理由を書かなくてもいいケースとは?
選考辞退の際、必ずしも理由を伝える必要はありません。企業によっては、辞退の意向が明確に伝われば、それ以上の説明を求めないことも多いようです。例えば、「一身上の都合により辞退いたします」といった短い表現でも、十分に意図が伝わるでしょう。
▷ 例文(参考)
「お世話になっております。〇〇(氏名)と申します。
貴社の選考に進ませていただいておりましたが、慎重に考えた結果、辞退させていただくことを決めました。
貴重な機会をいただきましたことに感謝申し上げます。」
体調不良や社風が合わない場合の伝え方
辞退の理由として、「体調不良」や「企業文化とのミスマッチ」もあるでしょう。ただし、このような理由をどのように伝えるかは慎重に判断する必要があります。
体調不良を理由にする場合、具体的な詳細を述べる必要はなく、「健康上の理由で辞退させていただきます」といったシンプルな表現が考えられます。一方で、「企業文化が合わない」といった理由は、企業側に誤解を与える可能性もあるため、伝え方に配慮することが求められます。
▷ 例文(参考)
「お世話になっております。〇〇(氏名)と申します。
このたび、健康上の理由により、貴社の選考を辞退させていただきたく存じます。
貴社には多くの機会をいただき、誠に感謝しております。
貴社のさらなるご発展をお祈り申し上げます。」
選考辞退メールの返信は必要? 企業の対応パターンと対処法
選考辞退のメールを送った後、企業側から返信がある場合とない場合があります。どのように対応すればよいのか、状況ごとに確認しておくと、悩むことなく対応しやすくなります。
企業から返信がない場合の対処法
選考辞退のメールを送った後、企業から返信がないことは珍しくありません。企業側が辞退の意向を受理したと判断している場合、特に追加の対応を求められることはないでしょう。
企業から返信が来た場合、どう対応する?
選考辞退の連絡に対し、企業から返信があるケースもあります。その際は、返信内容に応じた適切な対応を心がけることが大切です。誠意ある対応は、今後の印象にもつながります。
例えば、「ご丁寧にご連絡をいただきありがとうございます」といった返信があった場合は、「ご返信いただきありがとうございます」と言った一文を返すことで丁寧な印象を保ことができます。長文での返信は必要ありませんが、簡単なお礼の一言があるだけでも好印象です。
一方で、「辞退の理由を詳しくお聞かせいただけますか?」と尋ねられることもあります。その場合、どこまで答えるかは慎重に判断しましょう。無理に説明する必要はなく、「諸般の事情により、今回はご辞退させていただきます」といった表現で丁寧に断ることも十分に適切。必要以上に踏み込まず、あくまで礼儀を持って対応することがポイントです。

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最後に
- 選考辞退メールは、誠実で簡潔な内容を心がけることが大切です。
- 立場や状況に応じて、伝え方やタイミングを見極めるようにしましょう。
- 理由の伝え方や返信対応は、無理のない範囲で対応しましょう。
昨今は、業種や企業規模、採用方針によって、選考方法が多様化しているようです。選考辞退のメールは、誠意を持って伝えることで、企業との関係を円満に保つことができます。適切なタイミングで、シンプルかつ丁寧な表現を心がけることが大切です。適切な対応を行うことで、今後のキャリアにも好影響をもたらす可能性があります。この記事を参考にしながら、実務で役立つ形で活用してください。
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執筆
櫻井宏美(さくらい・ひろみ)
2017年国家資格キャリアコンサルタント取得。 20年以上、人事関連の業務に関わる。現在はキャリアチェンジを図り、三重県尾鷲市へ地域おこし協力隊として、定住移住促進・関係人口づくりに関わる。
ライター所属:京都メディアライン