モチベーションの意味

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「モチベーション」は、ビジネスでもよく使われる言葉です。日本語にすると、どのような意味があるのでしょうか?辞書に書かれている内容や、一般的な定義を解説します。
「自発性」などを意味する英語が由来
モチベーションは、英語の「motivation」が由来となっている用語です。英語のmotivationを辞書で見てみると、「自発性」などの意味を持つ言葉であることが分かります。
mo・ti・va・tion
/mòutəvéiʃən/
[名]
1 [U]自発性,積極性;やる気.
2 [U][C](…に対する/…する)動機を与えること,動機づけ,刺激,誘因≪for/to do≫.
引用:『プログレッシブ英和中辞典(第5版)』(小学館)
モチベーションの動機付けには、主に2種類あります。自分の気持ちや内面から生まれる動機付けは「内発的動機付け」、外部からの刺激で生まれる動機付けは「外発的動機付け」です。
例えば、自分がやりたいと考えていて行動する場合は内面的な要素が関係しています。報酬や評価を得るために行動する場合は、外部からの刺激が動機付けです。
モチベーションの言い換え例

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モチベーションは、さまざまな言葉に言い換えられます。主な言い換え例と、使用例を確認しましょう。場面によっては、モチベーションよりも適した使い方ができる可能性もあります。
意欲
モチベーションは、何かをしようとするときの動機付けや、動機付けによって生まれる自発性を指す言葉です。
「意欲」という言葉を辞書で見ると、以下のように定義されています。
い‐よく【意欲】
[名](スル)
1 進んで何かをしようと思うこと。また、その心の働き。「意欲あふれる人材を求める」「研究意欲に燃える」
「衝動はこれに能動的に働きかけて認識し、情感し、―する」〈倉田・愛と認識との出発〉
2 哲学で、種々の動機の中から選択した目標に、積極的に働く意志活動。狭義には、主観的、特殊的な意志活動、すなわち任意・気随の意。
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
モチベーションも意欲も、「積極的に何かをしようとする気持ち」を指す言葉であることは同じです。モチベーションを言い換えて、「意欲がある」「◯◯に対する意欲が強い」のように使うことができます。
士気
「士気」は、辞書では以下のように定義されています。
し‐き【士気】 の解説
兵士の、戦いに対する意気込み。また、人々が団結して物事を行うときの意気込み。「—を鼓舞する」「—が上がる」
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
モチベーションは、団体だけではなく個人に対しても使われる言葉です。対象に違いはありますが、組織全体や部署全体など、団体に対して使うのであれば、「士気」と言い換えられます。
「モラール」も、士気と似た用語です。英語では、「morale」と書きます。モチベーションとの言い換えとして、「営業部の士気(モラール)はとても高い」「売り上げの達成に向けて士気(モラール)を高めたい」のような使い方が可能です。
やる気
「やる気」を辞書で見ると、以下のような意味があります。
やる‐き【▽遣る気】 の解説
進んで物事をなしとげようとする気持ち。「—を起こす」「まるで—がない」
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
「モチベーション」と「やる気」は、関連性の強い言葉です。モチベーションが高まり、自発的に行動することで、やる気が生まれることもあるでしょう。
「やる気」自体は、動機付けの有無を問わず使えます。気持ちがみなぎっているときや、何かを成し遂げようとしているなら、言い換えとして使いやすい言葉です。
例えば、「評価されないのでやる気が出ない」は、「モチベーションが低い」とも言い換えられます。
モチベーションと似た使い方をする用語

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モチベーションには、似た用語があります。使用する場面によっては、言い換えも可能です。似た意味を持つ用語と、それぞれの特徴を紹介します。
バイタリティ
「バイタリティ」は、「活気」や「活力」を表す英語、「vitality」が由来となっている言葉です。
「バイタリティの高い人」のように、モチベーションと似た使い方をします。日本語にすると、「活気にあふれた人」「活力がみなぎっている人」のようなイメージです。
モチベーションとバイタリティは意味が異なり、バイタリティの高い人が必ずモチベーションを維持しているとは限りません。
しかし、何らかの動機付けによってモチベーションが高くなっている人は活気に満ちています。意欲にあふれ、活気に満ちた様子を表すときには、「バイタリティ」に言い換えることも可能です。
エンゲージメント
エンゲージメントは、「誓約」や「約束」を意味する英語、「engagement」が由来となっている言葉です。
ビジネス用語としては、「企業と従業員との関係性」を表す意味で使われます。「従業員のエンゲージメントが高い状態」は、「会社へ貢献しようとする意欲が高い状態」と同じです。
モチベーションの上昇が「会社に貢献したい」という強い気持ちによるものであれば、「エンゲージメントが高い」とも言い換えられます。
ポテンシャル
「ポテンシャル」は、「潜在的な」「可能性のある」といった意味を持つ英語、「potential」が由来となっている言葉です。
「ポテンシャルがある」「ポテンシャルが高い」のように、モチベーションと似たような使い方をします。
ビジネスでの「ポテンシャル」は、個人が持つ潜在能力などを意味する言葉です。モチベーションは行動の動機付けや意欲を指しますが、潜在能力が高く意欲があふれて見える場合には、「ポテンシャルが高い」とも形容できるでしょう。
インスパイア
インスパイアは「inspire」と書き、「鼓舞する」「触発する」などの意味を持つ英語です。
動機付けの経緯が「何かに触発された結果」であれば、モチベーションと似た意味で「インスパイアされた」とも形容できます。
モチベーションは他者からの影響がなくても高まりますが、「インスパイア」を使う場合は、外部からの感情的な働きかけがあるかがポイントです。
「モチベーション」を適切な言葉に言い換えよう

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モチベーションは、さまざまな日本語に言い換えができます。使う場面によっては、意欲・士気・やる気のような言葉を使うと、意図がうまく伝わるかもしれません。
ビジネス用語の中にも似た意味を持つ言葉があります。バイタリティ・エンゲージメント・ポテンシャル・インスパイアなど、完全に同じ意味ではないものの、言い換えに使える用語は多いでしょう。
もし、「モチベーション」という言葉を使うべきか悩むときには、別の言葉に言い換えを検討してみるのもおすすめです。
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