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2023.07.12

「無双」とは?|ゲームや着物、和室などさまざまなシーンで異なる意味を持つ言葉

無双とは、並ぶものがないことを指しますが、使うシーンによって表現する内容が大きく異なる言葉です。今回は、無双の詳しい意味や類語、使うシーンごとの意味をご紹介します。ゲームや着物、和室における表現も解説しているため、ぜひ参考にしてください。

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「無双」の意味とは?簡単に基礎知識を解説

「無双」という言葉は、一般的なシーンでは「並ぶものがないこと」「二つとないこと」を指して使います。どのようなシーンで使うのかで表現する内容が異なる言葉であるため、意味を確認して相手が伝えていることを正しく理解できるようになりましょう。

たくさんの人の中で1人が一際輝いている様子

はじめに、無双の詳しい意味や動詞として「無双する」を使う場合の意味、類語表現を、それぞれ簡単に確認していきます。

■無双とは並ぶものがないこと

【む‐そう無双‐サウ】
1.二つとないこと。並ぶものがないほどすぐれていること。無二。ぶそう。「―の大力」「天下―」
2.衣服の表と裏を同一の布地で仕立てること。また、そのもの。夢想。
3.相撲で、相手の差し手を抱え込み、手を相手の内股または外股に当てて反対側からひねり倒す技。内無双と外無双がある。「―を切る」

(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)

無双とは、「二つとないこと」「並ぶものがないこと」「比べるものがないこと」などの意味がある言葉です。「天下無双」や「無双の大力」などと表現します。

読み方は「むそう」ですが、「ぶそう」と読む場合もあります。どちらの読み方をする場合でも、表しているのは同じ意味です。また、衣服や相撲などに関する意味もある言葉です。一般的なシーン以外での無双の意味は後述します。

■「無双する」の動詞としての意味

無双の意味から派生して、「無双する」の形で動詞のように使われる場合もあります。この場合、「非常に強い者が一人勝ちをする」「相手の勢力に関係ないほどの圧倒的な力を発揮する」などの意味で使う、俗な表現です。

また、「誰に阻止されることもなく傍若無人に振る舞うさま」を指す場合もあります。「夢想する」を誤変換して、無双すると表記してしまったケースもありえるでしょう。

■“無双”の類語

並ぶものがないことなどの意味がある無双という表現に近い言葉は、以下のように多くの言葉があります。

・無比
・無類
・無二
・唯一
・比類のない
・比類ない
・類がない
・類を見ない
・たぐいまれ
・比べものにならない
・並びない
・例えようもない
・底知れない
・単数
・単一
・単独
・単身
・又とない
・又ない
・めった

 

類語表現であっても多少意味が違うケースがあるため、言い換えたい場合にはそれぞれの言葉の意味を理解しておきましょう。

さまざまなシーンにおける無双

無双という言葉は、以下のようにシーンに応じて意味が異なります。

・ゲームにおける無双……無双するという表現で俗に用いられる

・着物における無双……仕立て方の種類

・和室における「無双四分一」……床の間の奥にある細い材のこと

また、相撲では技の種類として無双が用いられます。それでは、それぞれのシーンにおける言葉の意味を確認していきましょう。

■ゲームにおける無双

ゲームにおける無双は、「無双する」の形で動詞のように使われる場合と同様の意味です。つまり、非常に強い者が一人勝ちをすることや、相手の勢力に関係ないほどの圧倒的な力を発揮することなどを指して用いられます。

わかりやすい使われ方をしているのは、「無双」シリーズです。オリジナルシリーズの「三國無双」などだけではなく、版権作品とコラボレーションした作品も発売されています。

■着物における無双

着物においては、無双という言葉が多く用いられています。例えば、「無双仕立て」「半無双」「紗無双」「無双袖」「袖無双胴単衣」などです。着物における無双は、基本的に仕立て方を指して使われています。

着物が何枚もかかっている様子

着物における無双は、一般的なシーンで使われることの多い「並ぶものがないほどすぐれていること」という意味とは大きく異なるため、意味を理解しておきましょう。

それでは、「無双仕立て」「半無双」がどのようなものなのかを解説します。

無双仕立て

着物における無双とは、基本的に「衣服の表と裏を同じ布地で仕立てること」または「そのような仕立て方をしたもの」を指す言葉です。「無双仕立て」や「袋仕立て」とも呼ばれます。

袖口などから袖裏が見えることがあるため、裏地ではなく表と同じ布地で仕立てているものです。もともとは着物や羽織など、さまざまなもので無双仕立てが用いられてきました。現在は、襦袢の袖に多い仕立て方です。

半無双

一方で半無双とは、無双仕立てのように見える仕立ての方法のことで、「半無双仕立て」の略称です。半無双は、外側から見える袖口と振りの部分だけを二重にしています。

無双仕立てにすると暖かいものの、時期や室温によっては保温性が高すぎる場合があります。外側から見える部分だけきれいな布を使い、見えない部分の布を少なくした半無双は、きちんと見えつつも快適に過ごせるように工夫した仕立て方です。

また、無双仕立てをする場合にはとても多くの布が必要で、ひとつの袖を作るためには袖丈の4倍の用尺が必要だといわれています。

無双仕立ては贅沢に布を使うため、長襦袢の用尺が足りなくなることもあります。このようなときに半無双仕立てを採り入れることで、布の量のバランスをとることがあるようです。

■和室における「無双四分一」

和室においても、「無双四分一」という言葉で無双が使われます。和室における無双四分一とは、床の間の奥にある天井周り下端の細い材のことです。無双四分一は、「ムソウシブイチ」と読みます。

和室の内装 無双四分一

化粧釘のひとつである「稲妻釘」を取り付けるなどして掛け軸を下げるところが、無双四分一にあたる部分です。また、稲妻釘自体のことを無双と呼びます。無双四分一は、掛け軸を下げたときに位置の調整を多少できるようになっていることが特徴です。

無双という言葉を理解しよう

一般的なシーンで指す場合の「無双」は、並ぶものがないことや二つとないことといった意味です。俗に、ゲームで使われているような相手の勢力に関係ないほどの圧倒的な力を発揮するといった意味でも使われます。

無双を指す内容のうち、並ぶものがないことなどの意味に近い言葉は、以下のように多くの言葉があります。

・無比

・無類

・無二

・唯一

・比類のない

着物や和室に関する用語としての無双は、また異なる意味を持つ言葉です。それぞれの言葉の表す意味を理解しておき、正しく言葉を使えるようになりましょう。

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