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「うっかり、うんち汚れのついた衣類を洗濯機に入れてしまった」… そんな経験はありませんか? 悪臭や衛生面が気になるこのトラブル。適切な対策をすれば洗濯機も衣類も清潔に保つことができます。今回は、そんなお悩みへの対処法について創業80余年の歴史を持つ京都発祥の染み抜き・お直し専門店である「きものトータルクリニック吉本」さんにお聞きしました。効果的な対策を紹介していきましょう。
【目次】 [hide]
うんちがついたままの衣類を入れて洗濯機を回してしまった! まずやるべきこと
汚れた衣類をうっかり洗濯機に入れてしまった場合、慌てずに適切な処置をすることが大切です。臭いや雑菌の繁殖を防ぎ、他の洗濯物に影響を与えないための初動対応を解説します。
まずは洗濯機を止めて、汚れの状態を確認
洗濯機がすでに回ってしまった場合、速やかに停止することが重要です。蓋を開け、洗濯槽や排水ホースに汚れが付着していないかをチェックしましょう。
うんち汚れは水に溶けやすいものの、固形物が残る可能性があるため、洗濯槽の隅々やゴミ取りフィルターをよく確認します。汚れが広がっている場合は、可能な限り衣類を取り出し、汚れがひどい部分を取り除きましょう。放置すると臭いや雑菌の温床になるため、早めの対応が必要です。
洗濯機内の汚れはすぐに洗い流す
うんち汚れが付着した状態で放置すると、悪臭や菌が繁殖しやすくなります。まずは、洗濯機を空回しし、すすぎのみを実施。可能であれば「槽洗浄コース」がある洗濯機は活用し、徹底的に内部の汚れを洗い流します。通常のすすぎだけでは不十分な場合もあるため、洗濯槽クリーナーや漂白剤を適量加え、内部の除菌を行うとより効果的です。
また、フィルターに固形物が詰まると排水がスムーズにできなくなるため、取り出して清掃することを忘れないようにしましょう。

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臭いと菌の拡散を防ぐための追加対策
うんち汚れ特有の臭いや雑菌の繁殖を抑えるために、洗濯槽全体をしっかりと除菌することが大切です。酸素系漂白剤を使ったすすぎや、クエン酸を加えた洗浄が有効で、嫌な臭いの発生を防ぐことができます。また、消臭作用のある重曹を併用すると、さらに効果が高まります。
洗濯機内部の水分をしっかり拭き取り、蓋を開けたままにして通気をよくすることで、菌の繁殖を防ぎやすくなります。臭いがなかなか取れない場合は、乾燥機能を活用するのも有効な手段です。
うんち汚れは下洗いがカギ! 洗濯機に入れる前にやるべきこと
うんち汚れを落としやすくするためには、洗濯機に入れる前の処理が重要です。時間が経つほど落ちにくくなるため、適切な方法で下洗いしましょう。
汚れをこすらずに落とす方法
うんち汚れは擦ると繊維の奥に入り込み、落としにくくなります。そのため、まずは流水を使い、汚れを押し流すことが肝要です。水圧を利用しながらやさしく落とし、頑固な部分は使い捨てのスプーンやヘラを使ってすくい取ると効果的です。
このとき、お湯を使うと汚れが固着することがあるため、冷水かぬるま湯を使用するのがポイント。汚れをある程度取り除いたら、洗剤をなじませる準備をします。
時間が経った汚れに有効な洗剤と対処法
時間が経つとうんち汚れは繊維に染み込み、通常の水洗いだけでは落ちにくくなります。このような場合は、酸素系漂白剤をぬるま湯に溶かし、30分から1時間程度の浸け置き洗いを行うと効果的です。さらに、重曹を加えることで洗浄力が高まり、臭いの除去にも役立ちます。
また、ウタマロ石けんや液体洗剤を直接汚れ部分に塗布し、やさしくもみ洗いすると、頑固なシミにも対応しやすくなります。特に乾いてしまった汚れには、洗剤をなじませた後に軽くブラッシングするのも有効です。
洗濯機で安全に洗うための下準備
うんち汚れを完全に落とさないまま洗濯機に入れると、他の洗濯物に汚れや臭いが移る可能性があります。そのため、汚れを可能な限り取り除いた上で、洗濯ネットを使用するのが望ましいでしょう。
また、抗菌効果のある洗剤や、漂白剤を加えることで、洗濯機内の衛生状態を保つことができます。特に、ベビー服や肌に触れる衣類の場合は、すすぎをしっかり行い、洗剤残りがないよう注意しましょう。
うんちがついた衣類、洗う? 捨てる? 迷ったときの判断基準
うんち汚れのついた衣類を洗うべきか、それとも捨てるべきか、判断に迷う場面は少なくありません。特に衛生面や洗浄の手間を考えると、どのような基準で選択すればいいのか悩むこともあるでしょう。ここでは、状況に応じた適切な対応方法を整理します。
洗う場合のポイントと衛生管理
うんち汚れのついた衣類を洗う場合、まず重要なのは十分な除菌と臭い対策です。洗濯前の下処理として、漂白剤を使った手洗いや浸け置き洗いを行うと、菌の増殖を防ぐことができます。特に70度以上の熱湯消毒が可能な素材であれば、雑菌を死滅させる効果が期待できます。すすぎをしっかり行い、汚れや洗剤が残らないように注意しましょう。
また、洗濯後はしっかり天日干し することで、紫外線による除菌効果も得られます。乾燥機を使用する場合は、高温設定にすることでさらに衛生的に仕上げることができますよ。

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