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マフラーを洗った後、誤った干し方をするとシワや型崩れの原因になってしまいます。特にカシミヤやウールなどの素材はデリケートで、適切な方法で干すことが重要です。この記事では、創業80余年の歴史を持つ京都発祥の染み抜き・お直し専門店である「きものトータルクリニック吉本」さんに素材ごとの干し方や、失敗しないためのポイントをお聞きしました。解説していきましょう。
マフラーを干す前に知っておきたい基本ポイント
適切に干すためには、洗濯後の処理が重要です。素材ごとの特性を理解し、最適な方法で水分を取り除くことで、仕上がりが変わります。
適切な水分の取り方
マフラーは洗濯後に強く絞ると繊維が傷みやすくなります。特にウールやカシミヤはデリケートなため、タオルに挟んで押し当てるようにして水分を取ることが適切。水気を残しすぎると乾きにくく、嫌な臭いの原因にもなるため、しっかりと余分な水分を取り除くことが大切です。

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型崩れを防ぐための準備
干す前に、マフラーの形を整えることで、乾燥後の仕上がりが変わります。シワを防ぐために、手で軽く伸ばしながら形を整えてから干すことが理想的。細長い形状のマフラーは、自然なドレープを維持するよう意識し、曲がり癖がつかないように工夫することが重要です。
干す場所の選び方
直射日光に当てると生地が硬くなったり、色があせる原因になるため、風通しのよい陰干しが基本です。屋内で干す場合、暖房の風が直接当たる場所では乾燥しすぎてしまうため、適度な湿度を保つ工夫も必要です。特に冬場は部屋干しの環境によって乾燥時間が変わるため、マフラーの素材や厚みに応じた調整が求められます。
型崩れしないマフラーの干し方|素材別のポイント
マフラーは素材によって乾燥時の扱いが異なります。適切な干し方を実践することで、型崩れを防ぎながら、美しい状態を維持できます。
カシミヤマフラーの正しい干し方
カシミヤは繊維が細く、摩擦や引っ張りに弱いため、干し方に注意が必要です。洗濯後はタオルで包んで軽く押し、水分を吸収させます。その後、平干しネットや通気性のいい場所で広げて干すことが理想的です。厚みがある部分は乾きにくいため、風通しの良い環境を確保し、均等に乾燥させる工夫をするといいでしょう。
ウールマフラーの正しい干し方
ウールは水分を含むと重さで伸びやすい特徴があります。そのため、干す際は形を崩さない工夫が欠かせません。洗濯後にタオルドライでしっかり水気を取り、編み物のマフラーは特に平干しで乾燥させると伸びでしまう心配がなく安心。特に、毛羽立ちや縮みを防ぐために、乾燥中に時々手で形を整えると仕上がりがよくなります。
フリースやアクリル素材の干し方
フリースやアクリルは比較的速乾性があるため、短時間で乾燥します。、物干し竿に二つ折りでかけるか、ハンガーを2つ用意し、M字型に干すといいでしょう。また、乾燥後の静電気を抑えるために、干す際に軽く振りさばいて繊維をほぐしておくと、手触りがよくなります。
よくある失敗とその対策|マフラーの干し方で気をつけること
マフラーを干す際、些細なミスが仕上がりに大きく影響することがあります。ここでは、よくある失敗とその回避策を紹介していきましょう。
直射日光による色あせ・硬化を防ぐ
マフラーを外干しする際に直射日光を浴びると、色あせや生地の硬化が起こることがあります。特に濃い色のマフラーは紫外線の影響を受けやすく、色あせが目立ちやすくなります。
これを防ぐためには、風通しのいい日陰に干すことが基本です。屋外で干す場合、色褪せが心配な濃い色のマフラーは薄手の布をかけて紫外線を軽減する工夫をすると、生地を守りながら乾燥させることができます。

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