ストリーマーとは?新しい仕事の定義
ストリーマーとは、どのような仕事をしている人のことなのでしょうか? 定義から具体的な活動内容まで紹介します。
主にゲームのライブ配信をする仕事
ストリーマーは、英語の「streamer」が語源で、主にゲームをしながらライブ配信している人のことです。
ストリーマー【streamer】
1. 空気や水などの流れ。
2. 吹き流し。
3. コンピューターなどで利用される磁気テープ式の補助記憶装置。記憶容量は大きいがデータの読み書きに時間がかかるため、主にデータのバックアップ用に利用される。テープストリーマー。磁気テープドライブ。テープドライブ。磁気テープ記憶装置。
4. 動画配信サービスやライブ配信サービスの、動画の配信者。特に、ゲーム実況を行う者はゲームストリーマーとよばれる。オンラインストリーマー。ライブストリーマー。
小学館『デジタル大辞泉』より引用
個人で活動している人だけでなく、企業に属して幅広く活動している人もいます。「Twitch(ツイッチ)」などのライブ配信プラットフォームを利用して、自身のゲームプレイを視聴者にリアルタイムで届け、視聴者からの投げ銭や広告収入、スポンサー契約などで収入を得ています。
ストリーマーの具体的な活動内容
ストリーマーの主な活動は、ゲームのライブ配信です。「Twitch」や「YouTube Live」などのプラットフォームを利用して、人気タイトルや得意なゲームをプレイしながら視聴者と交流するのが一般的です。
近年は、ゲーム以外にも趣味や日常生活の様子を配信することも少なくありません。音楽演奏やイラスト制作、料理など個性的な内容で視聴者を楽しませています。
また、個人で活動する以外に、事務所やeスポーツチームに所属しているストリーマーもいます。所属することで、活動のサポートや収入の安定化、将来のキャリア形成などのメリットが得られます。
ストリーマーと配信者の違いは?

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ストリーマーは、配信者・YouTuber・プロゲーマーとどのような違いがあるのでしょうか? それぞれの特性や求められるスキルの違いを見ていきましょう。
配信者との違い
ストリーマーは、主にゲームのライブ配信を行う人を指すのに対し、配信者はより広い意味を持ち、ゲーム以外のコンテンツも含むさまざまな分野でライブ配信を行う人を指します。
求められるスキルも異なり、ストリーマーはゲームのスキルや知識に加えて、視聴者を楽しませるトーク力も重要です。配信者は扱うコンテンツによって必要なスキルが変わってきます。
近年では、両者の境界線が曖昧になりつつあり、ストリーマーと配信者という言葉が互換的に使われることも少なくありません。しかし、ゲーム特化型のライブ配信者を指す場合は、より具体的にストリーマーと呼ぶ傾向があります。
YouTuberとの違い
ストリーマーとYouTuberは、どちらもインターネット上でコンテンツを発信する点で類似していますが、YouTuberは「YouTube」を利用して動画を配信する人のことです。
ストリーマーは主にライブ配信を中心に活動し、リアルタイムで視聴者とコミュニケーションを取ります。そのため、ライブ配信中の臨機応変な対応力や、長時間の配信を支える体力が求められます。
一方YouTuberは動画投稿が主な活動で、編集された内容を公開することが多く、企画力や編集技術がより重要となります。
また、収入源にも多少の違いがあります。YouTuberは広告収入や企業案件が主な収入源となりますが、ストリーマーはそれらに加えて配信中の投げ銭などでも収入を得ている人が少なくありません。
プロゲーマーとの違い
ストリーマーとプロゲーマーは、どちらもゲームに関わる職業ですが、その目的や活動内容に大きな違いがあります。
プロゲーマーは競技としてのゲームに特化し、大会での勝利や成績向上を目指しています。求められるスキルも、ストリーマーのようなトーク力や企画力とは異なり、ゲームの技術力が最も重要です。収入源も異なり、プロゲーマーは大会の賞金やスポンサー契約が主です。
ただし、近年ではプロゲーマーが練習風景をライブ配信するなどの活動を行ったり、ストリーマーが大会に参加したりすることも珍しくありません。
ストリーマーに求められる要素・スキル

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ストリーマーとして成功するためには、いくつかの重要な要素やスキルが求められます。不可欠とされる三つの要素について紹介します。
視聴者を楽しませるサービス精神
単にゲームをプレイするだけでなく、エンターテイメント性が必要なため、視聴者を楽しませるサービス精神が重要です。視聴者に「次回の配信も見たい」と思わせる面白さや工夫が必要となります。
また、難しいシーンをわかりやすく解説する能力も、視聴者を楽しませることにつながります。
さらに、視聴者のコメントへ適切に反応するトーク力も不可欠です。コメントやチャットとやりとりする様子の面白さから配信を見続けるという視聴者も多いため、文字だけでなくボイスチャットを取り入れるなど親近感を高める工夫をしている人もいます。
企画力と継続する力
視聴者を魅了し飽きさせないためには、優れた企画力と継続する力が欠かせません。単調なゲームプレイ動画だけでは、視聴者の関心を維持することは困難です。
魅力的なコンテンツを生み出すために、ほかのストリーマーとのコラボレーションや、条件・制限をつけてプレイを行う「縛りプレイ」など独創的な企画を常に考案する必要があります。
また、視聴者のニーズや最新のトレンドへ柔軟に対応する能力も求められます。ゲーム業界や配信プラットフォームの急速な変化に適応し、常に新鮮なコンテンツ提供しつづけることが、ストリーマーとしての長期的な成功の鍵です。
柔軟な対応力
予期せぬトラブルへの柔軟な対応力も求められます。配信中は機材の不具合や映像・音声の乱れなど、さまざまな問題が発生する可能性があります。こうした事態に冷静かつ適切に対処できなければ、視聴者の離脱を招きかねません。
たとえば機材トラブル発生時には、慌てず状況を説明し、復旧を試みながら視聴者とコミュニケーションを図るなどの臨機応変さが必要です。これにより視聴者の不安と不満を和らげ、配信への集中を維持できます。
また、活動を続ける上で、SNSで誹謗中傷されることも少なくないものです。そのような状況下でも、冷静に対処できる心理的な強さも重要となります。
有名なストリーマーもチェック

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視聴者を魅了している有名なストリーマーは多数います。ここでは、日本のトップストリーマーとして知られる2人を紹介します。
k4senさん
k4sen(かせん)さんの魅力は「Call of Duty」シリーズを中心としたFPSゲームの高い実力と、キャスターとしての経験を活かした実況です。また、「VALORANT」や「原神」など、幅広いゲームジャンルを配信することでも知られています。
視聴者とのコミュニケーションを大切にし、配信中には頻繁に視聴者と対話を楽しむ姿が見られます。さらに、プライベートパートナーのAjakaさんとの共同配信や、手作り料理を振る舞う様子なども配信し、ファンを楽しませています。
プロゲーミング組織「ZETA DIVISION」に加入し、自ら企画したイベント「The k4sen」をオンラインはもちろん、オフラインでも開催するなど業界全体の発展にも貢献しているストリーマーです。
関優太さん
関優太(せき ゆうた)さんは2022年までは「stylishnoob」という名前で活動していた「ZETA DIVISION」所属のストリーマーです。愛称は「関さん」「スタヌ」「優しくて太い」など。オンラインシューティングゲーム「Overwatch」などのプロゲーマーとして活動後、現役引退しストリーマーに転向しました。
その魅力は、よどみのないトークと好きなゲームをとことんやり抜く姿。FPSを中心にRPGやホラーゲームといった、バラエティに富んだゲーム配信をしています。
また、既婚者で一児の父であるほか、3匹の猫と1匹の犬を飼っており、ペットたちの日常を伝えるXのアカウントも人気です。中でも、猫の「ココア」(通称:ココちゃん)は配信に登場することもしばしば。ココちゃんが画面に現れるとチャット欄も大盛り上がりとなり、配信の見どころのひとつとなっています。
だるまいずごっどさん
だるまいずごっどさんの魅力は、優れたゲームセンスと明るく視聴者を楽しませるトーク力です。元々はFPSゲーム「Fortnite」のプロゲーマーで、プロゲーミングチーム「Crazy Raccoon」のFortnite部門に所属していましたが、現在は同チームのストリーマー部門に移籍しています。
また、自分の姿を映しながら配信するストリーマーが多い中、顔出ししないことを徹底しているのも彼の特徴です。
しばらく活動を休止していましたが、2024年末に「Twitch」にて行われた復帰時のライブ配信には視聴者が10万人以上訪れるなど、人気の高さは健在。所属チームからは数々のグッズも発売されており、これからの活躍に注目したいストリーマーのひとりです。
fps_shakaさん
fps_shaka(SHAKA)さんの魅力は、圧倒的なゲームスキルと視聴者を楽しませるトーク力です。FPSゲームを中心に「League of Legends」や「VALORANT」など幅広いジャンルの配信を行っています。
2022年末には「Riot Games ONE」のLoL部門に出場し、プロゲーマーとしての一面も見せました。また、「SHAKAONE2024」というゴーカートレース大会を主催したり、ヘルシーな冷凍弁当「nosh」とのタイアップ動画を配信したりするなど、活躍の場を広げています。
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