添削とは?
添削とは、「てんさく」と読みます。文章に語句を追加・削除したり、書き直したりする作業のことです。「添削する」「添削を受ける」といった使い方をします。
推敲や修正など似た言葉がいくつもありますが、添削は自分の文章ではなく他人の文章に手を加えるという点が異なります。
ここでは、添削という言葉の語源や推敲・修正との違いを見ていきましょう。
■添削の語源
添削の「添」はつけ加えるという意味があります。「削」は取り除くという意味です。それぞれの漢字からも「文章に足りないものを書き加えたり、不要なものを取り除いたりする作業」という添削の意味がわかります。
添削で赤いペンなどを使うのが一般的であり、添削することを「朱書き」や「赤入れ」という呼び方をする場合もあります。
なお、添削の対象は作文や論文など文章だけではありません。書道やペン字など、文字の手直しについても「添削」が使われます。お手本や正しい書体に沿って手直しが行われます。
■推敲や修正との違い
添削と同じく文章に変更を加える言葉に推敲(すいこう)や修正(しゅうせい)があります。推敲とは、文章を何度も考えて作り直すことで、修正は誤りや不十分だと思うところを直すことです。
どちらも自分が書いた文章等に手を加えるという点で、添削と変わりありません。しかし、添削は他人の文章を直すことを指すのに対し、推敲や修正は自分の文章等を直すという点が大きく異なります。
添削の使い方・例文
添削を会話や文書の中で正しく使うには、例文を見ることがおすすめです。ここでは、添削を使った例文をご紹介します。
・教員は生徒全員の作文を添削するため、いつも夜遅くまで残業している
・提出した論文は、添削の赤い文字で埋まっていた
・細かい部分まで添削してもらい、どこを直せばいいのかよくわかった
・提出された論文は誤字が多く、添削が必要な出来だった
・丁寧に添削してもらったおかげで、完成度の高いレポートに仕上がった
・毎月1回、書道教室に通い、先生に添削とアドバイスをもらっている
・彼女は子どものころにペン字の添削をしてもらったおかげで、きれいな文字を書くことができる
添削の類義語
添削には校正や訂正、校閲、リライトなど類義語が多く、一緒に覚えておくと便利です。これらの類義語は文章等を直すという意味では添削と共通していますが、それぞれ作業内容や視点、使い方は異なります。言葉の意味を正しく理解して使用するようにしましょう。
ここでは添削の類義語をご紹介しますので、覚える際はぜひ参考にしてください。
・校正
校正(こうせい)とは、文章の誤字脱字や表記のゆれ、文章の構成・内容などに間違いがないかを確認して正しく直す作業です。印刷する作業の中間で元の原稿と比べながら、誤植や不備を見つけます。
ひとつ前の工程と現段階の2つを比較するという形式で行う作業で、文字や文章を比べて誤りを正すのが主な目的です。
他人の文章をチェックするという点で添削と同じですが、添削は文章の構成や表現を含めて書き加えたり削ったりするのに対し、校正は印刷物と原稿を比べ、文字の誤植や不備な点を正すことであるという点が大きく異なります。
・訂正
訂正(ていせい)とは、誤りを正しく直すことです。文章や文字を直すほか、幅広い内容に使われます。訂正の対象は、自分のものか他人のものかを問いません。
修正(しゅうせい)とよく似た言葉ですが、意味は異なります。修正は、不十分・不適当と思われるところを改め直すという意味です。訂正は明らかな誤りを正すのに対し、修正は誤りとはいえないがニュアンスが異なるものも対象とします。
・校閲
校閲(こうえつ)とは、誤字脱字だけでなく、文章の内容もチェックする作業です。内容を理解し、事実と異なる情報がないか、資料を確認して無許可の引用や差別につながる表現がないかなどを確認します。
添削も校閲も、文章の内容に踏み込んで正しく直すという点では共通した作業ですが、両者は作業の視点が異なります。
添削は教師が生徒の文章を直すなど、添削する側に何らかの指針があり、添削する対象物をより良いものにするという目的があります。添削を通して指導するという視点です。校閲にはこのような視点がなく、ただ文章を正しく直すことを目的とします。
・改稿
改稿(かいこう)とは、一度書き上げた原稿を書き直すことです。新聞や雑誌に送稿した原稿を掲載前に変更することを指します。原稿を全面的に変更する場合と、一部だけを訂正もしくは差し替える場合があります。
推敲と同じく、原稿を書いた本人が行う作業です。しかし、推敲は文章を何度も練り直してより良いものにしていくという作業であるのに対し、改稿は原稿の一部もしくは全部を変更する作業という点が異なります。
・リライト
他人の文章を書き直す、あるいは書き換えることです。すでに公開されている記事を元に、構成の変更や文章の追加・書き換えを行います。
ネット記事の場合は、検索順位を上げてアクセスを増やすなどSEO対策として行うことが多いでしょう。また、元の記事を活かし、新記事を制作するコストを節約する目的で行われることもあります。
添削は文章に語句を追加・削除したり、書き直してより良い文章にしたりする作業ですが、リライトは文章全体を変えてより高い価値のものに変えるという点が異なります。
添削の意味を正しく理解しよう
添削とは、文章に手を加えてより良いものにすることです。朱書きや赤入れとも呼ばれています。他人の文章を正す場合に使われ、自分の文章を正す推敲や修正とは異なります。同じく文章を正す作業に校正や校閲、リライトなどがありますが、作業内容はそれぞれ違います。
記事の例文も参考に、添削の意味やほかの類義語との違いを正しく理解するようにしましょう。
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