2:bore
「bore」には、「うんざりした、退屈した」などの意味があります。面白いと思えず、退屈していたり、相手から言われたことに対してうんざりしている時に使われます。「興ざめ」と同じようなシチュエーションで使えそうな単語ですね。
(例文)
・His rambling conversation is a bore. (彼の話は、まわりくどくて興ざめだよ)
・He bores me with his pointless tales. (彼の無意味な話にはうんざりする)
最後に
「興ざめ」とは、「それまでの楽しい気分や興味が薄れること」。特にビジネスシーンや祝いの席では、自慢話をしたり、下品な話題を口にすると、引かれてしまうこともあるでしょう。場にそぐわないことを言って、周りを不快な気分にさせていないかどうか気を配りたいですね。
TOP画像/(c)Adobe Stock