手袋を清潔に保ち、快適に使い続けるためには正しい洗い方を知ることが大切です。本記事では、創業80余年の歴史を持つ京都発祥の染み抜き・お直し専門店である「きものトータルクリニック吉本」さんに素材や用途に応じた洗い方や初心者でも簡単にできる具体的な方法をお聞きしました。ぜひ最後まで読んで日常生活に役立ててください。
手袋の基本的な洗い方|初心者でも失敗しない方法
手袋を正しく洗うためには、基本的な手順と注意点をしっかり理解することが重要です。素材や目的に合った適切な方法を使うことで、手袋を傷めず清潔に保つことができます。ここでは、初心者でも失敗しないための手洗いのステップや、洗剤の選び方、乾燥時の注意点を解説します。
手洗いの基本ステップ
手袋の手洗いは、まず「品質表示タグの素材と洗濯表示の確認」から始めます。手袋の洗濯表示を見て、家庭での洗濯が可能かどうか確認してください。またどの素材が使われているのかを把握することで失敗を回避できます。
次に、30℃以下の水を用意し、中性洗剤をしっかり溶かします。洗剤の量は、洗剤の使用方法に記載の適量を守ってください。汚れを落とす際は、手袋を水中に軽く押し沈めたり、手でやさしく押し洗いするのがコツです。摩擦を加えすぎると繊維を傷つけてしまうため、ゴシゴシこすらないよう注意してください。
すすぎも重要なステップです。洗剤が繊維に残ると臭いや肌荒れの原因になるため、十分にすすぎましょう。特に、指先や縫い目部分は洗剤が溜まりやすいので、必ずチェックしてください。

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洗剤の選び方と使用方法
手袋を洗う際の洗剤選びも重要なポイントです。中性洗剤を選ぶことで、繊維を優しく洗い上げることができます。特に敏感肌の方や、直接肌に触れる手袋の場合は、肌に優しいタイプの洗剤を使うと安心です。
色落ちが心配な場合は、手袋の目立たない部分で試してみるといいでしょう。万が一色落ちが確認された場合は、専門のクリーニング店を検討するのも一つの選択肢です。
また、洗剤を使いすぎると十分に洗い流すにはすすぎの回数が多くなるので手袋が傷む原因にもなります。必ず洗剤の容器に明記の使用方法を守ってください。泡立ちが少ない場合でも、追加せず、手袋に優しい洗い方を優先することが大切です。
手袋を傷めない乾かし方
手袋の乾燥方法も、ケアの成否を大きく左右します。洗った後の手袋は水を含んで重くなるため、形を崩さないように慎重に扱いましょう。
洗濯後はまず、清潔なタオルで手袋全体を軽く包み込み、優しく押しながら余分な水分を吸収させます。このとき、ねじるように絞ると繊維が伸びたり破れたりする原因になるので、絶対に避けてください。
乾燥は、風通しの良い日陰で行うのが最適です。手袋を平らなネットやタオルの上に置き、自然乾燥させましょう。吊るすと重みで伸びたり、型崩れを引き起こす恐れがあります。
乾燥中に形を整えることも重要です。特に指の部分がしっかり伸びた状態を保つようにしてください。乾燥後の手袋にシワや縮みが見られる場合は、軽く手で形を整えて仕上げましょう。
素材別! 手袋の洗い方|革、毛糸、ゴムなど徹底解説
手袋は素材によって適切な洗い方が異なります。それぞれの特徴に合わせたお手入れをすることで、手袋の美しさや機能性を長く保つことができます。ここでは、革、毛糸、ゴムの手袋について、素材ごとの注意点を踏まえた具体的な洗い方を詳しく解説します。
革手袋を洗う際の注意点
革手袋はデリケートな素材であり、水洗いすると革が硬化したりひび割れが起きる恐れがあります。そのため、基本的には水洗いを避け、革専用のクリーナーを使用してお手入れすることをおすすめします。
革手袋のクリーニング手順は以下の通りです。革専用クリーナーや保湿クリームでシミにならないか、目立たない部分で一度テストをした後に行ってください。
1. やわらかいブラシなどで表面に付着している汚れを丁寧に落としておきます。
2. 柔らかい布を用意し、革専用クリーナーを少量布に取り布を揉むようにしてなじませた後、汚れた箇所に塗りのばし、優しく拭き取ります。力を入れすぎると革を傷める原因になるため注意してください。
3. 汚れが落ちた後は、乾いた布で余分なクリーナーを拭き取りましょう。
4. 洗浄後は革用の保湿クリームを使って、革の柔軟性と艶を保ちます。うすく均一に塗布し、しっかりなじませることがポイントです。
革手袋の乾燥は自然乾燥が基本です。直射日光や暖房器具の近くで乾かすと革が縮んだり硬化する原因になるため、風通しの良い陰干しを心掛けてください。

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毛糸の手袋をふんわり仕上げる方法
毛糸の手袋は、縮みや変形しやすい特徴があります。そのため、30℃以下の水温かつウール専用の洗剤を使用した手洗いが最適です。以下に具体的な手順を説明します。
1. 洗面器に30℃以下の水を張り、ウール専用の中性洗剤を少量溶かします。洗剤の使用量は洗剤の使用方法に記載の適量を守ってください。
2. 手袋を水に沈め、優しく押し洗いします。強くこすると毛羽立ちや縮みの原因となるため、注意が必要です。
3. 汚れが落ちたら30℃以下の水で丁寧にすすぎます。洗剤が残らないよう、すすぎを複数回行ってください。
4. 手袋の水気を取る際は、清潔なタオルで包み、軽く押すように水分を吸収させます。ねじると繊維が傷むため避けてください。
乾燥は平らなネットやタオルの上に置き、形を整えた状態で陰干しを行います。手袋が縮まないよう、乾燥途中で何度か形を整えるとふんわりと仕上がります。
ゴム手袋の内側ケアと洗濯機での洗い方
ゴム手袋は、内側に湿気がこもりやすいため、定期的なケアが重要です。ゴム特有の素材を傷めないためには、次の方法を実践してください。
1. ゴム手袋を裏返し、内側を洗える状態にします。
2. 中性洗剤を薄めたぬるま湯を用意し、柔らかい布やスポンジを使って内側を拭き洗いします。ゴム素材は摩擦に強いですが、力を入れすぎると破れや劣化を引き起こす可能性があるため、優しく行いましょう。
3. 水でしっかりとすすいだ後、内側を乾燥させるために再び裏返したまま陰干しします。湿気が残ると臭いやカビの原因になるため、完全に乾燥させることが大切です。
洗濯機を使用する場合は、手袋を洗濯ネットに入れ、デリケートコースを選択してください。高温設定はゴムが劣化する原因になるため避けましょう。また、乾燥機の使用も厳禁です。
用途別の手袋ケア|スキー手袋や防寒手袋のお手入れ方法
ここでは、スキー手袋や防寒手袋の具体的な洗い方や注意点を詳しく解説します。
スキー手袋を長持ちさせる洗い方
スキー手袋は防水性や保温性が重要なポイントです。そのため、適切な方法でお手入れすることが必要不可欠です。
1. 洗濯前の準備
スキー手袋を洗う前に、品質表示タグの洗濯表示を確認してください。「洗濯不可」の表示がある場合は、防水スプレーや湿らせた布で汚れを拭き取るだけに留めることをおすすめします。洗濯可能な場合でも、表面に汚れが目立つ箇所があれば、濡らした布であらかじめ拭き取るとスムーズです。
2. 手洗いの手順
洗面器に30℃以下の水を張り、中性洗剤を溶かします。スキー手袋を浸し、軽く押し洗いするようにします。内側が汚れている場合は、裏返して同じように優しく洗ってください。スキー手袋は素材が厚く、防水加工が施されているため、強くこすると防水性を損ねる可能性があります。
3. すすぎと乾燥の注意点
洗剤を残さないよう、しっかりすすぎましょう。その後、清潔なタオルで包み、押すようにして水分を吸い取ります。乾燥は陰干しが基本です生地に厚みがあるため、まず裏っ返して干し、表面が乾いたら表にして干すと早く乾きます。
4. 防水スプレーで仕上げ
洗濯後、防水スプレーを全体に吹き付けることで、防水機能を回復させることができます。スプレー後はしばらく放置し、完全に乾燥させてください。

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防寒手袋の洗い方と季節ごとの保管方法
防寒手袋は寒い季節に大活躍しますが、正しいケアを行うことで保温性を保ちながら長く使用できます。また、シーズンオフの保管方法も非常に重要です。
1. 洗濯時の注意点
防寒手袋は素材によってお手入れ方法が異なります。ウール素材の場合は、ウール専用の中性洗剤を使って手洗いするのが基本です。
一方、合成繊維の場合は、弱水流での洗濯機使用も可能な場合がありますが、洗濯ネットを必ず使用してください。洗濯後の水気はタオルで軽く吸い取り、形を整えながら陰干しを行いましょう。
2. 乾燥時のポイント
防寒手袋は内部に湿気が溜まりやすいため、内側までしっかり乾かすことが重要です。内側に湿気が残ると臭いやカビの原因になるため、時々裏返して乾燥具合を確認してください。厚手の防寒手袋の場合、乾燥中に内部に新聞紙を詰めると吸湿効果が高まります。
3. シーズンオフの保管方法
冬のシーズンが終わった後は、しっかりと汚れを落とし、完全に乾燥させた状態で保管します。湿気のたまらない場所に保管するのが理想です。
また、防虫剤をそばに置くことで虫食いの被害を防ぐことができます。ビニール袋に入れて保管すると湿気が溜まりやすく、カビの原因になるため避けてください。
最後に
手袋は日常生活で欠かせないアイテムですが、正しいケアを知ることでその寿命や快適さが大きく変わります。本記事でご紹介した方法を参考に、自宅で簡単に手袋を洗って清潔に保ってください!
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