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2024.05.15

「菖蒲」ってどんな花? あやめとの見分けかたや花言葉、名所を解説

初夏になると、きれいな花を咲かせる「菖蒲(ショウブ)」。紫色の花を咲かせるイメージがありますが、実は、それは「花菖蒲」という品種です。本記事では、菖蒲の特徴やアヤメとの見分け方、関東の菖蒲の名所を解説します。

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初夏になると、水辺や公園で紫色の花を見かけることがありますね。これは、ショウブ? それともアヤメ? と疑問に思う方も多いのではないでしょうか? 本記事では、間違えやすい「菖蒲(ショウブ)」の特徴や花言葉、花菖蒲、アヤメとの違いについて解説します。

花菖蒲(ハナショウブ)とはどんな花?

まずは、皆さんが「菖蒲と言えばこれ」とイメージされている、紫色の大きな花が咲く菖蒲は、「花菖蒲」のこと。江戸時代に、アヤメ科のノハナショウブを改良して生まれた園芸種です

「花菖蒲」は、アヤメ科の多年草。観賞用に水辺や湿地に栽培され、品種が多いことでも有名ですね。草丈は約60cm〜1.2mほど。葉っぱは細く剣状で、初夏(5月〜6月頃)になるとてっぺんに大きな花を咲かせます。

花びらは6枚で、そのうちの3枚は外側に向かって垂れています。花の色は、紫色の他に白色、薄桃色、絞り模様などがあります。菖蒲と言えば、水辺の花というイメージがありますが、花壇や鉢植えにもできます。

水中でも畑でも育ちますが、生育の旺盛な4月〜9月は水が入り、他の時期は乾くような場所が最適です。花が咲き終わったら、こまめに花茎を切り取って、日があたるようにすることで育ちが良くなりますよ。

花菖蒲と5月飾り

(c) Adobe Stock

菖蒲(ショウブ)の特徴

「菖蒲」は、サトイモ科の多年草。初夏になると、小さな淡黄色の花を円柱上につけます。水辺の泥地に群生し、アジア、北アメリカに自生しています。

5月5日の端午の節供は、別名 菖蒲 (ショウブ) の節供とも言われ、古くから日本人に親しまれています。独特の香りがする菖蒲(ショウブ)には、邪気を払う効果があると考えられ、病気にならないよう矢羽形に切って髪に挿したり、鉢巻のように頭に結んだりして祝うようです。

てっきり紫色の花が咲くと思っていた菖蒲が、まさかの小さな黄色い花を咲かせる植物だったなんて、びっくりですね!

花菖蒲の花言葉

花菖蒲の花言葉は、「嬉しい知らせ」「あなたを信じる」「心意気」「優しい心」「優雅」など。アヤメ科の植物と同じ花言葉が多くつけられています。「優しい心」「優雅」は、花菖蒲の垂れ下がるような花びらをイメージして付けられたそうですよ。

花菖蒲とアヤメの違いは何?

紛らわしいのですが、アヤメも漢字で書くと「菖蒲」です。アヤメは、アヤメ科アヤメ属の多年草。草丈は30cm〜60cm。花菖蒲に比べると背が低めです。葉は細長く剣状。初夏になると、紫色や白色の花が咲きます。花のサイズは、花菖蒲に比べるとやや小ぶりです。

花菖蒲とアヤメのわかりやすい見分け方は、生息地。花菖蒲が湿った野原や水辺を好むのに対して、アヤメは日当たりのいい草地に群生します。

もし、公園でアヤメや花菖蒲を見かけた時は、見分け方の参考にしてみてはいかがでしょうか?

端午の節句に使われる菖蒲とは?

端午の節句に飾る菖蒲は、先ほど紹介した花菖蒲とは別物。サトイモ科の多年草です。古来、邪気を払う薬草とされ、健康や長寿を願って飾られてきました。この時期には、菖蒲の葉を入れたお風呂に入る風習があり、湯に浸かることで暑い夏を健康に過ごせるとされています。

(菖蒲湯の作り方)

「菖蒲湯」という言葉は聞き覚えがあるけれど、実際にやったことはないという方も多いのでは? 菖蒲の葉は清々しい香りがするので、お湯に入れることで香りを嗅いでリラックスすることができますよ。

1:菖蒲の葉を粗く刻んで、袋の中に入れます。
2:洗面器に1の袋を入れて、熱湯を注ぎ、10分ほど置いておきます。
3:浴槽に張ったお湯の中に、香りを抽出した2のお湯と袋を入れます。お風呂に入っているときに、袋を軽く揉むとより良い香りが引き立ちますよ。

菖蒲湯

(c) Adobe Stock

花菖蒲の名所はどこ?

花菖蒲は水辺を好むことから、昔から湿地帯や水郷地域で育てられてきました。ここでは、花菖蒲の名所として有名な3か所をピックアップ。家族や友人と一緒に出掛けてみてはいかがでしょうか?

1:堀切菖蒲園(東京都)

東京都葛飾区にある「堀切菖蒲園」は、花菖蒲の名所として有名です。気候にもよりますが、6月上旬から中旬にかけてが見頃だそう。広大な園内には、約200種の花菖蒲が咲いています。

江戸時代から名所として知られており、安藤広重や歌川豊国の錦絵にも描かれているのだとか。日本庭園では、花菖蒲以外にも、梅、藤など四季折々の植物を観賞することができます。

2:水郷潮来あやめ園(茨城県)

「水郷潮来あやめ園」では、多種多様なアヤメや花菖蒲が見られます。花菖蒲のシーズンである5月下旬〜6月下旬になると、「水郷潮来あやめまつり」が開催され、県外からも多くの観光客が訪れます。

イベント中には、かつての水郷地域での交通手段であった「櫓舟」(櫓を使う手漕ぎの舟)に乗ったり、お嫁さんの乗った「嫁入り舟」を観賞できます。また、期間中の夜にはライトアップも行なわれているそうなので、昼間とはまた違った花菖蒲の魅力を観賞できるでしょう。

青空と花菖蒲

(c) Adobe Stock

3:水郷佐原あやめパーク(千葉県)

「水郷佐原あやめパーク」は、千葉県香取市にある施設です。広大な園内には、花菖蒲のほか蓮などの水辺の植物を中心に、藤やリコリスなどの季節の植物を観賞することができます。

見頃の時期には、「あやめ祭り」が開催され、江戸・肥後・伊勢系などの400品種150万本の花菖蒲が咲き誇ります。嫁入り舟などのイベントも行なわれるそうですよ。

最後に

初夏になると紫色の優雅な花を咲かせる「花菖蒲」。水辺でよく見かける「花菖蒲」と、菖蒲湯に使われる「菖蒲」が、まさか別の品種の植物だったなんて知らなかった! という方もいらっしゃるのではないでしょうか? 公園で花菖蒲によく似た花を見かけたときには、本記事で紹介した、アヤメとの見分け方も参考にしてみてくださいね。

TOP画像/(c) Adobe Stock

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