「未満」とは?
店の看板・メニューなどでも使われる「未満」という言葉には、どのような意味があるのでしょうか。まずは、未満の意味や記号での表し方、対義語などを解説します。
その数・年齢などを含まない意味の言葉
「未満」の漢字には「未だ(いまだ)満たない」という意味があるため、該当の数・年齢などは含まれません。例えば「5個未満の注文は送料がかかります」の場合は、5個を含まない1〜4個までの注文は送料がかかるということになります。
また、「3歳未満のお子様の利用はご遠慮ください」のように、商品などの注意書きに未満が用いられるケースもあります。この場合には、3歳を含まない0~2歳の子どもが該当の商品・サービスを使えない点に注意しましょう。
記号で書くとわかりやすい
算数・数学などでは、「不等号」を使って未満を表す場合があります。言葉では理解が難しい未満を記号で判別できるため、数の大きさを把握しやすいのがメリットです。
等しい数を表す記号「等号(=)」に対して、異なる数の大小を示すときには「不等号」が使われます。例えば「□<10」と表されている場合は、□に入るのは「10未満の数」です。
不等号を使うと、「□>10」といった未満の反対を意味する「10よりも大きな数」も表せます。なお、未満を意味する「<」は「小なり」と読み、閉じている方の数字が小さいことを示す記号です。
反対の意味を持つ言葉は「超過」
未満の反対の意味を表す言葉には、「超過(ちょうか)」が挙げられます。超過は、数・時間が一定限度を超えた際に用いる言葉ですが、未満を使う文にそのまま超過を使えないこともあります。年齢はそのうちの一つで、18歳よりも大きい年齢を「18歳超過」とは表さない点に注意しましょう。
「超過料金をいただきます」という注意書きがある店では、決められた時間を超えると料金を支払わなければなりません。また、「予算超過が見込まれます」という言葉からは、該当のサービス・商品などを利用すると予算を超えてしまうことがわかります。
「以下」との違い
未満とよく似た言葉に「以下」がありますが、意味合いは大きく異なります。例文も参考にしながら、未満と以下の違いを確認しましょう。
その数を含むかどうか
未満と以下の大きな違いは、「その数を含むかどうか」の1点にあります。「3歳未満」が3歳を含まないのに対し、「3歳以下」の場合には3歳も含まれる点に注意が必要です。例えば「3歳以下のお子様は入場不可」と注意書きがある店には、3歳の子供も入れません。
なお、以下の対義語には「以上」があります。以下・以上は、未満と超過の関係とは異なり、セットで使えます。「17歳以下の使用禁止」の商品は18歳の誕生日前日まで使用ができず、「18歳以上の使用可能」は、18歳の誕生日から使えることを意味しています。
「未満」を使った例文で理解を深めよう
店の看板や日常会話において、「未満」を使う機会もあるでしょう。生活場面にありがちな未満の例文から、正確な意味を読み取ってみます。
「小学生未満のお子様は半額です」
「小学生未満のお子様は半額です」のように、「小学生」「幼児」と合わせて未満が用いられるケースも少なくありません。このような場合は、「未満」を「より小さい」の言葉に置き換えるのがおすすめです。
「小学生未満」を「小学生よりも小さい」に言い換えると、小学校に入学する前の乳幼児を指していることがわかります。子供が小学生の場合には、大人と同じ料金が発生する点に注意が必要です。
なお、小学生未満を「未就学児」と表現するケースも珍しくありません。「未就学児は半額」と記載されている際も小学生未満と同じく、小学生は半額にならないことを意味しています。
「18歳未満の入店はお断りします」
「18歳未満の入店はお断りします」のように、否定の表現と合わせて「未満」が使われるケースも少なくありません。このような場合には、「入店できない年齢」を読み取ってから入店できる年齢を考えるのがポイントです。
「18歳未満」の言葉に18歳は含まれないため、入店できないのは0~17歳の人だと読み取れます。つまり、18歳の誕生日を迎えた人は、その店を利用できるというわけです。スタッフの募集などで「18歳未満お断り」と記載されている場合、18歳になっていれば応募できることを意味します。
「彼とは友達以上恋人未満の関係です」
未満の正確な意味を理解していると、漫画・ドラマなどに登場する「友達以上恋人未満」の関係を把握できます。「友達以上」は、普通の友達よりも親密な関係を意味する言葉です。二人だけで遊んだり、誰にも言えない悩みを打ち明けたりと、一般的な友達よりも距離が近い関係を「友達以上」と表します。
一方で「恋人未満」の言葉からは、恋人の関係には至っていないことがわかります。つまり「友達以上恋人未満」とは、恋人に限りなく近いけれど、恋愛関係ではない二人を表現した言葉なのです。
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