寒い季節や作業時に欠かせない手袋。長く使うためには、適切な洗濯方法を知ることが大切です。この記事では、創業80余年の歴史を持つ京都発祥の染み抜き・お直し専門店である「きものトータルクリニック吉本」さんに手袋の素材別・用途別の最適な洗濯方法をお聞きしました。早速、見ていきいましょう。
手袋の洗濯、意外と知らない基本ポイント
手袋を洗濯する前に、基本的なポイントを押さえておきましょう。
手袋はどのくらいの頻度で洗うべき?
手袋は頻繁に洗うべきなのか迷う人が多いですが、使用状況によって適切な洗濯頻度が異なります。一般的に、日常的に使用する防寒手袋は、汚れや菌の蓄積を防ぐために週に1回の洗濯が理想的です。
一方、スポーツや作業用の手袋は汗や泥汚れがつきやすいため、使用後すぐに洗うのが望ましいでしょう。素材によっては頻繁な洗濯が劣化を招くため、日々のお手入れと合わせてバランスよくケアすることが肝要です。

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洗濯前に必ずチェックすべき3つのポイント
手袋を洗う際には、いきなり水に浸けるのではなく、事前の確認が重要です。
まず1つ目が、洗濯表示を確認すること。手袋のタグに記載されたマークを見れば、洗濯機の使用可否や適した洗剤の種類が分かります。
2つ目に、素材の特性を理解すること。具体例を挙げると、ウールや革製の手袋は水に弱く、洗濯機での洗濯には向きません。
3つ目に、汚れの種類を見極めること。汗や皮脂汚れが多い場合は、消臭効果のある洗剤を使うといいでしょう。一方、泥汚れが目立つなら、ブラシで事前に払い落としてから洗濯するのが効果的です。
洗濯表示がない手袋の扱い方とは?
手袋の中には、タグが取れてしまったり、最初から洗濯表示がついていないものもあります。この場合、素材を見極めることが最も大切です。
綿やポリエステル素材の手袋
中性洗剤を使った手洗いが基本。強くこすらず、やさしく押し洗いしましょう。
革やウールの手袋
水洗いは避け、専用クリーナーでケア。革製なら、専用の保湿剤で仕上げると長持ちします。
撥水加工された手袋
専用洗剤を使用し、機能を損なわないように注意。洗剤選びが重要になります。
また、洗う前に目立たない部分でテスト洗いをすると、色落ちやダメージを事前に防ぐことができます。慎重に扱うことで、お気に入りの手袋を長く愛用できるでしょう。
手袋の素材別! 最適な洗濯方法と注意点
手袋は素材によって洗い方が異なります。適した方法で洗わないと、縮みや傷みの原因に…。長く使うために、それぞれの素材に合ったお手入れ方法を確認しましょう。
革手袋の洗濯方法と注意点
革手袋は水に弱く、誤った洗濯で縮みや硬化が起こりやすい素材です。基本的には水洗いせず、専用クリーナーで表面を拭き取るのが最適です。汚れがひどい場合は、以下の方法を試しましょう。
軽い汚れの場合
柔らかい布に革用クリーナーをつけ、汚れた部分を優しく拭き取ります。
汗や臭いが気になる場合
ぬるま湯に革専用洗剤を溶かし、布に含ませて表面を拭いた後、しっかり自然乾燥させます。
乾燥後のケア
革が硬くなるのを防ぐため、専用オイルやクリームを塗り込み、やわらかさを維持しましょう。
また、直射日光やドライヤーの使用は避け、風通しのいい場所で自然乾燥させるのが肝要です。

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ナイロン手袋の洗い方とは?
ナイロン製の手袋は、比較的洗いやすいですが、摩擦や熱に弱い特徴があります。洗濯機を使用する場合は、必ず洗濯ネットに入れ、手洗いモードや弱水流で洗いましょう。型崩れを防げます。
・洗剤選び → 中性洗剤を使用し、漂白剤や強力な洗剤は避けること。
・手洗いのコツ → ぬるま湯を使い、優しく押し洗いすると長持ちします。
・乾燥方法 → 直射日光を避け、陰干しで自然乾燥。乾燥機は劣化の原因になるためNGです。
スポーツ用やアウトドア用の手袋も、ナイロン素材のものが多く含まれるため、この洗い方を応用するといいでしょう。
合皮の手袋の洗い方とは?
洗濯表示に従い水洗いが可能かどうか必ず確認しましょう。合皮は基本的に水に弱く、水分を多く含んだ状態になると加水分解がすすみますので不用意に水洗いは避けましょう。
表面にべたつきが出てきていたり、ボロボロと素材が剥がれてきている場合は、合皮が劣化した状態ですので洗いは避けてください。汚れがある場合は、やわらかいタオルなどを水に浸し、固く絞ってから表面をやさしく拭きましょう。
綿・ウール製の手袋はどう洗う?
綿やウールの手袋は、繊維が繊細で縮みやすいため、洗い方に注意が必要です。特にウールは摩擦でフェルト化しやすく、慎重な取り扱いが求められます。
1. 綿手袋の洗い方
・洗濯機を使う場合は、ネットに入れ、手洗いモードで優しく洗いましょう。
・手洗いなら、ぬるま湯に中性洗剤を溶かし、押し洗いをします。
・洗剤が残らないよう、しっかりすすぎを行うことが肝心。
2. ウール手袋の洗い方
・必ずウール専用洗剤を使用し、常温で手洗いします。
・強くこすると縮むため、押し洗いを基本とし、短時間で洗いましょう。
・洗濯後は形を整えてタオルで水気を吸い取り、平干し。吊るすと伸びるので注意が必要。
特にウール製品は、洗剤選びと乾燥方法が大切。間違った方法で洗うと型崩れしやすくなるため、慎重にケアしましょう。
用途別に最適な洗い方を知ろう! スポーツ・防寒・作業用手袋の洗濯術
手袋は用途によって使われる素材や機能が異なります。そのため、適切な洗い方を知ることが肝要です。間違った洗濯方法を選ぶと、防水・保温機能が低下したり、劣化が早まることも…。ここでは、スポーツ用、防寒用、作業用の手袋ごとの適切な洗濯方法を解説します。
スキー・アウトドア手袋の洗濯ポイント
スキーや登山などアウトドア用の手袋には防水・撥水加工が施されていることが多く、誤った洗濯方法で機能を損なう可能性があります。そのため、基本的には洗濯機は使わず、手洗いが推奨されます。
洗剤選び
通常の洗剤では撥水効果が落ちるため、防水・撥水機能対応の専用洗剤を使用するのが理想的。
洗い方
ぬるま湯に専用洗剤を溶かし、優しく押し洗い。ゴシゴシ擦ると撥水機能が損なわれるので注意が必要です。
乾燥方法
乾燥機やアイロンの使用は厳禁。タオルで水分を吸い取り、風通しのいい場所で陰干しすると型崩れを防げます。撥水性が弱まった場合は、撥水スプレーを使うと防水機能を維持できます。洗濯後のメンテナンスも大切です。

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スポーツ用手袋(ゴルフ・バッティング)の洗い方
ゴルフやバッティング用の手袋は、グリップ力が重要なため、適切な洗い方を守ることが不可欠です。特に、泥や汗を落としつつ、滑り止め加工を維持する洗い方が求められます。
洗剤選び
強力な洗剤は素材を傷めるため、中性洗剤を少量使用。
手洗いが基本
ぬるま湯に洗剤を溶かし、指先や手のひら部分を軽くもみ洗いをしましょう。
乾燥時のポイント
型崩れを防ぐため、手袋の形を整えてから平干し。吊るして干すと縮む恐れがあります。また、消臭スプレーや抗菌スプレーを使うと、洗濯の回数を減らしつつ清潔に保つことができます。
作業用・防寒手袋の正しいお手入れ方法
作業用手袋は油汚れやホコリが付きやすく、防寒手袋は湿気を含みやすいため、適した洗い方を実践することが肝心です。
1. 作業用手袋(革・合皮・布製)の洗い方
・油汚れがある場合
→ 食器用洗剤を少し加えたぬるま湯で手洗いし、しっかりすすぐ。
・頑固な汚れ
→部分洗いをすると効果的。
・乾燥方法
→ 布製は陰干し、革・合皮はクリームで仕上げるとひび割れを防げる。
2. 防寒手袋の洗い方
・湿気や汗がこもりやすいため、定期的に洗うのが理想的。
・ダウン入り手袋
→ 洗濯機は不可。手洗いし、しっかり脱水後、形を整えて平干し。
・フリース手袋
→ ネットに入れて洗濯機で洗う。乾燥機は使わず、風通しのいい場所で陰干し。
特に防寒用手袋は乾燥をしっかり行わないと、雑菌が繁殖しやすいため、洗濯後は完全に乾かしてから収納することが重要です。
最後に
手袋の洗濯は、素材や用途に合った方法で行うことが大切です。誤った洗い方をすると、縮みや型崩れが起こり、せっかくの手袋が使えなくなることも。今回紹介した方法を実践すれば、お気に入りの手袋を長持ちさせることができます。適切なケアを心がけ、いつでも快適に手袋を使えるようにしましょう。
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